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[drf:764] UCL訪問メモ Re: [drf:755] Fwd: Berlin6 国際会議の周辺



みなさま、

小樽商大 鈴木です。昨夜、帰国しました。

>会議も残り半分となりました。終了後は、イギリスのUCLを訪問する予定です。

ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのジョン・ムータフさんとミーティングを
持ちました。日本語が堪能なクリス・ディロンさんが同席していたのは、1時間
ほどで、ジョンさんのお話はスピードが早くて長くて聞き取るのが大変でした。
ので、意味を取り違えているところがあるかもしれませんが、杉田さんと作った
メモを送ります。
ジョンさんはシステム屋さんではなく、ライブラリアンでもなく、オープンアク
セスのプロジェクト推進人のような方でした。
それから、この文献の著者近影写真とは、まったく別人でした!
http://bura.brunel.ac.uk/handle/2438/2224


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平成20年11月14日(金)10:30-14:30
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン中央図書館

ジョン・ムータフ(リポジトリオフィス)
クリス・ディロン(通訳)(人文学部・法学部情報サポートオフィス)
内島秀樹(金沢大学)
杉田茂樹(北海道大学)
鈴木雅子(小樽商科大学)

・ムータフ氏は、前任地(ブルーネル大学)での機関リポジトリ構築を経て、
2月から現職。

▼ブルーネル大学の機関リポジトリ(BURA)について

・ムータフ氏は、1年間契約でプロジェクトマネージャーに就任、そのまま1年間の契約延長。
それが切れてUCLへ。
・ただし、今もBURAのミーティングには参加を続けている。
・6学部の理系大学。
・計算機科学部でmandate。
・RCUK等と同じく、罰則なし。ミーニョのような研究費への反映は魅力的だが、
手がけていない。
・サウサンプトン、スタンフォード、シェフィールドなどを先行事例として検討。
・計算機科学の先生たちにとっては、機関リポジトリへの登録義務化は、サウサンプトン
大学計算機科学部の例などを通じ、既知のことだった。
・大学の性格として、教育大学から研究大学への脱皮を図る気運があった。その一環として
の戦略のひとつが、機関リポジトリ(+mandate)によって、Brunelの学術研究のビジビリ
ティの向上を図ること。
・BURAにおけるムータフ氏の同僚はテニュアの図書館員3名(BURA専任ではない)+院生3名。
・現在は、その図書館員の片方がリポジトリ管理者(Johnのつとめていた役割)をつとめる。
・機関リポジトリ構築には、図書館員をスタッフとして加えると強力。メタデータ、研究者
との接点。
・ほかには、著作権を取り扱うスタッフが必要だが、その面のスキルを持った人材を見つけ
るのは難しい。
・Republic of John。
・Green論文を集める努力。メール。各学部のキッチンへのポスター貼り出し(ダウンロード
ランキング)。
・自力セルフアーカイブが5割。それができない人も趣旨は理解していてJohnに送ってくる。

▼UCLの機関リポジトリ(UCL EPrints)について

・フルテキストを入れてもらうことが最大の課題。
・RAEとの強い連携。RAEでは「ともかく3本出せ」ただしRAE的には、必ずしもフルテキスト
が求められていない。
・RAEで提出された業績データはEPrintsのほうにも流しこんでいる。しかしフルテキストが
ないので、予備データ領域に保管してある。フルテキスト入手ごとに公開アーカイブへリリース。
・来期に、データベース統合(IRIS)を予定。
・UPI(Universal Personal Identifier)で研究者情報を管理。
・IRISへの統合時にはUPIをキーとしてデータをマージする予定。

▼その他

・英国でもっとも優れた機関リポジトリはサウサンプトン。ケンブリッジは感心できない。
・助成機関mandateは、大学IRのコンテンツ形成には影響がない。なぜなら、助成機関
mandateの結果、論文は助成機関アーカイブに入るからだ。
・助成機関が研究費を助成するように、大学も(サラリーと)研究費を研究者に与えている。
その意味では、大学がmandateするのは当たり前のことである。
・助成機関と大学の双方へ文献を提出するのはたいへんなことは事実。助成機関に搭載され
た文献が大学IRに自動的に複製されるようにしようとしている。

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小樽商科大学附属図書館(学術情報課情報普及係)
 鈴木 雅子  TEL:0134-27-5274 FAX:0134-27-5278 
** Barrel: http://barrel.ih.otaru-uc.ac.jp