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Date:  Fri, 18 May 2007 13:15:49 +0900
From:  Hiroko Suzuki <suzuki @ ll.chiba-u.ac.jp>
Subject:  [drf 0777] Re: 機関リポジトリアーカイブの義務強制問題

千葉大学の鈴木です。
科研費報告の話が出たので、千葉大の例をご報告します。

2005年に募集をかけて、167件収集しました。

このうち、
まったく別刷論文がなく研究成果のみをまとめたものが、63件
別刷論文アリが、80件
その他(概要1枚のみだったりとか) 24件でした。

63件は即登録公開、
80件の別刷ありは、すべて調査し許諾の取れるものは取って、
取れないのものは別刷を削除して登録公開しました。

別刷ありに関しては、かなり骨の折れる作業でしたが、
別刷なしについては、公開することに意義のある優良な研究成果が
いくつかあり、なんだか嬉しかったのを覚えています。



図書学情整備リポジトリ担当 さんは書きました:
>広島大学図書館 尾崎です。
>科研費報告書の収集を昨年度ほんのちょっとかじって
>すぐに壁にぶち当たっていましたので、
>なるほどと思って読ませていただいています。
>
>研究者から一番多かった反応が、
>「IRで公表すると二重投稿になって他誌にacceptされないのではないか」
>「原著になるまで控えてほしい」
>だったので、公表とは考えられてないんだなーと感じていました。
>
>> > いや、冊子の「科研費成果報告書」は不思議なことに、科学研究費補助金によ
>> > る研究成果ではなく、研究成果をまとめて報告するだけのものです。
>
>単にこれまでの論文集か?と思われるものも多く、それは最初の研究成果まとめらしき一章に意味があるに違いないと信じて、その部
分だけIR登録しましたが、それも少し形骸的なものだったのかな、と。
>
>> 義務は義務で果たしてしまい、学術コミュニケーションは別のところで、
>> ということになれば本末転倒ですが、それを端的に前例として示しているのが
>> 科研費報告書かと思いました。
>
>科研こそ義務化してほしいと漠然と思っていましたが、既に義務的に提出されているものを、公開を前提とする資料にまでレベルアッ
プさせるのはやっぱり至難なことなんでしょうか。
>
>ちょっと余談ですが、NDLの納本係に科研費報告書の扱いについて尋ねたところ、
>寄贈雑誌扱い、次号が発刊されないので「発行後相当期間」が経過していると判断して複写可能であると伺い、面白いなと思いまし
た。
>--------------------------------
>広島大学図書館 学術情報整備グループ
>学術情報リポジトリ主担当
>尾崎 文代 (OZAKI, Fumiyo)
>TEL:082-424-6228  FAX:082-424-6204
>E-Mail: tosho-seibi-repo @ office.hiroshima-u.ac.jp
>http://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/portal/
>
>
>> -----Original Message-----
>> From: igrecque @ gmail.com [mailto:igrecque @ gmail.com] On Behalf Of Kazuo
>> YAMAMOTO
>> Sent: Friday, May 18, 2007 12:03 AM
>> Cc: drf @ lib.hokudai.ac.jp
>> Subject: [drf 0769] Re: 機関リポジトリアーカイブの義務強制問題
>> 
>> 土屋先生、
>> 
>> 山本@東大総図です。
>> 
>> > いや、冊子の「科研費成果報告書」は不思議なことに、科学研究費補助金によ
>> > る研究成果ではなく、研究成果をまとめて報告するだけのものです。
>> 
>> はい、ノルマ化されることになればそのようなもので代替してしまい、
>> 査読誌投稿の著者最終稿などという面倒なものは、誰も好きこのんで
>> 用意しようと思わなくなるのでは、という素朴な疑問です。
>> 
>> 義務は義務で果たしてしまい、学術コミュニケーションは別のところで、
>> ということになれば本末転倒ですが、それを端的に前例として示しているのが
>> 科研費報告書かと思いました。
>> 
>> ---
>> yamamoto @ lib.u-tokyo.ac.jp
>
>
>

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鈴 木 宏 子
千葉大学附属図書館
 情報部情報サービス課
 情報サービス企画担当
〒263-8522 千葉市稲毛区弥生町1-33
tel:043-290-2262 fax:043-290-2266
suzuki @ ll.chiba-u.ac.jp
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