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[drf:4029] Re: 文献提供サービス会社によるコンテンツ利用について
- Date: Thu, 20 Feb 2014 06:40:23 +0900 (JST)
栗山さん、
> 山本様
>> 違法か否かは、判例があれば類推もできますが、、、あるのかな?
>
> 「私的複製 代行」とかで検索すると、自炊代行の違法判決に関する
> ページが山ほど出てきますね。
> 文献提供サービスも基本的な図式は同じだと思いますが。
図式化すれば、十分に高い抽象度のレベルではおよそなんでも同じになります。
これまで、文献提供サービスが訴えられていないという事実と自炊代行サービ
スが訴えられたという事実とは無視することができません。訴えに至った経緯
についてはいろいろな議論があると思いますが、これらが図式として同一であ
るから、一方が違法であれば、他方も違法であるというのは、法律学者の議論
すべき領域であって、われわれとしては、事実のレベルで考えるべき、つまり、
文献代行サービスがどのような役割をはたし、かつ、著作権者の権利という観
点からみたときにどの程度の権利侵害になっているかを判断すべきであろうと
思います。同様に、文献提供サービスが、著作物を営利目的で利用しているの
かどうかということも法律学者の議論の領域であって、われわれとしては、個々
の文献提供サービスの依頼に対して、権利者の利益をその活動が侵害しないよ
うになるように対応するようにすればよいことになると思います。著作権に関
しては原則的に権利者が権利を専有するわけですから、権利制限の規定がどう
なっていようが、まずは権利者の意向が重要であり、制限と行使との間に齟齬
がある場合には交渉することになるということだと思います。
>> 文献提供業を営んでいるような会社は、我々が心配してあげるまでもなく、
>> 訴訟リスクを回避したければ斎藤さんのケースのように事前に問い合わせて
>> 了解を得ればよいだけの話では?
>
> まさにその通りです。
> 誤解していたらお詫びしますが、今回のケースでは、この会社は代理
> だから顧客の側の利用形態が問題で、この会社自体が手数料を取って
> コンテンツを複製すること自体は問題ではない、というご意見だった
> ので、おかしいなと思ったわけです。
> この会社としては、やはり自分たちに対して利用の許諾がほしかった
> のだと思います。素直に英文を読めばそうなりませんか?
これについては、以前の申しましたように、こちらがわの意見が分かれている
以上は、この業者に聞くしかないと思います。こんなところで議論していても
始まりません。また、「今回のケースでは、この会社は代理だから顧客の側の
利用形態が問題で、この会社自体が手数料を取ってコンテンツを複製すること
自体は問題ではない」とぼくは考えます。
> 前にも書きましたが、顧客の利用形態についてはフェア・ユースで
> 問題ないと考えているふしがあります(これは私の勘違いかもしれま
> せんが)。
多分、ここで「フェア・ユース」という言葉を使うことはミスリーディングで
す。「権利者の権利の行使が制限されている利用にあたる」くらいが安全では?
>> 仲介業者のなかでも商用 ISP に関しては、財産権を有する北大側が
>> 暗黙に了承している (と解釈するしかない) ので、すでにオーバーライド済み。
>
> 暗黙の了承というのは怖いですね。
> いつひっくり返されるかわからない。
> 業者側だけでなく、リポジトリの現場担当者も戸惑わないでしょうか?
なにごとにもリスクはともないます。リスクは十分に低ければ、だれも戸惑い
ません。
> で、結局、何が言いたいかというと、NCなんて面倒でケチくさいこと
> 言わずに、CC-BYで行けばいいのに、ということです。
それがおっしゃりたいならば、これまでの議論は不要で、「その業者が変なの
ではないか」でおわりだと思うのですが。ぼく自身は、ここでは議論する暇が
ないのですが、NCにはそれなりの意味はあると思います。
土屋
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