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[drf:2760] 総合展第一部の報告
- Date: Fri, 18 Nov 2011 18:07:53 +0900
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- Thread-topic: 総合展第一部の報告
みなさま
広島大学の上田です。
完全に出遅れましたが、DRF8第一部の報告をします。
第1部は、「8×8=∞ 〜GreenOAとリポジトリの今」(事例報告)という
テーマでDRF参加機関を代表して8名の方に機関リポジトリの事例報告を
していただきました。各機関の状況に応じてそれぞれが工夫をされた活動
をされていて、とても参考になる発表でした。
当日の発表資料・写真はこちらからご覧下さい。
http://drf.lib.hokudai.ac.jp/drf/index.php?DRF8
発表者のみなさん、どうもありがとうございました。
以下、簡単に発表と質疑内容を記載します。
1)田山恭司(聖学院大学)「図書館みんなでリポジトリ」
・比較的人数が少ないので、職員と教員との距離が近い。
・全員がカウンター業務を行っており、その時が教員に声をかけるチャンス
・論文をリスト化し、カウンターに来た教員に論文登録の許諾をもらい、
その場でサインをもらう。
・高確率で許諾をもらえる。
・教員の反応は、OK、とりあえずOK、だめの3パターンがあるが、だめと
言われてもあきらめずに、とりあえず保存目的に論文をもらっている。
・今後はもっと攻めの方法も考えていきたい
質疑
Q.職員の人数が10人と小規模とのことだが、その中でリポジトリに
対する意識や理解を高めるために行っている活動はあるか。
A.何かあった時には全員できちんとやろう、という共通認識を形成
するようにしている。
例えば、朝のミーティングでSERVEについての活動報告をしている。
何よりもまず、上司の理解があるということが大きいと思う。
Q.学内の論文の約何パーセントを捕捉できているのか?また、目標値
はあるのか?
A.具体的な数値は不明だが、紀要、学会誌、学部ごとの年刊雑誌、
学内資料等を搭載している。目標値は年間300件。
2)大瀬戸貴己(奈良県立医科大学)「機関リポジトリ「GINMU」の現状と展望」
・紀要中心のコンテンツで、まもなく1500件に到達。
#先日、1500件達成の報告がありましたね。
・地域からの医学・医療情報の発信がテーマ
・希少症例の報告など臨床に役立つ情報を積極的に収集する
・今後は県内医療施設(病院など)との共同リポジトリの構築と学内
研究者情報データベースとの連携を考えている。
・紀要だけでなく学術雑誌論文も集めたい。
質疑
Q.県内医療施設との共同リポジトリ構築を推進しているとのことだが、
その基盤になる組織ようなものはあるのか?
A.具体的な組織というものはないが、医師個人から直接、論文を掲載
できるようなシステムがあるかという 問い合わせを受けたので、
それをとっかかりにしようかと考えているところ。
また、元々奈良県立医科大学にいた先生のつてをたどっていこうかと
いう考えもある。
Q.学内研究者情報テータベースとの連携を推進しているとこのことだが、
看護の先生から、研究対象からプライベートな情報が漏れるという
懸念はないのか?
A.個人情報の問題としては、写真等は基本的に掲載しない方針をとっている。
3)高橋雅一(筑波技術大学)「特異な立場から生じるリポジトリの特色・
問題点 〜筑波技術大学の事例〜」
・視覚障害のある学生もいるため読み上げソフトを意識した作りが特徴。
・文字情報を中心としたシンプルなサイトの作成。
・PDFファイルへの透明テキスト、代替テキストやタグの付加。
・ただし、労力や時間もかかるし、完全なPDFファイルはできない。
質疑
Q.テキストの読み上げ機能を意識したデータ作りをしているということだが、
作成時間はどのくらいか。
A.PDFのタグ付には、1つにつき1〜2時間かかる。図などが入っている複雑
なものになると更に長くかかる。
Q.ディジー化は進んでいるのか。
A.話がないわけではないが、研究論文のディジー化は難しく、あまり
進んでいないのが現状。
4)若生政江(城西大学)「効果的なコンテンツ収集の取り組み」
・学内他部署と連携し、問い合わせや登録依頼が向こうからやってくる、
ボーンデジタルが生まれる環境づくりをを実現
・紀要:発行と同時に電子版を図書館に納品。著作権は大学に帰属。
・学位論文:学部事務経由で図書館に電子ファイルと許諾書
・研究報告書:教務課経由で電子ファイルと許諾書
・雑誌論文:学務課経由で投稿料申請時に電子ファイルと許諾書をもらう。
・公開講座・研究会等:各センター経由。研究者が講演者へ登録依頼
・その他、古書アーカイブや業績DBとの連携も準備中。
質疑
Q.投稿料の申請の捕捉について、全て捕捉できているのか?
