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[drf:2969] Re: 公共利用か研究利用か
- Date: Tue, 10 Apr 2012 14:43:06 +0900 (JST)
栗山さん、
> そもそも役立つほど機関リポジトリに論文が集積されていませんよね。
> これもハーナッドの受け売りなんですが、著者としての研究者の多くは
> セルフアーカイブの意義は認識していて、義務化されれば従う、という
> 調査結果があります。自発的にやらないのはハーナッドがinertiaとか
> Zeno's paralysis(ゼノンのパラドックスのもじり?)とか呼んでいる
> まあ、怠け心ですよね(非常によくわかります)。
> なんだかんだ言っても先進国の研究者はビッグディールなどで必要な
> 論文へのアクセスは保証されていて、OAは切実な問題ではないような
> 気がします。
しかし、困ったことに、日本では、紀要論文については、機関リポジトリのお
かげで流通するものがずいぶんあるような気がするのです。
> 釈迦に説法になってしまうのですが、グリーンOAの理屈としては、付加価値
> のついたものをお金を出して利用できる人は利用すればいい、経済的理由で
> それができない研究者に対して機関リポジトリで付加価値のつく前の著者
> 最終稿を提供しましょう、ということですよね。
> ほとんどの著者最終稿が無料で見られて、現在の商業的な仕組みが続くので
> あれば、それはそれでまったく構わないというわけなので、ビジネスモデル
> に変更はありません。
> ただ、もちろん、ほとんどの論文が著者最終稿であれ機関リポジトリで無料
> で見られてしまえば、誰も購読に高いお金を払わなくなることは十分考えら
> れて、だからこそRWA騒動みたいなことが起こるんでしょうね。
> ハーナッドが、グリーンOAが成果を上げて商業出版社が撤退したら、ういた
> 購読料を使ってピアレビューの仕組みを維持すればいい、と言っていること
> はご存知の通りです。
> そうかもしれませんね、としか言えないのですが。。。
というか、ビジネス・モデルに変更が必要ないと思っていると、後発国を中心
とする発表されるべき研究成果の増大による総コスト増を解決することはでき
ないわけです。とくに、図書館経費が頭打ちであることは万人の共通認識であ
るので、Green OAが実現するのを待っている余裕はなくなりつつあると思いま
す。この論文数増の問題は、1993年のsubversive planの段階では考慮されて
いなかったと思います。残念。
土屋
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