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ゲーム理論に基づくダブルオークション市場の確率モデル

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Please use this identifier to cite or link to this item:http://hdl.handle.net/2115/43958

Title: ゲーム理論に基づくダブルオークション市場の確率モデル
Authors: 伊吹, 勇郎 Browse this author
Issue Date: 25-Mar-2010
Abstract: ソニーバンクレートに代表される金融データは「時刻」と「価格」からなる2 次元データであるが, 一般の金融データには市場価格の他, 各トレーダの提示する「売り注文」の値段の最大値(Bid)と「買い注文」の値段の最小値(Ask) がその時刻とともに与えられるものも存在する. このように,顧客が自らの「売り注文」と「買い注文」を同時に提示するような金融取引きをダブルオークション(Double-auction) と呼び, そこでどのように市場価格が決定し, 証券会社など取引き仲介会社の利益となるBid とAsk の差として定義されるBid-Ask スプレッド(Bid-Ask spread) が1どのような統計的性質を持ち, 市場にどのような影響を与えるのかに関してはまだ不明な点が多く,実データとしては十分なストックがあるものの, 現時点で十分な数理科学的な理解が得られているとは言いがたい.そこで, 本論文ではダブルオークション・システムにおける金融時系列データを確率過程としてとらえ, その確率過程をマクロに特徴付ける統計量を選択し, それを説明するための「マクロ的(現象論的) 視点」および「ミクロ的(構成論的) 視点」から構築される確率モデルをそれぞれ導入し,得られる結果を「スプレッド変動型」及び「スプレッド一定型」実データと比較検討し, 確率モデルと実データの振る舞いの類似性/相違性からモデル自身の妥当性と問題点を探って行く. このような社会現象/経済現象に関するモデリングを行う際, 我々が常に考えなければならないのは, それら確率モデルをどのような視点で構築し, その確率モデルの生成する時系列と実データの何を比較したらよいのか, また, その観点で両者の差が大きい場合には確率モデルの何を修正/改良したらよいのか, またそのような確率モデルの適切な候補に対し, 工学的にどのような応用が考えられるかということなどである. ここでは現象論的モデルとしてMadhavan-Richardson-Roomans モデルを取り上げ, このモデルの振る舞いを自己相関関数(Auto-Correlation Function),応答関数(Response Function)(あるいは遅延衝撃関数(lagged impact function))と呼ばれる時変な統計量を介して実データと比較検討する. Madhavan-Richardson-Roomans モデルはスプレッド一定の仮定のもとに構築される確率モデルのため, スプレッド変動型データを説明することは困難であることが予想される. そこで, 本論文ではミクロ的視点, 構成論的視点, すなわち,ゲーム理論的視点からの確率モデルとして繰り返しゲームのひとつであるマイノリティ・ゲームを改良し, このゲーム理論を用いてダブルオークション・システムを構築し,人工的にスプレッドの揺らぎを生成することで上記2 種類の統計量の振る舞いを定性的に説明することを試みる.
Conffering University: 北海道大学
Degree Level: 学士
Type: theses (bachelor)
URI: http://hdl.handle.net/2115/43958
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Submitter: 伊吹 勇郎

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