2024-03-28T12:52:42Zhttps://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace-oai/requestoai:eprints.lib.hokudai.ac.jp:2115/457982022-11-17T02:08:08Zhdl_2115_45766hdl_2115_45744hdl_2115_45742フッ素によるアルミニウムに依存したNa,K-ATPase活性の抑制Aluminium-dependent inhibition of Na,K-ATPase activity by fluoride石川, 一郎出山, 義昭吉村, 善隆鈴木, 邦明Na, K-ATPaseフッ素アルミニウム酵素活性阻害497う蝕予防に使用されるフッ化物はその毒性が問題とされるが,急性毒性の機構に関しては不明な点が多い.そこで,動物細胞に普遍的に存在して細胞機能の調節に関与するNa,K-ATPaseに対するフッ素(F)の作用を検討した.材料にはブタ腎臓のミクロソームと精製したNa,K-ATPaseを用いて,種々条件下でのATPase活性に対するNaF及びKFの作用を調べた. 1. NaFはNa+とK+存在下のNa,K-ATPase活性を抑制したがK+非存在下のNa-ATPase活性を制御しなかった. 2. NaFとKFはNa,K-ATPase活性を濃度に依存して抑制し,50%阻害濃度(Ki0.5)は約1.4mMであった.0.25mMF存在下での活性抑制は約10%であり,2.5mMではほぼ完全に抑制された.FによるKi0.5はアルミニウム(A1)存在下でA1の濃度に依存して減少し,A1のキレーターであるdeferoxamine存在下では増加した. 3. 2.5mMのNaFあるいはKF存在下でプリインキュベーションした後に10倍に希釈してからNa,K-ATPase活性を測定すると約50%のNa,K-ATPase活性が不可逆的に抑制されたが,deferoxamine存在下では活性は抑制されなかった. 4. 7.5μM以上のA1が共存すると2.5mMF存在下の活性はほぼ不可逆的に抑制された.この抑制にはマグネシウム,カルシウム,マンガンなどの2価金属イオンの共存が必要であった.リンはFによる不可逆的な抑制に影響を与えなかった.以上の結果は,FによるNa,K-ATPase活性阻害にはA1と2価金属イオンが必要であり,FとA1の複合体は2価金属存在下でNa,K-ATPaseに不可逆的に結合して,ATPase活性を阻害することを示唆する.北海道歯学会Journal Articleapplication/pdfhttp://hdl.handle.net/2115/45798https://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/45798/3/02_ishikawa.pdf0914-7063AN00229778北海道歯学雑誌31244512010-12-15jpnpublisher