A.投稿料を申請する場合は、抜き刷りを図書館資料として保管しているが、
その後でデジタルデータ化し業績データベースからダウンロードが
できるようになればと考えている。
5)高橋欣瑛(小樽商科大学)「研究成果のOA化を科研計画調書で謳う」
・科研申請の説明会で、計画調書に成果論文をBarrelから公開すると
記述してもらうよう提案。
・Brrelを通じた研究成果の社会還元をアピール
・新規の科研費申請は37件、うち10件に成果論文の公開を記述してもらい、
3件が採択。
・今年度も継続して行う。
質疑
Q.科研採択において、Barrelから公開すると記述したことで効果は
あったのか?
A.効果は無し。書いても書かなくても結果は変わらなかった。ただ、
これによって世の中のオープンアクセスに対する意識や状況が
変わっていくことを期待している。
Q.10人のうち採択されなかった7人へのフォローは行ったか?
A.特にフォローはしていない。来年もう一度記述してくれたら。
6)尾城友視(一橋大学)「一橋大学機関リポジトリ HERMES-IR」
・他システムとの連携が特徴(学内研究者D, RePEc, West Law Japanなど)
・研究者DBとの連携:HERMES-IRとの相互リンク、HERMES-IR登録論文は
自動的に研究者DBへ→業績入力の手間軽減の効果
・RePEc:Warking Paperと紀要を登録。論文用のデータを提供できるように
システム改修をした。
・West Law Japan:凡例関連の30論文へリンクしている。
・アクセス数アップのためさらなるシステム連携が課題。
7)廣田未来(お茶の水女子大学)「リポジトリでE-bookサービスはじめます」
・2010年からの新たな取り組み。
・教職員や学生の著作にISBNを付与して公開する。
・プリント版はオンデマンドで。
・学術事業会や図書館などの連携事業。それぞれが得意分野を生かす。
・現在2冊の刊行を準備中。
・教員からはページ数の制限がないこと、若手の業績公開につながるため
好感触。
・年度内の公開を目指す。
質疑
Q.版下などを作成するソフトは何を使用している?
A.なるべくPDFの形でほしい。Wordや一太郎で作成されたものをイン
デザインとPDFの形で納品してもらう。
Q:今後は業者に委託するのか?
A:分野によって、先生との話し合いで決めていこうと思う。
8)近藤 喜和(奈良先端科学技術大学院大学)「ちょっと始めたら、色々
やりたくなってきた」
・リポジトリ開始以前から学位論文や科研費報告書は電子化済。
・課題は、学術雑誌論文の収集。
・プレスリリース論文の収集を始めた。
・注目度が高く、件数も少ないため、まず手を付けるには最適。
・教員の反応も上々。論文ゲット率も高かった。
・次は、OAWに講演会を企画。
・広報活動に注力し、初めての教員訪問も行った。
・プレスリリース論文の収集から始まり、いろいろと広がっていった。
・今後ももっと広がっていくのではと思っている。
質疑
Q.プレスリリース論文の収集はおもしろい取り組みだが、毎月行っているか?
A.毎月ではない。広報担当部署から図書館に連絡が来る。
Q.講演会は授業として開催したそうだが、教員の参加はどれくらいだったのか?
A.7〜8人の先生が参加していたと思う
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広島大学図書館 図書学術情報企画グループ
学術情報企画主担当
上田 大輔
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