高橋様
> 「貸出不可」のものは、例え「一時持ち出し」だとしても、館外に
> 持っていってもらっては困ります。というか、持ち出させてはダメ
> でしょう。「特別」は無しです。
そもそも学位論文を禁帯出にする理由はあるのでしょうか?
どんどん貸し出せばいいように思いますが。
> さらに、「全頁複写するだろうという意図」が見えるとしたら、な
> おさらです。
土屋先生のメールにもありましたが、私的複製ということであれば
貸出を受けた本を全頁複写しても著作権法違反とは言えない、
ということであれば、図書館がそれを押しとどめる権利はないように
思いますが、、、
と言いつつ、やはり図書館で借りた本を自由にコピーされては権利者
側としては面白くないですよね。
私的複製の条項が見直されるという話もどこかで読んだような気が
するのですが。
話がそれてしまいましたが、図書館に置いてある学位論文の場合、
まずは公表できるものかどうか確認が必要ですよね。
著作者人格権にかかわることなので、非公開という著者の意向が
あれば、死後50年たっていてもダメだと思います。
また博士論文が公開の義務があると言っても、厳密に考えれば、
それが経緯不明のまま図書館で保管しているものを公開していい
ということにはならないような気がします。
これは電子化以前に、閲覧に供していいかどうかも問題です。
出版社から市販されている版をもって公開とし、大学に提出したもの
は公開してもらっては困る、という理屈も成り立つのではないでしょ
うか。あるいは、公開の義務を果たさないことに対する責めは甘んじ
て受けるが公開はしない、という確信犯だった場合はどうでしょうか?
しかし、こうしたきわめて可能性の小さいリスクにおびえて、電子化
しないという選択をされるとしたら、いかにももったいないと思います。
著者は逆に自分の論文が広く読まれることを望んでいた可能性の
方がずっと高いわけですから。
栗山 正光
常磐大学人間科学部現代社会学科
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