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Date:  Wed, 24 Jan 2007 10:47:19 +0900
From:  "Yuko Murakami" <murakami @ nii.ac.jp>
Subject:  [drf 0409] Open Repositories 2007 	速報(1)
Sender:  yuko.i.murakami @ gmail.com

みなさま
オープンリポジトリ2007@サンアントニオにきています。
今日は第1日でした。以下、メモ書き程度の速報です。
村上

ここから---------
Open Repositories 2007参加報告
2007年1月23−26日
サン・アントニオ(アメリカ)マリオットリバーセンター
参加者350人程度
日本からの参加者
北海道大学:行木、こさか
千葉大学:高木、高野(あした発表)
NII:村上

1月23日の感想
「研究者を研究活動に駆り立てるのは何か」が根源的な問い。
論文と研究評価は次の研究活動の資源(=地位や研究費)
確保と名声にかかるが、おそらくそれだけではない。


公式プログラム
1月23日
分科会第1日。移動可能ではあったが、参加者はDSpace
240人程度、Fedora 100人程度、Eprints (session 1-2)
20人程度⇒(session 3 以降のテクニカルトレーニング)
5人程度でかなりの差があった。

分科会は実務担当者のトレーニングと情報交換を中心としたもの。
いみじくもEPrints分科会最初にLes Carrが「"Achievement of
interoperability"は"Achievement of impossibility"みたい」と
冗談のように述べていたが、違うシステム間の連携にはどこも
苦労しているようである。

Session 1 Eprints
1.E-LISの開発:タホリ@CILEA(イタリア)
図書館情報学の国際リポジトリE-LISをEPrintsで開発している。
アスキー以外の文字セットを扱うパッチ:10ヶ国語対応(日本語は未対応)。
編集者向け機能:オプション追加(ログインなしにメタデータ表示)、
投稿バッファページ追加、掲載拒否メールのBCC機能、
編集者宛メールPHPフォーム、「国」フィールド追加
著者向け機能:極力ページを減らす、オプション追加(論文が
オンラインになった通知)、FAQ(国際運用ではかなり難しい)
エンドユーザ向け機能:URLをサーチに使う、要旨を通知メール
に追加するオプション、リポジトリ搭載論文数のカウント機能、
最新8論文をホームページに表示
SQLスクリプトの調整:主題のチェック、本文つきメタデータ抽出、
ダミーユーザ・使っていないユーザの削除、ユーザのメールアドレス
のリスト作成、特定のEPrintsサーバ削除機能
統計:タスマニアのソフトウェアはリソースを使用するため自前で開発。
ロボットログは手動で削除、「ダブルクリック」のカウント=3分以内
(cf. COUNTERでは30秒。一番下参照)はひとつのダウンロード
とみなしている。

2.Simpson(NERC)研究助成団体のOA方針(特にイギリスの場合)
2006年は「義務化の年」といえた。特に、それまで主として医学分野
だったOA義務化方針が、すべての分野の公的助成を受けた研究に
拡大したという点で目覚しい。
これはNIHの弱い義務化の失敗と研究者調査を受けたものと考えられる。
OA義務化に必要な3点は、登録要請・著者最終稿または出版者版・
投稿または出版即時であって、SHERPAのJULIETリストでは
研究助成団体のポリシーをこの3点で比較している。
イギリスでは2004年には政府の反応は鈍かったが、ロビー
活動の結果、2005年にはRCUKの義務化方針草稿とウェルカム財団
の義務化ポリシー、2006年にはRCUKの全体方針と個別の宣言を得た。
NERCでは所属機関にリポジトリがない研究者のためにePrints
リポジトリNORAを立ち上げた。他の研究管理システムと連携している
(特に民間会社所属の研究者に配慮が必要)。
また、時空間データにも対応している。今後プロファイルを拡張する必要がある。
#時空間データはEUではナノテクなどと並んで重点研究項目となっており、
#図書館関係でも注目度が高い。

3.dList。図書館情報学分野リポジトリの最新ニュース提供機能。

Session 2 Eprints
1.	海洋学コモンズ(フロリダ大学)
分野リポジトリの例。水産・海洋学の研究所は地域的に拡散した
小規模のものが多いので、OPACの連携(ILL)もこみで
リポジトリを開発。
2.	オープンリポジトリは既存の工業分類にはなじまない
(Cheryl Malone)
3.	保存(Jessie Hey, Southampton)
DROIDでリポジトリ搭載アイテムのフォーマットを同定
⇒ROARに組み込んだ。でもどのフォーマットがお勧めかはなんとも。

Session 3 DSpace
1.	ジョージア工科大学の例。「サービスとしてのリポジトリ」
をコンセプトに、オーバーレイ・ジャーナルのほか、会議情報の
ホスティング、学生新聞・学生ラジオのバックボーンサーバを提供。

2.	SPECTRa: リポジトリで化学情報を流通
当初研究活動との統合を目指していたが、断念
(研究者が使えるものにならなかった)。
研究成果の登録関連機能だけを開発。

Session 4 DSpace
1.中国電子博物館におけるDM-DSpaceの概況とシステム
構成の説明ののち、その脱中心的拡張である
PF(Peer-to-peer Federation)-DSpaceの開発方針
(ヒューレット・パッカード)。
DSpaceだけからなるリポジトリ連携を模索する模様。
トピックなどをもとに選択的にメタデータをハーベストできる
機能開発を進めている。
2.DSpaceの登録手順をいじる(イリノイ)。

非公式セッション
1月23日昼休み:「類友会」機関リポジトリ統計とCOUNTER(Les Carr)
「ダブルクリック問題」について、Les Carrは1日を提案。
タホリ(上述)は3分を提案。日本では千葉と三重が
統計を取っているが、(たぶん)COUNTER同様30秒で
処理しているのではないか、と示唆
(正しかったでしょうか?>佐藤先生)。
個人的には異なる処理が乱立していては使えないので、
とりあえず商業出版者との互換性を重んじるべきと思う。
ここまで-------------