村上@NIIです
逸村先生より
> > 追伸:
> > 東北大の方は院生主体だったので、「研究者倫理」を前面に
> > OA、IF、研究不正→著作権の基本、といった状況・概念の説明を
> > 中心として、機関リポジトリについてはOA実現形式の有力な手段と
> > いった紹介にとどめました。数年後教員としてやってきたときに
> > まだぼんやりとは覚えていて、理解者になってくれればと思います。
> > #「就職先を選ぶときにはEJ契約状況もチェックして!」といったときには
> > #みんな必死でメモしていました。
>
> ここらのところをもう少し詳しくご説明いただけます
> か>村上様
>
> OAへの理解、IRの構築そしてEJ契約数といった基盤整備
> が今日的な大学図書館の研究支援機能である、というこ
> とが強調できれば、と。
東北大は、じつは図書館経由のイベントではなく、
大学院GP「科学基礎論」の一環として、修士学生が
メインターゲット、博士学生や教員(少なくとも7人はいた)
も参加、という単発講義でした。
研究者倫理という文脈で、研究情報の現状と成果発表時の
問題(著作権、インパクトファクターなど)、というお題設定。
コンテンツ収集先としては院生は現状ではたいして重要ではない
といわれてしまうかもしれませんが、もうすぐ数年後には
独り立ちする人々が頭の柔らかいうちに現状を知らせ、
理解を求めるのが長期的に重要だと自分の中では位置づけました。
あと、先日ICADL@京都でもイギリスの化学データリポジトリの
講演のQ&Aで話題になったのですが、
もう「あがり」に近い人は土屋先生の意見に近いようです。
業績になっていれば読んでもらえるかどうかはどうだっていい。
OA賛成も、データや論文の盗用にそれほど神経質に
ならなくてもよいから。
これから就職や昇任で評価を受ける若い人の方が、
IF上昇に神経質で、しかも成果は独り占めしたい。
だからOA反対傾向があるとのことです。
どうやら世代によるマーケット・セグメンテーションが必要です。
これから就職先を決める院生に対しては教員相手のポイントのほか
「とにかく自分のやりたい研究を続けられる環境を選ぼう!」
が、切実なポイントというわけで、
1.
大学の研究環境の一端は図書館で分かる。
(EJ契約状況は就職前にオンライン調査可能なことがおおい。
図書館機能の概略。
新ツールの講習会は隣接分野まで積極的に参加しよう!)
2.
OAは被引用数と相関傾向。円滑な流通実現にはIRが必須。
(みんながそんなに大きい大学ばかりに就職できるとは
限らないので…小さいところの教員(および予備軍)
の方が問題意識が切実なはず)
3.
民間企業も含めて、研究成果ショーケースのようなものも
参考に(将来はIRを念頭。現在だと知財情報ソフト?)
4.
ボスを決めるときには人柄も(研究不正に巻き込まれては
かなわない。これは大学でも企業でも一緒)
というあたりを織り交ぜました。
でもインパクトファクターのからくりのあたりは、
学会編集委員をなさっている教員の方が
「そうなんだよ。IFつけてもらうの大変だった!」
と激しく共感してくださったり。
実は教員の方がうけていたようです。
村上
06/12/10 に ITSUMURA, Hiroshi<hits @ slis.tsukuba.ac.jp> さんは書きました:
> 逸村裕@筑波大学です。
>
> IFがらみの話ですと反応してしまいます。
>
> Yuko Murakami さんは書きました:
> >> IFが多少変化してもどうでもいいですが,自分の論文の引用回数が一回でも
> >> 多くなると嬉しいという感覚です.なんとなく伝わりますでしょうか.
> >
> > 「潜在的読者を検索を通じて発掘できる」には
> > ちょっと会場がうれしそうでした。そんなものかな、と。
>
> これは大きいと思います。
> 読んでもらってナンボ、というのが研究者の世界
> である、と。
> ここらのデータがIRを通じて確認できれば、宣伝
> 効果は高いと考えます
>
> > 追伸:
> > 東北大の方は院生主体だったので、「研究者倫理」を前面に
> > OA、IF、研究不正→著作権の基本、といった状況・概念の説明を
> > 中心として、機関リポジトリについてはOA実現形式の有力な手段と
> > いった紹介にとどめました。数年後教員としてやってきたときに
> > まだぼんやりとは覚えていて、理解者になってくれればと思います。
> > #「就職先を選ぶときにはEJ契約状況もチェックして!」といったときには
> > #みんな必死でメモしていました。
>
> ここらのところをもう少し詳しくご説明いただけます
> か>村上様
>
> OAへの理解、IRの構築そしてEJ契約数といった基盤整備
> が今日的な大学図書館の研究支援機能である、というこ
> とが強調できれば、と。
>
> 逸村裕
>
>
>
>
--
Yuko Murakami Ph.D murakami @ nii.ac.jp
Associate Professor by special appointment
Research and Development Center for Scientific Information Resources
National Institute of Informatics
101-8430 JAPAN