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マルコフ確率場を用いた動画像処理における移動速度場と確率モデルの同時ベイズ推定

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Please use this identifier to cite or link to this item:http://hdl.handle.net/2115/43999

Title: マルコフ確率場を用いた動画像処理における移動速度場と確率モデルの同時ベイズ推定
Authors: 稲垣, 佑哉 Browse this author
Issue Date: 25-Mar-2010
Abstract: 画像工学における物体移動速度ベクトルの推定の技術は,異なる2フレーム間の物体の変位の推定,動画の圧縮などに応用される.この物体移動速度ベクトルの推定は.その解が一意でないため不良設定問題に属する.例えば,画素値が単色である領域においては,単なる画素値のマッチングでは一意に解が決定できない.また,画像中のノイズや歪みによって解が不安定になることもある.この不良設定問題を解く既存方法としてSmoothnessconstrains(連続性による制約)[1]やDis-continuityconstrains(不連続性による制約)[2]など,物体移動速度ベクトルに各種制約条件を導入する手法|正則化理論|が広く用いられている.そのような標準正則化理論の一つとして位置づけられるマルコフ確率場によるアプローチにおいて「移動物体の速度ベクトル推定」は最小エネルギーを探索する組み合わせ最適化問題とみなすことができる.最小エネルギーの主な探索手法として,シミュレーテッド・アニーリング法(SA焼きなまし法)や反復条件付き最大化法が知られている.しかし,SAは大域的最適解にたどり着くことが証明されているが,膨大な計算時間を要する.一方,反復条件付き最大化法は高速で解を見つけることができるが,その解が必ずしも高精度とはいえない.これらの問題を解決するために,Zhangら[3]によって提案されたマルコフ確率場に基づく平均場解法がある.この手法は以下にあげる2つの大きな特徴をもつ. 移動速度ベクトルに連続性/非連続性の制約を導入. 画像復元/分割やセンサーフュージョンにおいて有用である平均場近似の導入.これら2つの特徴によって,Zhangらの手法は高速/高精度な解の探索が可能とされている.しかし,マルコフ確率場モデルに対し,平均場近似に基づく反復解法を構成した場合,正則化項の不適切な規格化に起因する「平均場の発散」が生じるといった問題が生じる.また,エネルギー関数に確率モデルをマクロに特徴つけるハイパーパラメータが複数組み込まれているが,それらの値が何ら理論的根拠もなく「アド・ホック」に設定されているといった問題がある.画像は,物体や背景の模様や,ノイズなどによって各々特性が異なるものである.そのような特性の異なる画像に対して一意に固定されたパラメータでそれぞれ最適な解を得ることは難しい.そこで本研究では,正則化項に新たなハイパーパラメータとなるスケーリング係数を導入し、発散回避を試みる.さらに、アド・ホックに設定されているハイパーパラメータの値を各画像に対して適切に推定することで,より高精度になることを目標とする.特に,周辺尤度に関するハイパーパラメータの勾配で構成されるボルツマン・マシン学習方程式を平均場近似,および,マルコフ連鎖モンテカルロ法を用いて数値的に処理することで,ハイパーパラメータと確率場を同時に推定する方式を提案し,その性能を「精度」「計算時間」の観点から詳細に評価する.
Conffering University: 北海道大学
Degree Level: 修士
Degree Discipline: 情報科学
Type: theses (master)
URI: http://hdl.handle.net/2115/43999
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Submitter: 稲垣 佑哉

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