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HUSCAP登録文献数、50,000件達成!

平成28年7月20日、本コレクションの収録文献数が50,000件に達しました。
50,000件目に登録された文献は、工学研究院の高橋裕介助教らが学術雑誌に発表された、以下の論文でした!

Yusuke, Takahashi; Reo, Nakasato; Nobuyuki, Oshima : Analysis of Radio Frequency Blackout for a Blunt-Body Capsule in Atmospheric Reentry Missions
Aerospace 3(1), 2-, 2016.

高橋先生へ5万件目となった今回の論文と研究についてお話を伺いました。

Q. 今回の文献はどういった内容のものですか。
衛星が地球へ帰還する際、必要となる乗り物を大気圏突入機といい、その研究をしています。秒速7km以上の速さで大気圏へ突入するのですが、空気抵抗を受けて減速する際にエネルギーが熱へ変わり、高温のプラズマが発生します。強いプラズマが発生すると人工衛星と通信を行うための電磁波が遮断(阻害)されてしまいます。人工衛星と再突入するカプセルとの間で起きるこの現象を通信ブラックアウトといい、今回の論文では突入時の高度と速度の違いによるプラズマの発生分布についてシミュレーションを用いて定量的に計測しました。

Q. どうしてこの研究をはじめたのですか。
従来広く使われていた再突入機は硬いカプセルでできていました。2011年、JAXAでポスドクとして研究員をしていたとき、カプセルを柔らかい布のような材質で作成し大気圏突入前に空気抵抗を受けやすいよう広がる構造にすれば、突入時の速度も遅くできるのではないかという新しい再突入機の研究を行っていました。そうなると機体が高温になりにくくなるので、プラズマの発生も弱くなり、電磁波が進行しやすく通信ブラックアウトを抑えることができるかもしれない。このことを、当時の研究リーダーからシミュレーションしてみないか、と提案されたのがきっかけです。

Q. 今後の研究活動について教えてください。
再突入機と通信ブラックアウトに関して今後も継続して研究していきます。硬いカプセルを対象とした今回のシミュレーションの結果は良好でしたが、それが正しいかどうか検証はまだ必要です。また、柔らかい素材の新しい再突入カプセルについても、今は高度100kmからの再突入試験が行われていますが、更に高い高度、宇宙からの再突入試験もなされる予定です。これらにも適用したいと考えています。 将来的には、通信ブラックアウトが起こらないようなものを提案したいと考えています。現在は通信ブラックアウトによって衛星が帰還する際の着地点の予測をピンポイントに行うのが難しく、回収に膨大なコストがかかっています。研究が進み問題が解消されれば、正確な位置を計れるようになり、コストを大幅に抑えることが可能です。

Q. HUSCAPに掲載されたあなたの論文をどのような方々に読んでほしいですか。
世界中の方々に読んでほしいです。研究者だけではなく一般の方や学生・院生など幅広い層の人たちに読んでもらえたらと思っています。


高橋裕介(北海道大学工学研究院 機械宇宙工学部門 計算流体工学研究室 助教)
研究分野 :高速流体力学・高温気体力学
研究テーマ:柔軟構造飛翔体の空力・空力加熱解析、惑星大気再突入体の通信ブラックアウト予測ツールに関する研究、プラズマ風洞における高エンタルピー流解析
Researchmap:http://researchmap.jp/ytakahashi0109

 附属図書館では、今後とも本学所属研究者の研究成果・教育資料の公開に、より一層努めて参ります。ご著作をより多くの人々へ届けるため、論文等の研究成果のHUSCAPへの寄贈をお願いします。

 

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