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[drf:2918] eLife Re: PLoSインタビュー抄訳



小樽商大 杉田です。

土屋先生、解説ありがとうございます。
APCの免除制度というのも運用されているわけですね。

(2012/02/22 7:55), SUGITA Shigeki wrote:

>> ▼On eLife, the new OA journal to be launched later this year by three major
>> research funders:

> ▼主要研究助成機関3機関によって今年後半に発刊予定のオープンアクセス誌『eLife』
> について
> 
> 「長い目で見れば、研究価値の評価が、学術出版にその第一義的機能として結びついて
> いないシステムへと移行するべきです。しかし、『eLife』誌は、オープンアクセスの
> 歴史の転換点となるに違いないと思います。なぜなら、同誌はもっとも保守的な科学者
> 層にも認知されるに違いなく、みなにオープンアクセスジャーナルに論文発表すること
> を心地よく感じさせることになるだろうからです」
> 「課題としては、彼らが直面するであろう最大の難題は論文投稿が殺到することでしょ
> う。彼らは彼ら自身でそれに打ち勝たねばなりません。しかし、彼らにはそれができる
> と私は確信しています」

これは、

 米国 ハワード・ヒューズ医学研究所(HHMI)
 ドイツ マックス・プランク協会
 英国 ウェルカム・トラスト

が共同で発刊することになっているOAジャーナルのことですね。
昨年11月に誌名が「eLife」と決まったようです。

ちょっと古いですが、この企てが発表された当時の記事を見てみました。

 最上位クラスのOAジャーナル、鳴り物入りで、しかし詳細不明で登場
 Top-Tier Open Access Journal Arrives with Fanfare, Few Details
 http://scholarlykitchen.sspnet.org/2011/06/27/top-tiered-open-access-journal-arrives-with-fanfare-few-details/

 (大意)
 3助成団体(前記)が、生物化学・生命科学の最上位クラスのOAジャーナルを
 発刊することを発表した。
 誌名は未定。editor-in-chiefも未定。ビジネスモデルも未定。
 「very best research」が眼中。しかしどうやるかは不明瞭。
 掲載記事選定などの仕方については画期的というわけでなく、BMJ Openとそん
 なに変わらないっぽい。他OA誌に欠けている何かを実現するというようには
 見えない。
 資金面はなにしろこの3団体によるわけなので、問題なくスタートできるだろう。
 とはいえ、長期的なビジネスモデルの策定が必要だろう。

対して、次のようなコメントが寄せられたようです。

・ビジネスモデルなんていらない。彼らは金なら持ってる。
・Nature、Science、Cellとそれらの編集にあたっている落ちこぼれボスドクに
 刃をつきつけるものだ。
・ビジネスモデル策定をeditor-in-chiefに任せるのは、病院のマネジメントを
 雇われ医師に任せるようなもの。
・考えられるビジネスモデルのひとつは、これら3団体の助成研究の発表場所と
 なることだろう。
・http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2011/06/three-biomedical-funders-to-launch.html
 によれば、
 ・この新誌は職業編集者を雇わず、科学者だけでやる。
 ・この新誌は「当面数年間」は著者負担を課さない。
 ・査読者への給金を考え中。
・この新誌の存在意義は明らかだ。3誌の助成研究成果で、他トップ誌に落ちた
 ものを救うのだ。
・成功するに違いない。被助成著者は負担金なし、ということで収まるだろう。
・3助成団体の助成研究で満たされるだろう。
・出版のメカニクスは、従来型出版者に外注しちゃうというテもある。
・編集者と査読者に給金、というのは重要な革新点。
・IFの扱いはどうなるのだろう。3団体の助成審査にもIFを使うだろう。2名の
 応募者が同等で、一方はNatureに2本出していて、もう一方はこの新誌に2本
 出している場合、どう判断されるんだ?
・JONAS (Journal Of Nature And Science)という名前にしろ。
・JOG(Journal of Our Grantees)という名前にしろ。


以上、もっとも、これは半年以上も前のことで、そのあとの展開は、うーん、
どなたかフォロー頂ければ幸いです。

-- 
杉田茂樹 <ssugita @ xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx>
小樽商科大学学術情報課長(附属図書館)
電話番号:0134-27-5269,ファクシミリ:0134-27-5278
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