加藤@北大図です。
CA-Rに紹介されてた
http://www.stm-assoc.org/documents-statements-public-co/2007%20-%2003%20BRUSSELS%20DECLARATION%20050307.pdf
を適当に翻訳しました。意訳したり省略したり変に直訳したり
してますがご了承を。間違ってるかもしれないので一応原文を
読んだほうがいいと思いますよ。
〜〜〜
STM出版に関するブリュッセル宣言
(前文超訳)
いろんな言い分を見てきたけども、我々が凄く頑張っているにも
かかわらずどれもいいかげんなので、ここ10年の経験に基づいて
自分たちで宣言することにしました。
1. 出版社の使命は、自己によって持続可能なビジネスモデルにより
知の流布を最大化することである。
我々は科学の発展のために頑張ってきたし、学問の自由も支援する。
論文著者らは、健全で正常な自由市場で出版することを選べる自由を
持つべきである。
2. 出版社は、STM雑誌のピアレビュープロセスを組織し、管理し、財政
的に支援する。
ピアレビュー雑誌が受理論文に与える出版許可は、置換できるもので
なく、学術の基盤となるものである。
3. 出版社は、学術コミュニティの利益のため、雑誌を立ち上げ、持続
させ、宣伝し、発展させる。
4. 現在の出版社のライセンスモデルは、研究成果へのアクセスを多大に
向上させる。
雑誌には研究開発費の1%未満しかかけていないが、デジタル化と、
年3%増える国際的な学術文献の増加への対処のために多大な投資を
している。
(訳注:このライセンスモデルでこれだけのことができるのは
割がいいはずじゃないの?と言いたいのかな)
5. 著作権は、論文著者と出版社の双方の投資を保護する。
著作権への敬意を持ったほうが、情報流通にも作者にも企業にも
いいことあるよ。
6. 出版社は、学問の永続的保存をする、権利保護されたアーカイブの
構築を支援する。
7. 生の研究データは、全ての研究者が自由に使えるべきである。
出版社は、研究の結果の生データが公開されることを振興する。
8. どのメディアでの出版にも、関係するコストがある。
電子出版には、冊子出版にはなかったコストがある。電子か冊子か
どちらかだけ供給するより両方供給するほうがコスト高である。
供給側が出そうと需要側が出そうと、出版コストは同じ。もし読者か
その機関がコストを払わなくても、他の誰か(スポンサーか、政府か)
が払わねばならない。
9. 受理原稿のオープンデポジットには、購読料収入の不安定化とピア
レビュー弱体化のリスクがある。
論文にはその経済的価値に応じた猶予期間が必要。平均的にいって、
12ヵ月というのは、電子論文においてはそのダウンロード寿命の
40-50%に過ぎない。雑誌論文を無料利用させると、雑誌の講読
キャンセルに繋がるだろうし、それは結局研究者が依存するピア
レビューシステムを破壊することになる。
10. 全てを解決するたった一つの方法などない。
個々の雑誌のダウンロード状況は、主題によっても、雑誌によっても
劇的に変化するものだ。
宣言署名者(=35出版社と8出版協会らしい)
〜〜主要出版社はほぼ全部署名してます
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加藤 大博 :: KATO Hiromichi
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