2024-03-29T10:16:26Zhttps://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace-oai/requestoai:eprints.lib.hokudai.ac.jp:2115/113052022-11-17T02:08:08Zhdl_2115_20054hdl_2115_526中国における「国際的地位の向上」 : 中国外交に通底する課題川島, 真319昨今、中国外交史研究において、従来から言われてきていた「侵略と抵抗」「弱国無外交」といった側面から事象を説明することは稀である。現在中国が急速に国際社会にコミットメントを深め、同時に研究の面でも外交文書が中国でも台湾でも公開される中で、新たな中国外交への視線が形成されつつある。 こうした外交史研究は、歴史的に見た近代以来の中国外交の特徴を導き出しつつある。それは以下のとおりである。第一に、侵略された国権を取り戻し、これ以上主権を侵害されたり、利権を奪われたりしないようにすること。第二に、外交を制度面、政策面で「近代外交化」していくこと(制度面などでの国際標準の受容、第一と重なるが不平等条約改正など)。第三に、文明国として国際標準を受け入れ、役割を果たす中で国際社会の中で一定の地位を占め、その国際的な地位を向上させ、ひいては大国として認知されるようにしていくこと。そして、第四に周辺諸国との協調を図り、自らの安定的な成長のための環境を整えようとすること。 このうち、昨今特に重視されるのが第三と第四の点であろうが、中国外交史から見た場合、これらは必ずしも昨今の傾向というわけではなく、ある意味で19世紀以来一貫した方針だと考えることもできる。特に第三の「国際的地位の向上」については、清末以来、中国の外交担当者たちが腐心してきた問題であった。そこで本稿では、その経緯を紹介し、そこにおける問題性、議論のありかなどについて検討していくことにしたい。愛知大学北京シンポジウムConference Paperapplication/pdfhttp://hdl.handle.net/2115/11305https://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/11305/1/aichi-beijing_symposium_200512.pdf2005-12-08jpnhttp://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/2.1/jp/author