Index: [Article Count Order] [Thread]

Date:  Wed, 06 Dec 2006 17:37:01 +0900
From:  山本 淳一 <jyama @ tulips.tsukuba.ac.jp>
Subject:  [drf 0058] Re: 博士論文の取扱

栗山先生(ご無沙汰しております)
皆様

筑波大学附属図書館の山本と申します。

"Masamitsu Kuriyama" <mtkuri @ tokiwa.ac.jp> wrote:
> >>ついでながら、学位論文が国立国会図書館において(所蔵する)図書資料として
> >>扱われる結果、全体の複製が許諾なしには作れないという状況が生じています。
> >>おなじ文書を大学の事務室で閲覧し、その判断で全部をコピーできてしまう
> >>(本当によいかどうかべつにして)ような状況にくらべると不便なものです。
> 
> 筑波大ではずっと図書館資料として受け入れ、閲覧に供してきたので、
> これが普通だと思い込んでいました。

現に学位論文の電子化にたずさわっているわけですが,公表された著作物であると
いう時点で,著作権法の縛りを受けるものだと理解しておりました。

> 琉球大に行って、修士論文が開架閲覧室に並んでいてへえーと思った
> のですが、よく聞いてみると著者の許諾も何も取っていないことが判明
> して頭を抱えました。

筑波大でも修士論文の閲覧を求められる分野があり,図書館への問い合わせも
しばしばあるようですが,こちらは,公表された著作物ではないことから,
図書館では扱わず,個々の研究科にまわしています。
著作権以前のものであることから,著作者と研究科との申し合わせで,閲覧
可能であったり,一切公開されなかったり,指導教官を通じて閲覧するように
なっていたり,それぞれであるようです。
 
> 私は個人的には、学位論文は著者が電子版を国会図書館と大学の
> リポジトリに納入することを義務付けるのがいいと思います。
> もちろん口で言うのは簡単で、実現にはハードルが高いことでしょうけど。

こちらでも,学内規則等で義務化としてしまうのが一番よいのではないか
という意見があります。
実際に,担当しているものとしては,前の例にあった,雑誌掲載論文の抜き刷
や,既に出版が決まっているものなどの例外があるために,なかなか一律に
というのは難しいのではないかと思っています。
そういう方も,登録申請をしてくださる方はあるのですが,著作権のクリアが
難しいため,抄録のみの電子化となっているものがあります。

----------
山本淳一 <jyama @ tulips.tsukuba.ac.jp>
国立大学法人筑波大学
附属図書館情報管理課電子図書館係
TEL: 029-853-2469  FAX: 029-853-6311