2024-03-28T15:53:29Zhttps://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace-oai/requestoai:eprints.lib.hokudai.ac.jp:2115/845522022-11-17T02:08:08Zhdl_2115_54829hdl_2115_20127hdl_2115_54822hdl_2115_54823hdl_2115_20124頭頸部陽子線治療で使用する補助装置材料の検討鈴鹿, 正顕497頭頸部癌に対する陽子線治療で使用する補助装置の材料が線量分布にどのような影響を及ぼすかを検討するために,材料のCT値を測定し,CT値が線量分布に与える影響を検討した.CT値の測定対象は①レジン系義歯裏装材(ソフトライナー(R),GC,Tokyo,Japan),②シリコーンゴム印象材(エクザファインパテタイプ(R),GC,Tokyo,Japan),③エチレン・酢酸ビニル樹脂(デンタルマウスピース(R),Cogit Corporation,Osaka,Japan),④シリコーンゴム印象材(メモジル(R)2,Kulzer Japan,Tokyo,Japan),⑤コンパウンド印象材(モデリングコンパウンド(R),GC,Tokyo,Japan)の5種の材料とした.平均CT値はソフトライナー(R)が15.8H.U.,エクザファインパテタイプ(R)が985.0H.U.,デンタルマウスピース(R)が-89.7H.U.,メモジル(R)2が302.6H.U.,モデリングコンパウンドRが587.2H.U.であった.以上の結果,ソフトライナーRが5種類の材料の中で水のCT値に最も近い材料であったが,試料内部に気泡の混入が認められため,気泡の混入がないソフトライナー(R)を作製し,CT値を測定した.その結果,気泡がないソフトライナー(R)[以下,ソフトライナーR(気泡なし)と表記する]の平均CT値は36.9H.U.と上昇したが,5種類の材料の中で水のCT値に最も近い材料であることに変わりはなかった.次に,北海道大学病院で頭頸部癌に対して陽子線治療を行い,陽子線治療時に正常組織保護の目的で補助装置を使用した17症例を対象として,補助装置のCT値が線量分布に与える影響を検討した.補助装置の材料は全例でソフトライナー(R)を用いた.陽子線治療の治療計画上で,実際の治療で採用された陽子線治療計画における補助装置のCT値をエクザファインパテタイプ(R),ソフトライナー(R)(気泡なし),デンタルマウスピース(R)のCT値に変更し再計算を行った.症例ごとに上記の4種類の治療計画において,正常組織への照射線量を算出し,補助装置のCT値の変化による影響を検討した.正常組織の評価項目として①下顎骨最大線量<mandible max>(GyE)[GyEは臨床線量の単位で,物理線量(Gy)にX線を基準とした生物学的効果比(RBE)である1.1を乗じたもの],②下顎骨平均線量<mandible mean>(GyE),③下顎骨に60GyE以上照射されている割合<mandible V-60GyE>(%),④患側耳下腺平均線量<parotid affected sidemean>(GyE),⑤健側耳下腺平均線量<parotid unaffected side mean>(GyE),口腔線量<oral mean>(GyE)を対象とした.Wilcoxonの順位和検定を用いて治療計画間の有意差の解析を行った.その結果,全ての評価項目において治療計画間に有意差は認めず,今回検討したCT値の範囲では歯科材料によるCT値の変化が陽子線の線量分布へ与える影響はないと考えられた.23p北海道大学. 博士(歯学)Hokkaido University2021-03Thesis or Dissertationapplication/pdfhttp://hdl.handle.net/2115/84552info:doi/10.14943/doctoral.k14540https://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/84552/1/Masaaki_Suzuka.pdf2021-03-25jpnETD10101甲第14540号2021-03-25博士(歯学)北海道大学