栗山さん、
> 著作権法31条の解釈で、雑誌の最新号の論文は全部複写できない
> というのも、
> > 売り上げとかに関係あるとすくなくとも出版者は考えているから
> ですよね、多分。
そうなのですが、実は、この点はいろいろ面倒なので、あえて前便にて触れる
ことを避けました。いろいろ面倒だというのは、「雑誌の最新号の論文」の全
部複写できないのはしょうがないとして、いつのものからできるかという点が
あるのです。すなわち、「発行後相当期間を経過した」といえるのがいつから
かについて、つまり、法律では抽象的に規定されているのみで、具体的な点に
ついて、日本の著作権者(とその代理者)がいろいろ面倒なことを言っているわ
けです。ある人は、特集方式をとるものだとバックナンバーが書店に置いてあ
るから2年ぐらいは論文単位の全部複写はしないでくれとおっしゃるし、たし
かに、weeklyで次号は早いような気もするし、いかかえってweeklyぐらいの頻
度のものは本当に1週間で鮮度が落ちるような気もするしなどなどいろいろあっ
て決着がついていない問題です。
そのことから、「学術の世界ではオリジナリティが価値」という原則によって、
最新情報重視、したがって、(過去はただでよいと主張するのではなく)最新情
報の価値が雑誌の価値という理由によって、学術雑誌のエンバーゴを説明しよ
うというのが前便の文章です。
また、おっしゃるとおり思想的にはエンバーゴと最新号掲載論文複写不可は同
根ですが、そうなると、図書館の外でのバックナンバー掲載論文複製について
も許諾申請を求める権利者の態度を別途説明しないといけないという点もやや
こしくなっている点ですので、回避しようとしたわけです。
とりあえず。
土屋