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[drf:2889] 訳してみました:エルゼビアは機関のOA義務化を阻害しようとしている
- Date: Fri, 3 Feb 2012 17:55:55 +0900
みなさま、
旭川医大 鈴木です。
エルゼビアの話題が出ていますが、スウェーデンでもいろいろ
あったようです。
http://openaccess.kb.se/?p=637
「Elsevier tries to block institutional OA mandates」
(エルゼビアは機関のOA義務化を阻害しようとしている)
とそれについている、スティーブン・ハーナッド氏のコメントを
訳してみました。 ハーナッド先生は相変わらず辛辣に見えますが、
エルゼビアは、セルフアーカイブを義務化されている場合は
セルフアーカイブしてはだめって言ってて、みんな怒ってるけど、
セルフアーカイブなんだし、これは強制されたわけじゃなくて
自分の意思でアーカイブしてるんだと言えば済むことじゃないか、
ごちゃごちゃ言ってないでセルフアーカイブ続けましょうー
って言ってるのかなと思います。
ハーナッド先生の英語は超難しくてよく分からんかったのですが、
国際WGの添削サービス(※)で某課長にみてもらいました♪
みなさんもぜひー
※[drf:2881] 海外情報を私たちと一緒にウォッチしてみませんか?
------- koko-kara --------
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エルゼビアは機関のOA義務化を阻害しようとしている
2012年1月31日 投稿者:janhag
エルゼビアは明らかに、特別合意書を要求するポリシーによって機関の
オープンアクセス義務化を妨害しようとしています。エルゼビアが提案
してきたこの種の高等教育機関(HEIs)との合意書は、著者の権利に
関して悪い方向に大きく踏み出したことを意味しています。
背景
オープンアクセス.エスイー(スウェーデン)の運営委員会は2011年5月に、
著者の権利についてのエルゼビアのポリシー、大学や研究資金提供者が
オープンアクセスを義務化している場合は今すぐ特別合意書を要求する
というポリシーを非難する声明を発表しました。委員会はエルゼビアに
新しい条項を取り下げることを要求し、次のような提言を行いました。
「オープンアクセス義務化をしているスウェーデンの大学が、個々にエル
ゼビアとの特別合意書を結ぶことについては差し控えたい。そうではなく、
この問題は国全体対エルゼビアのライセンスとして扱われるべきだ。」
この声明に対してエルゼビアからユニバーサルアクセス部長のアリシア
ワイスがコメントし、私もそれに返事をしました。やりとりはココ(※)に
あります。 ※ http://openaccess.kb.se/?p=408
アリシアは「我々は機関との合意書についてまだテスト段階にあります。」
と言っています。私たちはほかにもたくさんの質疑を交わしました。
ですからエルゼビアがスウェーデンにおける、多くの大学をまきこんだ、
論文登録に関する申し合わせの試行案を持ってきたときには、私たちは
その内容をよくよく吟味する準備ができていたのです。
試行案はエルゼビアが策定したもので、スウェーデンにおけるシステマ
ティックな投稿試験の提案2011、として2011年11月10日に提案されました。
http://openaccess.kb.se/wp-content/uploads/2012/01/Response-to-Elseviers-OA-pilot-proposal-for-Sweden.pdf
エルゼビア提案への反応
この提案はいまもスウェーデンBIBSAM(ライセンシング)コンソーシアムと
オープンアクセス.エスイーの運営委員会で議論されています。両運営委員会
ともに、この提案におけるさらなる交渉から撤退するべきだ!というまとめ
に入っています。エルゼビアのスウェーデンにおけるOA申合せ試行案への
返事(※※)の中で、これらの委員会の見解は次のように説明されています。
※※ http://openaccess.kb.se/wp-content/uploads/2012/01/Response-to-Elseviers-OA-pilot-proposal-for-Sweden.pdf
「主要な反対理由は、12か月から48ヵ月という様々なエンバーゴ期間だ。
この提案は、著者が彼らの機関のリポジトリに彼らの論文のコピーを
登録するという著者の権利を厳しく制限し衰弱させることになるだろう。」
「我々は、すべての高等教育機関の研究者が、彼らの所属機関がOA
義務化を持っていようがいまいが関係なく、少なくとも、エルゼビア
の雑誌にアクセプトされた著者原稿を出版後すぐに機関リポジトリに
登録する権利はあると思う。」
「他の出版社が自分たちのポリシーをOA義務化に適合させようとして
いるのに対し、エルゼビアはかわりにOA義務化を阻害することを試みる
別の道を選んだかのようだ。長い目で見ればそれは得策ではなかろうと
我々には思えるのだが。」
ジャン ヘイゲリッド
(オープンアクセス.エスイー プログラム コーディネーター)
追伸:
研究者がエルゼビアのために働きたくないと公表しているウェブサイト
http://thecostofknowledge.com/(※※※)があることに気付きました。
彼らのほとんどが「出版しない、査読しない、編集業務しない」に署名
しています。
※※※ [drf:2874] 話題提供:Elsevier publish Boycott
でこのMLでも話題になっているサイトですね。(訳者注)
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「エルゼビアは機関のOA義務化を阻害しようとしている」へのコメント
スティーブン ハーナッド:2012年1月31日 午後8:39
でたらめな区別とつじつまの合わない話なんだから無視すれば。
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「(著者は)最終原稿をウェブにセルフアーカイブすることができます。
出版のアクセプトが得られたらすぐに、すべて自由に。但し、そうする
よう義務化されている場合はお断りします。(したいのであればしても
いい、しかし、しなければいけないのであればしてはいけない)」
つまり、著者は、仮に出版社から聞かれたら胸に手を当ててこう答えよ、
と言われているわけです。――私の行動はすべて私自身の自由意思
によるもので、強制されてのことではありません(そして、publish or perish
の強迫によるものでもありません)、と。
もし、次のメッセージを読んでもまだこの一連の無駄話につきあおうと
するのは、それはもうあることないことなんでもかんでも世界のすべてを
引き受けようという暇人のすることでしょう。
エルゼビアの著者たちへ:機関リポジトリへのセルフアーカイブを
淡々と続けましょう。前となんら変わりません。これら3つのばかげた
新条項は無視すればいいです。それらは無内容だと自信を持って
ください。
http://openaccess.eprints.org/index.php?/archives/822-.html
------- koko-made --------
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鈴木雅子 <msuz @ xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx>
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