DRFのみなさま
行木先生、土屋先生
長崎大学附属図書館の森石です。
ご教示ありがとうございます。
In messeage "[repository 1264] [drf 0688] Re: 学位論文を学術雑誌に発表する場合についてお尋ね", nami @ math.sci.hokudai.ac.jp wrote.
>> 投稿規定云々以前の問題として、学位論文の主論文や参考論文(これらは出版
>> 済あるいは出版予定のはず)に使用している実験結果をもとに、さらに実験を
>> 進めた内容を記述しているが、その内容は未出版であるという場合、安易に電
>> 子公開して検索されてしまうと剽窃される危険があると考える人は多いと思い
>> ます。
たしかに、「雑誌に投稿予定なので、公開したくない」とおっしゃる先生は、
この心配をされていると思います。
公開は著者の許諾次第ですので、「それでは、雑誌投稿後、公開が差し支え
なくなりましたら、ぜひご連絡ください」と言ったことがあります。
>> 具体的な理由を丁寧に聞いてみるとよいと思います。
ありがとうございます。そういたします。
すでに投稿済み、学術雑誌に掲載済みの場合、上の理由はクリアしていると
思います。
その場合の先生の心配は、「自分は公開してくれて問題ないが、雑誌出版社が
同じ内容を公開したら、クレームをつけてこないのか?」ということになります。
土屋先生のおっしゃる1.の問題です。
In messeage "[repository 1267] [drf 0690] Re: 学位論文を学術雑誌に発表する場合についてお尋ね", Syun Tutiya wrote.
>問題は、学位論文の内容を構成する雑誌投稿論文にかかわるものだと思います
>が、ご質問の趣旨は基本的に2つあると思います。すなわち
>
> 1. 権利関係
> 2. 登録時期
:
>1.についてですが、学位論文の内容の一部を雑誌掲載論文が構成する場合、そ
>のこと自体については、出版者との通常の権利譲渡契約であれば、著者に留保
>された権利とされているはずです(もちろん要チェックですが)ので、問題はあ
>りません。したがって、その学位論文を著者が機関リポジトリに登録すること
>についても(出版者側から特別の要請がないかぎり)著者が権利の一部として行
>なうことができるはずです(この場合には、むしろ共著者との関係が大事なは
>ずで、共著論文を学位論文の一部としてつかうときは、共著者の承諾書を添え
>るのが普通になっていると思います)。以上から、権利関係についてトラブル
>が生じるとは思えませんが、本来は、著者が出版(権利譲渡)契約を読んで判断
>すべきことです。
>
>例として、Googleを引いたら最初にでてきたTaylor & FrancisのFAQ該当部分
>を以下に引用しておきます(http://www.tandf.co.uk/journals/copyright.asp)。
>(ただし、T&Fは、post-printの機関リポジトリ登録そのものについては、エン
>バーゴをつけて認めているだけです。pre-printについてはもちろんOK。こう
>いう場合は、どの程度同じなのかを著者が判断して、それに従うしかないでしょ
>う。)
雑誌の投稿規程、あるいは出版者のポリシー次第ということでよいでしょうか?
明確にしたいのは、以下のことです。
■ 学位論文を学術雑誌に投稿した場合、その学位論文は、学術雑誌論文の
プレプリントである
■ 学術雑誌に投稿した論文を、学位論文内に含む場合、その学位論文は
学術雑誌論文の著者版である
内容にはほとんど違いがない場合、このような断定ができるでしょうか?
実は、「学位論文=プレプリントですね?」と教員に確認したことが
あるのですが、逆に「学位論文が本当にプレプリントになるのか?」と
問い詰められ、自信を持って回答できませんでした。
# こちらとしては、それは先生に判断してほしいところでした。
著作権について、漠然とした理解しかないままに作業をしているため、
実際に質問があるとしどろもどろで回答できません。
これを機に頭を整理しておきたいと思います。
どうぞご教示お願いいたします。
*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*
森石 みどり MORIISHI Midori
長崎大学附属図書館(学術コンテンツ担当)
〒852-8521 長崎市文教町1-14
Tel:095-819-2195 Fax:095-819-2196
E-mail : m-forest @ nagasaki-u.ac.jp
*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*