2024-03-29T13:12:25Zhttps://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace-oai/requestoai:eprints.lib.hokudai.ac.jp:2115/572222022-11-17T02:08:08Zhdl_2115_28085hdl_2115_54831hdl_2115_20124hdl_2115_54823hdl_2115_54822Levels and Effects of Organochlorine Pesticides and Heavy Metals in Aquatic Ecosystem from the Rift Vally Region, Ethiopiaエチオピア・リフトバレーにおける有機塩素系農薬と重金属による汚染状況の解明と水圏生態系への影響評価Yohannes, Yared Beyene石塚, 真由美坪田, 敏男池中, 良徳野見山, 桂open access649有機リン系殺虫剤(OCPs)および重金属類は、水圏生態系にける深刻な環境汚染物質であり、環境中長期残留性、生物濃縮性および内分泌かく乱や発がんなどの強い毒性から、これらによる環境汚染の対策は世界的に解決しなければならない問題の一つとなっている。水中に存在するOCPsや金属類の中には、食物連鎖の高次栄養段階に位置する野生動物あるいはヒトに高濃度に濃縮・蓄積するものがある。人工的な化学物質であるOCPsの使用は、多くの先進国では禁止されているが、エチオピアなどの発展途上国においては未だに使用されているのが現状である。特に、安価かつ多様な用途に用いることができるDDT(Dichloro-diphenyl-trichloroethane)は、農業やマラリアなどの感染症を媒介するベクターコントロールの目的に依然として使用されている。さらに、エチオピアにおいては、現在では使用されていない農薬(Obsolete Pesticides)が大量に貯蔵され、未整備の貯蔵施設や不適切な管理のため、これらの農薬の環境への拡散も問題視さている。アフリカ東部に位置し、7つの湖から成るエチオピア・リフトバレーは、エチオピアの農業および工業の主要地域である。一方で、これらの地域産業の著しい発展は、同地域における農薬や金属類による環境汚染を引き起こしている可能性も無視できない。そこで、本博士論文では、底質・魚類・鳥類におけるOCPsと重金属類の蓄積濃度解析を行うことで(1)リフトバレー地域の2つの湖(Awassa湖とZiway湖)における、OCPsと重金属類の生物濃縮機構の解明、(2)環境毒性学的観点からのヒトや野生動物に対するリスク評価を目的とした。Awassa湖における研究結果より、DDT類および重金属類の蓄積レベルには魚類間での種差が確認された。特に、高次栄養段階の魚類種おいて、より高濃度のDDT類が検出され、DDT類の生物濃縮性が認められた。また、湖内の全域(25地点)から採取した底質のDDT類の水平濃度分布解析により、流入河川付近あるいは湖岸の農業地域において高濃度のDDT類が蓄積していることが明らかになった。以上の結果より、Awassa湖周辺のヒトおよび野生動物に対するDDT類をはじめとした農薬汚染の影響が懸念された。さらにZiway湖における研究では、魚類および鳥類におけるOCPsの濃度レベルおよびリスクアセスメントを行った。対象とした化学物質(HCHs、heptachlors、chlordanes、DDTs)の濃度は生物種間での差が認められた。これらの化学物質の中では、DDT類が主に蓄積していることが明らかになり、上記のベクターコントロールのためのDDT使用や、Obsolete Pesticidesの流出・拡散などが原因として考えられた。発がん性危険率の解析を算出したところ、この地域に生息する魚類筋肉の恒常的な摂食は、発がん性のリスクを有している可能性が明らかになった。また、野生鳥類種おいても、個体の生存および繁殖に影響を及ぼす可能性のある高濃度のDDT類が蓄積していることを解明した。以上の研究結果から、エチオピア・リフトバレー地域における継続的なモニタリングや汚染に対する有効な対策の必要性が明らかになった。(主査) 教授 石塚 真由美, 教授 坪田 敏男, 准教授 池中 良徳, 特任講師 野見山 桂 (愛媛大学)獣医学研究科(獣医学専攻)Hokkaido University2014-09-25engjpndoctoral thesisVoRhttps://doi.org/10.14943/doctoral.k11518http://hdl.handle.net/2115/5722210.14943/doctoral.k11518http://hdl.handle.net/2115/571982, 115p.甲第11518号博士(獣医学)2014-09-2510101北海道大学Hokkaido Universityhttps://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/57222/1/Yared%20Beyene%20Yohannes.pdfapplication/pdf2.72 MB2014-09-25