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Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers >

平成23年6月7日,本コレクションの収録文献数が35,000編に達しました。
35,000編目の文献は,工学研究院生物機能高分子部門の松本謙一郎助教らが学術雑誌に発表された,

Matsumoto, Ken'ichiro;Morimoto, Kenjiro;Gohda, Aoi;Shimada, Hiroaki;Taguchi, Seiichi
Improved polyhydroxybutyrate (PHB) production in transgenic tobacco by enhancing translation efficiency of bacterial PHB biosynthetic genes.
Journal of Bioscience and Bioengineering. 111(4) 2011, 485-488


でした。

松本先生から

Q. 今回の文献はどういった内容のものですか。
ある種のポリエステルの合成遺伝子を用いると、植物の中にプラスチックを合成させることができます。この植物は、大気中の二酸化炭素を原料としてプラスチックを作ることができるのですが、現状では生産性が低いのが問題です。ポリエステルの合成には、モノマーの合成と重合の大きく分けて二段階があるのですが、この研究では、どちらの段階の速度が遅いのかを調べました。遅い方の段階を加速させる事で、全体の速度を高める事ができるからです。

Q. どうしてこの研究をはじめたのですか。
現在、植物バイオマスの利活用研究が盛んですが、植物が合成したセルロースなどの軟分解性の化合物を原料として、目的とする化合物を合成するのは容易ではありません。それなら、最初から植物細胞の中に目的物質を作ってしまえれば楽なのではないかと思ったのです。

Q. 今後の研究活動について教えてください。
今回の論文は、ポリエステル合成の基本的な酵素の機能を調べただけです。今後は、誰も作った事のないポリエステルを植物細胞の中で合成したいです。

Q. HUSCAPに掲載されたあなたの論文をどのような方々に読んでほしいですか。
本論文は、基本的なセントラルドグマの流れに沿って実験を進めています。生物を勉強している学生さんには、比較的簡単に読める内容になっているのではないかと思います。


松本 謙一郎(東京大学大学院博士課程修了。現在,工学研究院 生物機能高分子部門 生物工学分野 助教)
専門は生物機能・バイオプロセス

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