山本@茨城大学図書館です。
楽しい議論が展開されておりましたので、失礼ながら一気にレス。
[drf 0640] 加藤様@北大図
> 2年ほど前リポジトリを始めた時、「どうせリポジトリって
> そのうち出版社もどきになるんじゃないの」、少なくともそう期待される
> ことにはなるんじゃないのかな、と思ってました。
2001年ごろのコンセンサス、例えば BOAI とかでは、リポジトリは
新たな(出版)流通戦略という位置付けだったと思います。
それが最近になって違うことを言う人が増えてきたような?
[drf 0649] 栗山様
> はい、私が入っている日仏図書館情報学会もまさにそういう人たちの
> 集まりじゃないかと思います。
> ニュースレターや会誌が無料になれば会員であるメリットがなくなります
> から、皆一斉に脱退して、会は潰れるでしょうね。
紋切り型を恐れずに言えば、研究資源 (業績、資金、人脈) に関して
学会誌は業績に関係しますが、学会そのものの存在意義は人脈にあると
考えて良いのではないでしょうか。
Samuel Coleman の言うところのクレジットサイクルが機能することを
前提に、日本でも学会誌や学会などのシステムが存在しているのですが、
実は終身雇用に安住している研究者の多くはクレジットサイクルなど
望んでいないのかも知れなくて、日本の学会の状況はそれを合わせ鏡に
写しているだけなのかな?という気もします。
[drf 0630] 内島様
> すでのご存知の方が多いかと思いますが、アメリカでもヨーロッパに続いて
> 政府助成金による研究成果のリポジトリ登録の義務化法案(FRPAA)のendorse
> を求めて、署名活動を始めているようです。
クレジットサイクルがちゃんと機能しているはずの欧米で、リポジトリ登録
義務化の署名活動をしたくなるのは裏返せば期待したほど登録が進まない
実態があるのだろうと思いますが、「公的資金による成果だから公開しろ」と
いうのは役人や納税者の視点・発想ですよね。
研究者の視点は本当のところどうなのでしょう。学術誌に「掲載」される
ことが重要であって、「公開」されることが重要であるとは考えていない
ような気もします。公開しても別にキャリアアップにはなりませんよね。
そのあたりですれ違ったままでの法制化は、既得権者に対する一方的な攻撃
に過ぎないわけで、戦略としていかがなものか、という気もします。
そんなことを考えている内に、茨大図でも昨日無事に業務システムの更新が
終わりまして、レンタル契約の図書館業務パッケージの中の1サブシステム
として機関リポジトリが無事に運転を開始しました。
運用指針はまだ白紙ですが、著者=登録者責任で何でも御座れの方向で
考えています。
管理母体は、別に政治的に動いたつもりはまったくないのですが日頃の
もやもやのせいか無意識の内に「茨城大学研究プロジェクト推進委員会」
という、茨大の研究活動全般のプロジェクトマネージャ的位置付けの
大層立派な委員会がリポジトリ運営を協議主管することになってしまい
ました。もちろん研究業績 DB とも連携します。
どうなることやら。。。
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ymmt @ mx.ibaraki.ac.jp