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Date:  Mon, 4 Jun 2007 09:21:55 +0900
From:  "Yuko Murakami" <murakami @ nii.ac.jp>
Subject:  [drf 0829] Re: [yama-ir-ml 00109] Re: IRへの入試過去問題搭載例?
Sender:  yuko.i.murakami @ gmail.com

DRFの皆様
いろいろなご意見ありがとうございます。

積極的OA論者の皆様からの不評を買うリスク
(すでに現実化していますが)を犯しつつ
学術コンテンツと厳密に言えるのかすら怪しい
コンテンツのIR搭載可能性を探っている今日この頃です。

もちろんIRの本分は「研究情報の発信支援」にある
という点は譲れないところです。
とにかく最低限、論文の本文を載せてこそ、
機関リポジトリといえます。

一方、欧米(特にアメリカ)のIRで、学内広報誌・学生新聞はおろか、
地域新聞・ラジオ・テレビなど幅広くホスティングを
行うことによって、「大学の社会的役割を果たしている」
と主張している例をいくつも見てきました。

こんなものをIRとは呼べない、と片付けることは簡単です。
#だいたい日本では通信と放送では状況が違い、
#同様の取り組みは相当難しいはずですし。

しかし今どうも私の念頭を離れない問題は、
「どうしたら学内で(あるいはなんらかの学外資金も?)
IRの運用経費を長期的に確保できるか?」です。

現在のところ、CSI委託事業の先行きは全く不透明です。
来年以降の運用予算確保・安定した体制作りは
喫緊の課題です。

これから、「研究支援」で純粋OAのIRを主張して予算がつく大学、
そうでない大学に分かれてくると予想しています。
でも予算がつかないからと言ってIR事業を終了するのでは
そもそもの「永続性」部分が欠落してしまうことになります。
そこまでして「論文オンリー」を主張するのは本末転倒でしょう。

そこで、あくまでの次善の策ということにはなりますが、
純粋OAでは説得がうまくいかなくても、ほかの「怪しい」
コンテンツを受け入れることでIR予算を確保し、
研究成果発信を安定して継続する、というパターンは
可能ではないでしょうか?

「ノイズ」は、タイプ別の検索をかけることで
はずせるはずです。

それから、現在、CSI委託機関以外の大学様のノウハウが
きわめて貴重なものです。
構築状況の発信をしていただければ、ほかの機関の
今後の参考となると考えております。

よろしくお願いします。

村上


07/06/03 に okamoto makoto<zd2m-okmt @ asahi-net.or.jp> さんは書きました:
> 岡本@ARGです。
>
> 議論を興味深く拝見しています。
> 常々思うところのある話題でもあり、私も一言。
>
> IRは原義通り収蔵庫として非常に有用とは思いますが、
> どこまでを収めるか、その範囲に関する合意が必要と
> 思います。
>
> 各IR単位でみたときには、確かに過去問を含め、様々な
> 資源を収めたいところですが、では検索エンジンなどから
> 各IRを横断して検索した際、過去問はむしろノイズとみえ
> ないでしょうか。
>
> IRのポイントの一つは、他からの流入を意識した設計にあると
> 考えると、一定の目安は必要に思えます。
>
>  # 研究者支援と考えると、むしろ入試の過去問よりも、
>  # 各講義の過去問のほうが意味があるかもしれませんね。
>
>
>
> On Sat, 02 Jun 2007 09:25:26 +0900
> Kazutsuna YAMAJI <yamaji @ nii.ac.jp> wrote:
>
> > やまじです.
> >
> > ** On Fri, 01 Jun 2007 12:02:20 +0900
> > ** yama-ir-ml @ yamanashi.ac.jp writes:
> >
> > > 赤本でだめで,大学HPでOKとか,うまく線が引けますでしょうか。
> >
> > というよりも,HPでなくなぜIRでなければならないのか?
> > のところがスッキリしないな,という感じです.
> >
> > IRは「研究者への機関による発信支援サービス」とのことですが,
> > OAな気持ちに基づくIRは,↑でうまく表現されているのですか? > 杉田さん
> > # 勉強不足でごめんなさい.オープンハウス前の予習という感じで^^;
> > --
> > Kazu
> >
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Yuko Murakami <murakami @ nii.ac.jp>
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