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[drf:3530] Re: 著者版原稿について
- Date: Thu, 31 Jan 2013 17:30:17 +0900 (JST)
土屋さん
> 本学でも少しずつ著者版原稿をいただくようになったのですが、著者版原稿に
> ついて以下の過去ログを参照したところ、基本的に一切整形せず、お預かりし
> たままの形でPDF化・登録するのが通常であるようにお見受けしました。
> [drf 0780]
> [drf 0933]
> 過去のポストにそのようにあったのにこのようにお尋ねしたのは、ダブルスペ
> ースであったり、図版のキャプションと本体が別ページに分かれていたりする
> ものをそのまま公開すると閲覧者はやはり読みづらいと感じるかもしれない、
> という疑問からです。
> ただ、過去のポストにありますように、学術的な正確性が図書館側のミスで損
> なわれてしまう危険を避けるためにはやむを得ないとも考えます。
> ご所属の機関ではどのようにしている・考えているということがありましたら
> 参考にさせていただきたく、お尋ねいたします。
> (既出の話題でしたら申し訳ありません)
原則的なことだと思いますので、コメントさせてください。
機関リポジトリによるセルフアーカイブは、著者から著作権の譲渡をうけてい
る出版者の場合、そのようなセルフアーカイブを著者に対して許していること
を根拠として著者が行なう行為です。図書館ないし機関リポジトリ運用に責任
をもつ組織の役割は、著者のそのような行為を支援することであり、あたかも
出版者であるかのように振る舞う、つまり、読者の便宜を考えて整形、校正な
どの価値付加サービスを提供するものではないということが前提です(もちろん、
著者の依頼にもとづいてそのようなことを代行することはかまわないと思いま
すが)。したがって、機関リポジトリ登載に際して手を加えないことは、「学術
的な正確性が図書館側のミスで損なわれてしまう危険を避けるためにはやむを
得ない」というような奇妙な理由によるのではなく、著者、権利譲渡を受けた
出版者との間の関係を考慮した結果です。
したがって、著者からの依頼がないかぎり、著者が提供したファイルに手を加
えるわけにはいかないのです。
土屋
(大学評価・学位授与機構)
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