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Date:  Wed, 07 Mar 2007 17:13:43 +0900
From:  Hiromichi KATO <katze @ lib.hokudai.ac.jp>
Subject:  [drf 0605] ブリュッセル宣言 適当翻訳

加藤@北大図です。

CA-Rに紹介されてた
http://www.stm-assoc.org/documents-statements-public-co/2007%20-%2003%20BRUSSELS%20DECLARATION%20050307.pdf
を適当に翻訳しました。意訳したり省略したり変に直訳したり
してますがご了承を。間違ってるかもしれないので一応原文を
読んだほうがいいと思いますよ。
〜〜〜

STM出版に関するブリュッセル宣言

(前文超訳)
いろんな言い分を見てきたけども、我々が凄く頑張っているにも
かかわらずどれもいいかげんなので、ここ10年の経験に基づいて
自分たちで宣言することにしました。

1. 出版社の使命は、自己によって持続可能なビジネスモデルにより
 知の流布を最大化することである。

 我々は科学の発展のために頑張ってきたし、学問の自由も支援する。
 論文著者らは、健全で正常な自由市場で出版することを選べる自由を
 持つべきである。

2. 出版社は、STM雑誌のピアレビュープロセスを組織し、管理し、財政
 的に支援する。

 ピアレビュー雑誌が受理論文に与える出版許可は、置換できるもので
 なく、学術の基盤となるものである。

3. 出版社は、学術コミュニティの利益のため、雑誌を立ち上げ、持続
 させ、宣伝し、発展させる。

4. 現在の出版社のライセンスモデルは、研究成果へのアクセスを多大に
 向上させる。

 雑誌には研究開発費の1%未満しかかけていないが、デジタル化と、
 年3%増える国際的な学術文献の増加への対処のために多大な投資を
 している。
 (訳注:このライセンスモデルでこれだけのことができるのは
  割がいいはずじゃないの?と言いたいのかな)

5. 著作権は、論文著者と出版社の双方の投資を保護する。

 著作権への敬意を持ったほうが、情報流通にも作者にも企業にも
 いいことあるよ。

6. 出版社は、学問の永続的保存をする、権利保護されたアーカイブの
 構築を支援する。

7. 生の研究データは、全ての研究者が自由に使えるべきである。

 出版社は、研究の結果の生データが公開されることを振興する。

8. どのメディアでの出版にも、関係するコストがある。

 電子出版には、冊子出版にはなかったコストがある。電子か冊子か
 どちらかだけ供給するより両方供給するほうがコスト高である。
 供給側が出そうと需要側が出そうと、出版コストは同じ。もし読者か
 その機関がコストを払わなくても、他の誰か(スポンサーか、政府か)
 が払わねばならない。

9. 受理原稿のオープンデポジットには、購読料収入の不安定化とピア
 レビュー弱体化のリスクがある。

 論文にはその経済的価値に応じた猶予期間が必要。平均的にいって、
 12ヵ月というのは、電子論文においてはそのダウンロード寿命の
 40-50%に過ぎない。雑誌論文を無料利用させると、雑誌の講読
 キャンセルに繋がるだろうし、それは結局研究者が依存するピア
 レビューシステムを破壊することになる。

10. 全てを解決するたった一つの方法などない。

 個々の雑誌のダウンロード状況は、主題によっても、雑誌によっても
 劇的に変化するものだ。


宣言署名者(=35出版社と8出版協会らしい)
〜〜主要出版社はほぼ全部署名してます


-- 
加藤 大博 :: KATO Hiromichi
mailto:katze @ lib.hokudai.ac.jp
北海道大学附属図書館 情報システム課 目録情報第一係
TEL 011-706-3627 (係代表) / 内線 4100 / FAX 011-706-4099