栗山先生、筑波大・山本さま
皆さま
杉田@三重大です。
同じ学位論文も、博士(公開義務有り)か修士(私文書扱い)かで
取扱いが大きく異なりますね。
三重大の場合、修士論文も図書館に寄贈していただき、書庫に配架
しています。個人情報保護法が施行された当時は、琉球大学さんと
同じような状況でした。
・OPACで検索できないようにすべき?
・図書資料として書庫に置くのではなく、別途管理すべき?
というようなことも検討しましたが、大学の教務委員会に判断を委ね
た結果、
・既に図書館に寄贈され、配架されているものは図書資料として扱う。
・平成17年度寄贈分までは、従来どおりの運用で可とする。
・平成18年度以降の寄贈分からは、上記のような運用について同意書
を提出していただく(同意書様式についは、了承待ち)。
ということが承認されたとのことです。
三重大学の場合は、修士論文も機関リポジトリ搭載資料の対象とする
方向で検討が進んでおり、指導教員をきっちりとメタデータに入れる
ことや、論文審査も併わせて閲覧できるようにするなどの工夫・検討
が求められております。
上記の同意書に、機関リポジトリへの搭載(電子化・公開の2段階の
確認が必要)についての項目を盛り込むか、別書類にするか、検討中
です。
いずれにしても、機関リポジトリに搭載するにあたって「著者の許諾」
(場合によっては出版社の許諾)というハードルをまともに飛びつつ、
という作業になりそうです。
−−−
なお、保存や利用については、以下の取扱いとなっております。
■博士学位論文:
・書庫に配架:院生・教員は入庫可、それ以外の利用者には出納。
・検索:ローカル目録に登録し、OPACで検索可。
・閲覧:可
・複写:通常の公表された著作物と同じように半分までは可。
半分以上の場合、著者の許諾が得られれば可。
・貸出:不可。
■修士学位論文:
・書庫に配架:院生・教員は入庫可、それ以外の利用者には出納。
・検索:ローカル目録に登録し、OPACで検索可。
・閲覧:可。
・複写:原則不可。著者の許諾が得られれば可。
・貸出:不可。
−−−
Syun Tutiya さんは書きました:
>>ついでながら、学位論文が国立国会図書館において(所蔵する)図書資料として
>>扱われる結果、全体の複製が許諾なしには作れないという状況が生じています。
>>おなじ文書を大学の事務室で閲覧し、その判断で全部をコピーできてしまう
>>(本当によいかどうかべつにして)ような状況にくらべると不便なものです。
Masamitsu Kuriyama さんは書きました:
>>筑波大ではずっと図書館資料として受け入れ、閲覧に供してきたので、
>>これが普通だと思い込んでいました。
>>琉球大に行って、修士論文が開架閲覧室に並んでいてへえーと思った
>>のですが、よく聞いてみると著者の許諾も何も取っていないことが判明
>>して頭を抱えました。
>>しかし、事務室の判断で全部コピーするというのは、明らかに著作権法
>>違反ではないでしょうか?
>> 図書館資料ではない事務文書ということであれば、情報公開法の対象で
>> 利用料金を徴収すべしという話になるかもしれません。
>
>失礼、手数料の間違いですね。
>琉球大にいた2000年度の終り頃、情報公開法施行に当たって、図書館に
>おいてある修士論文や学位論文の扱いを検討することになって、誰も経緯
>を知らないことに新米課長は愕然としたのでした。
三重大の場合、博士論文・修士論文ともに、図書館に1冊、研究室に1冊
保管しているというケースが一般的ですが、研究室に保管している分が
どのように取り扱われているのかは不明です・・・。
おそらく複写を禁じたりはしていないだろうけれど、同じ研究室内での
利用に限られるのだし、研究倫理として剽窃などの悪用さえされなけれ
ば・・・と思うのですが・・・。
一方で、修士論文も図書資料扱いとすることになったため、学外からの
情報公開法に基づく開示請求の対象にはならないことになりました。
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Sugita Izumi 杉田いづみ izumi @ ab.mie-u.ac.jp
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