行木@北大数学です。
Fedora User Group Session (報告ではなく、まとめ)
講演中のFedora用語らしきものの理解が怪しいので、講演を追うのではなく、
Fedoraが有効な状況をまとめることにした。個別の講演については後日できれ
ば。
Fedoraにはなじみが薄いと思われるので、簡単に紹介。
情報源 www.fedora.info
Fedoraの特徴(私見)
- コンテンツをオブジェクト化し、インターフェースを柔軟に設計できる。従っ
て、資料型に応じたメタデータおよび登録スキームの構築はもとより、業務
フローに即したインターフェース(CSIに即して例えれば、グリーン論文か
そうでないかによってメタデータ登録画面を変えるなどの対応、文献複写へ
の対応などか)を設計できる。オブジェクト間のコンテキスト(セマンティク
ス、関係性)を扱うIRプラットホームとして適していると思われる。APIの実
装も簡単である。
これらの特徴によって、以下の二点が視野に入る。
1.研究プロセス全体をマネジメントする。(Max-Plank, eSciDoc)
- 研究のアイデア、実験データ、実験計画、ディスカッション、論文草稿、
完成原稿などをそれぞれオブジェクトとし、オブジェクト間の関係性を定義
することで一つの研究の開始から終了までを把握できる。
- Wiki/Blog的な要素によるコミュニケーションの実装も可能。(PLoS ONE; NSDL)
- 大規模データへのコンテキスト付与。(NSDL2.0)
2. 柔軟な長期保存、バージョン管理等の実現(複数講演)
- 複数のFedoraプラットホームで更新情報を交換することで、プッシュ型のミ
ラーリングを実現し、長期保存の信頼性を上げる。
- 一つのオブジェクトを複数のプラットホームで保持しても一貫性を保つ。
- 1.における研究経過の保存と共有にも効果的。
3. その他、Web2.0的なAPIの実装。
- 実装例多数
全体として、問題解決指向である。そもそも大量のコンテンツを持つ電子図書
館が、コンテンツへのアクセスパスとして検索以外に考えられるものを模索し
つつ、現状で実装できるものを実装しているという雰囲気。
この発想は論文搭載数が15%だろうと、紀要だけが載っていようと、日本でも
共有できるものだと考えられる。