[Date Prev][Date Next][Thread Prev][Thread Next][Date Index][Thread Index]

[drf:4018] Re: 文献提供サービス会社によるコンテンツ利用について



栗山さん、

なにがおっしゃりたいのかよくわかりません。川から水をくんで、道行く人に
コップにいれて飲ませてやって金をとるのは別に問題ないですよね。ならば、
自由に使ってよいといっているものをダウンロードしてプリントアウトして届
けるサービスで儲けてなにが悪いのでしょうか。もちろん、技術的保護手段を
講じているときに、それをかいくぐって、あるいは破壊してダウンロードした
らいけないことをしているように思います(正当な権利を侵害しているかどう
かはわかりません)が、自由に使えるようにしているものを、業者だからといっ
てダウンロードしてはいけないといわれても、実効性はないのではないでしょ
うか。もちろんそれは商業的行為ですが、権利者の権利行使の機会を奪ってい
るわけではありません。権利者は、こういうのはいやだということを言ってい
るのでその権利は行使されていますが、その行使を実効的にする手段を講じて
いません。侵害であるとすれば、訴えればよいわけで、その権利は封じてはい
ません。問題は、「業者にはダウンロードする権利」があるかどうかではなく、
そのダウンロードが、権利者の権利侵害になるかどうかです。侵害があれば訴
えればよいだけです。(権利制限というのは、基本的には、利用者に権利を付
与するのではなく、専有しているはずの権利者の権利(行使)を制限しているも
のです。)

> もし、業者はコンテンツを利用しているのではないとか、複製の行為では
> なく探索の手間や許諾手続代行に対して対価を得ているだけだとかいう理
> 屈が通用するとしたら、CC-NCのコンテンツをいくらでも有料ドキュメント
> デリバリーで配布できますよね?
> 同じ理屈で紙の図書館資料のコピー代行サービスも可能になってしまうの
> ではないでしょうか?

はい。そして現実にそのようなサービスは合法的に行なわれているわけで
す。問題はそこで、事実の認定になるわけです。そのような業者の行為が、権
利者の(経済的)権利を侵害しているほどのものであるかどうかが気になるわけ
です。つまり、紙の図書館資料のコピー代行サービスの存在が、本来の頒布の
経路から発生するはずの収入を奪っているかが問題になります。軽微なもので
あれば問題にはなりません。

要するに、栗山さんはどうしたいのでしょうか。十分な思考力をもたない利用
者が、あまり事情がわかっていない業者に頼んだときに生じだことの違法性を
確認されたいのでしょうか。すくなくとも今回の問題は、いわゆる人格権には
かかわりませんから、経済的に損害が生じたか、ないし、経済的に生じるべき
利益が得られないということになったのかということだけが問題です。

土屋
──────────────────☆────────
月刊DRF http://drf.lib.hokudai.ac.jp/gekkandrf/
 2013年1月号(48号)を発行しました!

DRF(Digital Repository Federation)
http://drf.lib.hokudai.ac.jp/drf/
─────★─────────────────────