加藤@北大図です。
IWAI Masashi wrote:
> 大学訪問では、著作権についての考え方が印象的でした。どちらの大学も
> ・図書館ではcopyright transfer agreementの確認や出版者への照会を行わない
> ・著作権についての責任は投稿者が負う旨を、デポジットの際に確認させる
> ということでした。日本ではわりと、著作権に関しては図書館がケアしますよ
> というところが多いような感じですが、それとは違っていました。
> 先日の千葉大でのワークショップの終わりの方での、土屋先生のご発言に
> 近い考え方なのかもしれません。
千葉大のワークショップでどんな発言があったかよく知らないのですが、
私が北大の文献提供と閲覧の規定原案を作成していた頃に考えていたことは、
・ 「契約 (contract)」概念の浸透具合
・ 研究者の忙しさ、所管する仕事の範囲、事務手続きの精粗の違い
及びそれらから生じる日常の行動パターン
・ あらゆる点での価値観の違い
・ 日本または分野に特有の研究発表や雑誌出版、学会運営の現状や歴史
・ コンピュータリテラシー
・ 英語と法律(すべての研究者が英語と法律に長けるのと、一部の図書館員が
長けるのとではどちらが効率がいいか。あと日本は英語圏でないこと)
・ 費用対効果
・ 人員体制
・ アンケート結果(回収率が低いので、パーセンテージは無視。個別意見のみ
参考にする)
・ 将来の自分たちの行動を制限しすぎず、手を広げすぎるのを制限する。
・ 文献提供者と同じくらい閲覧者の便宜も図る。公開して終わり、にならない
ようにする。
・ 以上すべてにおいて海外と日本では事情が違うと思われるので、基本的に
海外の例は頭に置きつつ参考にしない。
ぐらいでした。これらと著作権問題を絡めて、誰がどれぐらいのコストで
どれぐらいの効果を見込んで何をできるのかな、と。
参考になるでしょうか?
規模や文化の違う大学だとまた違ったうまいやり方があるんでしょうね。
--
加藤 大博 :: KATO Hiromichi
mailto:katze @ lib.hokudai.ac.jp
北海道大学附属図書館 情報システム課 目録情報第一係
TEL 011-706-3627 (係代表) / 内線 4100 / FAX 011-706-4099