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北海道大学学術成果コレクション運営方針

平成19年11月22日
北海道大学

in English

北海道大学学術成果コレクション(以下「本コレクション」という。)は、本学の教員等が教育や研究活動を通じて生産した論文等の成果物を、電子的な形態で網羅的に収集・保存し、さらにインターネット等を介して無償で広く公開するシステムであり、国内外の大学や研究所等を中心に急速に普及しつつある「機関リポジトリ(Institutional Repository)」を本学において実現しようとするものである。
世界各国の教育研究機関が機関リポジトリを設立し、しかも急速に拡大している背景は、インターネットのグローバルな普及や学術情報の急激な電子化等を基盤として、教育研究機関が活動成果をネットワークを介して広く公開することで、教育研究機関の活動の説明責任、社会的認知度・評価の向上を図ろうとする意図がある。
さらに教育研究活動の成果を文字どおり社会全体の公共財として位置付け、無償で公開することを通じて社会に還元していこうとするオープン・アクセスの考え方が広まってきたことも大きな要因となっている。
世界的にこのような動きが加速している中、国内においても、研究者及び教育研究機関による情報発信力の強化が社会的に重要なキーワードとなってきている。
例えば、第3期科学技術基本計画において、わが国における研究情報基盤の整備及び科学技術に関する説明責任と情報発信の強化が重要だと、次のような具体的方策を提言している。
  • 我が国の研究情報の蓄積を資産として国の内外に発信できるよう、論文誌等の電子アーカイブ化支援を進めること
  • 研究者が公的な資金助成の下に研究して得た成果を公開する目的で論文誌等で出版した論文については、一定期間を経た後は、インターネット等により無償で閲覧できるようになることが期待されること
  • 研究機関・研究者等は研究活動を社会・国民に出来る限り開示し、研究内容や成果を社会に対して分かりやすく説明することをその基本的責務と位置付けること。その際、多様な媒体を効果的・効率的に活用すること
「現実世界と一体となった普遍的学問の創造としての研究と,基礎研究のみならず応用や実用化を重んじ研究成果の社会還元を重視する」という建学の精神を有する本学が、本コレクションを設立し、この方面において国内の大学をリードしていくことは極めて意義のあることである。
このような状況のなか、平成18年4月から附属図書館が運用を開始した本コレクションは、開始後約1年を経て、788名の教員等から学術雑誌掲載論文・資料の提供を受けた。また、本学の研究科等が刊行する44タイトルの研究紀要等を電子化し本コレクションから公開している。その結果、収録文献数は21,360件に達し、国内外からの本コレクションへの総アクセスは1,233,312件、現在では1ヶ月に約6万件(平成19年度平均)を数えるに至っている(平成19年11月22日現在)。

以上の諸情勢と蓄積に鑑み、北海道大学は学術活動の礎としての本コレクションの運営に関し、以下の基本方針を確認する。
  1. 北海道大学は、本学に所属し教育研究活動を行うすべての研究者に、その多様かつ高度な成果を「北海道大学学術成果コレクション運用要項」にしたがって、本コレクションにおいて公開することを強く奨励する。
  2. 北海道大学は、本コレクションの持続的な発展と恒久的な保存に務め、社会貢献の責務を果たすのみならず、オープン・アクセスを通じて成果を享受する者と創出する者との相互作用を促し、その効用が更なる知的発展をもたらすことを企図する。
  3. 北海道大学は、附属図書館が本コレクションを運用する十全な体制を整えるために不断に努力する。
以上

 

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