野田様
> ただ,「著者本人の利益のために,OAを義務付ける」というのは
> 何となく,不自然な印象があったので。。。
はい、その感覚はなんとなくわかります。
これは、義務付けによってOAが進んでも、それによって個々の著者
の利益が増大するわけではない、ということではないでしょうか。
つまり、ある著者がOAですでに利益を得ているとしたら、その著者に
とっては、他の人がOAに参加しようがしまいがどうでもいいはずです。
むしろOA論文が増えると大量の論文に埋もれて認知度が下がるかも
しれない。
著者本人の利益だけを考えたら、やりたい人だけやればいいのであっ
て、登録率が低いとなげく必要はない。
OA推進の根拠としては苦しいですよね。
しかし、義務付けの議論とOA推進の意義の議論とをごっちゃにすると
混乱するように思います。
OA推進が是か非か、という問いがまずある。
それで、OA推進が是であるということであれば、その方策として義務化
が是か非かという問いが次に来るのだと思います。
研究コミュニティの活性化とか社会への説明責任とかはOA推進の根拠
であって義務化とは次元の違う話ではないでしょうか。
栗山 正光
常磐大学人間科学部現代社会学科
〒310-8585 水戸市見和1-430-1