行木です。
At Sun, 10 Dec 2006 17:54:27 +0900,
Masamitsu Kuriyama wrote:
> > 個人的には、論文は出版されれば十分で、誰も読んでくれなくてもかま
> > いません。出版されれば、一応業績にはなるし、一応その分野でそれなりの意
>
> 実は昨年の国大図協シンポジウムでも、筑波大の西原先生が同じような
> ことをおっしゃってました。
> 引用されるチャンスが増えると言われても別に魅力を感じない、と。
> 本音ではこう考えている研究者は案外多いかもしれませんね。
自分のまわりだけを見ると、検索で見つかるのは潜在的な「読者」ではなくて、
潜在的な「研究者仲間」だと思います。引用されても自分の研究に何も影響し
ない「読者」が増えてもそれほどうれしくないが、「あなたの仕事を使うと自
分の問題のこういうところが解決すると思うどうだろうか」とか、「こんな研
究会を開くけどあなたの結果を部外者にも分かるように解説してくれ」とか言
われれば、それはうれしいと思う。場合によっては面倒だし、どうでもいいと
言う人もいるだろうけど。
読者が増えれば仲間も増えるでしょうが、どっちが先かはよくわからないの
で、そういう込み入ったものだと飲み込んでもらうしかないと思います。
研究成果の宣伝はあちこちのセミナーでしゃべらせてもらうとか、分野の研究
会で口頭発表でもやらないと、黙って読者を待っていても普通は何も起きない
です。国際会議で話す前や投稿前には数物系としてのプレプリントにしておか
ないとレフェリー経由で盗まれることもありますが、国内だと多分そんなこと
はない。
長く書きましたが、「IRで可視性を」という場合には研究成果の宣伝の背景を
職員の方々にも知っていてもらったほうがいいのかと思います。
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行木孝夫 (NAMIKI Takao)
北海道大学理学研究院数学部門 (Tel/Fax 011-706-4439)