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Date:  Wed, 20 Dec 2006 19:46:22 +0900
From:  SUGITA IZUMI <izumi @ ab.mie-u.ac.jp>
Subject:  [drf 0208] Re: 教授会における説明会第2弾&質疑応答集(三重大)

栗山先生
皆さま

  杉田@三重大です。

Masamitsu Kuriyama さんは書きました:
>杉田さん
>>  ・でも、東南アジアの研究仲間はそうではない。月給3万円の彼らに、17万円が
>>   支払えるわけがないんだ。所属の機関で購読するのも難しいんだ。
>>  ・だから自分は、できるかぎりOAに協力したいんです。
>>  というお話を聞かせてくださいました。
>> 
>>  もう、涙が出るくらい(最近涙もろくて・・・^^;)感動しました。
>
>せっかくの感動に水をさすつもりは毛頭ないのですが、次のような活動も
>あることはご存知でしょうか?
>
>AGORA
>http://www.aginternetwork.org/en/about.php
>HINARI
>http://www.who.int/hinari/about/en/
>OARE
>http://www.oaresciences.org/about/en/index.html
>
>これらは国際機関と出版社が組んで、発展途上国の人たちに電子ジャー
>ナルを無料もしくは低価格で提供するプロジェクトのようですね。

 情報を有難うございます!!
 実は、さきほど佐藤先生から詳しいお話を伺ったところでして、知りま
 せんでした。

 「水をさす」なんてとんでもないです。こういうときこそ冷静に、と思
 っております。研究支援者としては、ちゃんと知っておかなくてはなら
 ないことですよね!

 上記のように思っておられる研究者がいて、その直接的解決策の一つと
 してOAやIRに協力するため、実際の行動に出てくださったことにとても
 ・とても感動しておりますし、図書館としてできる限りのサポートした
 いと思いますが、同時にこのような先生は極めて少数派でいらっしゃる
 のだろうなぁーとも思います。

 AGORAを見ると、
 ・GNP1000ドル/1人以下の国の機関:無料アクセスの資格あり
 ・GNP1000〜3000ドル/1人の国の機関は、年/機関につき1000ドル。
 とありました。
 Blackwell, Elsevier, Lippincott, Nature Publishing Group, 
 OUP, Springer, Wiley等が参加しているのですね。
 素晴らしい取組だと思いました。

>先日の国際シンポジウムでは、シュプリンガーのオープン・チョイス(著者
>が3,000ドル支払えばその論文はオープン・アクセスにできる)の責任者
>ヤン・フェルテロップ氏の講演がありました。この人はシュプリンガーの前
>はBiomed Centralで活躍されていたそうで、OAへのゴールドの道の強力な
>擁護者ですね。セルフ・アーカイビングはスケーラブルでない(規模が大きく
>なると破綻する)というようなことをおっしゃっています。
>商業出版社もOAに冷ややかな目を向けているばかりではなくて、むしろ
>図書館の先を行こうとしている感さえあります。

 オープン・チョイスは「3,000ドル」という設定が妥当なのかどうか、と
 いうのは気になるところですが、これらの取組を見て、たしかに図書館
 が考えてるその先を考えている、というのは感じました。
 商業出版社の方々もきっと「人類のために」といったようなミッション
 を持っているのでしょうし。

 もしくはFRPAA(連邦政府機関の助成金を得た研究成果をオープンアクセ
 スとする法案)などへの対策もありでしょうか?
 http://www.dap.ndl.go.jp/ca/modules/car/index.php?p=2134
#共同ワークショップ1日目の高木和子先生「海外研究成果のオープンアク
#セスの動向」、CURATORに入れてくださいませ〜>>千葉大さま

>私はこれを「帝国の逆襲」と呼んでいます。
>オープン・チョイスは建造中のデス・スターのようなものかも。
>なお、フェルテロップ氏はシュプリンガーへ移ったことで、ダークサイドに
>落ちた、とかOA界のダース・ベイダーとか批判されているようです。
>(嘘です。済みません:-)

 IRだけで、何もかもが解決するわけではもちろんないだろうと思いますし、
 「『ジェダイの帰還』で皆が幸せになる」という単純な話でも無いのだろう
 と思いますが(^^)、
 少なくとも研究・教育・学習の環境がICTの上で成り立つ世界になりつつあ
 る以上、IR的な装置は大学の中に必須なんじゃないかなと。それを図書館
 が担っていく必要があるんだろうね、と。本日伺った、佐藤先生のお話に
 とても納得いたしました。

 というようなことに思いをはせつつ、教員活動DBとどう連携するか、電子化
 の際のフォーマットやOCR処理はどうするのか、といった実務上の課題にも
 方向性が見えてきて、ホッとしている今日この頃です。(^^)

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Sugita Izumi 杉田いづみ  izumi @ ab.mie-u.ac.jp

国立大学法人三重大学 学術情報部(附属図書館)
情報図書館チーム 情報リテラシー担当

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