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NMR によるオリゴ糖の構造解析
Title: | NMR によるオリゴ糖の構造解析 |
Authors: | 高田, 祐輔 Browse this author |
Keywords: | オリゴ糖 | NMR |
Issue Date: | 24-Sep-2010 |
Abstract: | 本研究では,プロトンシグナルの重なり合いという問題を抱えるオリゴ糖を中心にNMR 解析を行った.まず,日常的に用いられる手法の組み合わせにより簡潔に構造解析する手順を確立すること,つぎに,その手順では解析が困難であった事例に対して問題解決の手段を考え,それを用いて解析を行うことを目的とした.オリゴ糖の構造解析をルーチンNMR 法で行うにあたっては,まず,HSQC-TOCSY によって糖残基ごとにシグナルをグループ分けし,つぎに,COSY,HMBC によって帰属を行い,最後に,HMBC によって糖残基間の結合位置を決定するという手順をふむことで,簡潔に解析を行うことができる.糖残基間の結合位置を証明するには残基間HMBC 相関を見出すことが必要であるが,プロトンシグナルの重なり合いのため,残基間HMBC 相関が他の残基内HMBC 相関に埋もれることがある.そのような状況を打開するため,HMBC 相関シグナルの形状を変化させて,複数の相関の存在を明らかにすることを試みた.LRJCH を求めるために考案されたHR-HMBC は,測定時に設定するスケーリングファクター によって,相関シグナルがLRJCH の 倍で右上がりに,JHH の( +1)倍で右下がりに分裂する.この手法を用いたところ,JHH 分裂パターンの違いにより,複数のHMBC 相関が重なっていることを確認できた.同じ糖残基に属するプロトンシグナルの重なり合いのため,カーボンシグナルの帰属が困難な場合がある.そのような状況を打開するために,H2BC を用いた.HMBC が2 および3 結合はなれたプロトンとカーボンに相関を与えるのに対し,H2BC は2 結合はなれたプロトンとカーボンにのみ相関を与える.H2BC を用いると,隣り合うカーボンを順に追って帰属していくことができ,問題を解決することができた. |
Conffering University: | 北海道大学 |
Degree Level: | 修士 |
Degree Discipline: | 農学 |
Type: | theses (master) |
URI: | http://hdl.handle.net/2115/47342 |
Appears in Collections: | 学位論文 (Theses) > 修士 (農学)
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Submitter: 高田 祐輔
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