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[drf:1499] Re: 登録コンテンツのチェック機構の必要性について



高橋@みんぱくリポジトリです。

 私の考えは単純です。「そんなもんは必要ない」です。

 リポジトリは「なんでもあり」だと考えていましたが、違うんで
しょうか。登録するモノを事前に選別する、という考えが理解でき
ないです。

 例えば、近畿圏の某大学の図書館員の方から、「うっとこのえら
いさんなぁ、紀要みたいなもんはろくに査読もせん、どうでもええ
もんが載ってるゴミみたいなもんやから、そないなもん登録して公
開したら大学の恥やし、やらんとき、て言うねん」と聞いたときは
大爆笑しました。凄い発言だと。多少言葉は誇張していますが、ほ
んまの話です。まだ、この話の方が理解できます。全部するなとい
うことですから。

「登録公開するに値するものかどうか」を著者以外の人が決めるっ
てのは、間違ってませんか。それ、実質的な検閲ですよね。図書館
員なら、そんなこと拒否しなくちゃダメでしょう。「図書館の自由
に関する宣言」を読み返しましょう。線引きなんてしちゃダメです。
と、ちょっと格好良く言ったりして...。

 実際のところ、登録するしないを決めるなんて恐ろしく面倒臭い
業務ですよ。どういう方式を取るにしてもです。

 それに、登録するに値しないと判断された論文著者に対して、説
明責任が生じると思うのですが、違いますか。ただ単に「本学の基
準に照らし合わせて、貴殿の論文は本学リポジトリに登録するに値
しないものと判断されましたことを、ここに謹んでお知らせいたし
ます」では済まないですよね。もめますよぉ。知りませんよぉ。

 著者自身が登録するようになると、当然公開前に事前チェックす
ることになりますが、それは査読とかとは違ったもので、デジタル
データに化けや漏れはないか、間違いはないか、メタデータはとい
うことをチェックするんだと私は思っています。論文を読んで、そ
の良し悪しを判断するのではないと。いや、普通に考えて出来ない
ですよ。誰だって。一人だって大勢だって。

「公序良俗に反するもの」はどうなの、という意見が出ると思いま
すが、社会規範は時代によって変わりますから、基準になり得ませ
ん。そんなあやふやな文言を、運用指針などに盛り込むのは突っ込
まれる元ですから、うちでは入れてません...はずです。

 「みんぱくリポジトリ」の場合、文化人類学・民族学の研究成果
を登録していますので、そこには人権問題が絡むことがあります。
これに関しては、もともと本館の研究者には、著者がその全ての責
を負うという考え方がベースにありますので、利用許諾を取る際に、
部分削除や写真・図版公開不可といった条件がつくことがあり、そ
れを認めています。そのための書式もあらかじめ決めています。そ
んなあなた、刊行されているんだったら意味無いじゃないの、とか
言わないの。紙ベースとネットベースでは影響力に差がありすぎな
んだから。

 あ、脱線しつつある、気がする。

 登録された後で、問題が生じたらどう対処するかを考えるのなら
わかりますが、登録する前にフィルターをかけることなんか考える
のは、どうかと思います。建設的でないし、時間の無駄ですよ。

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 国立民族学博物館 情報管理施設 情報サービス課
   高 橋 安 司 ( TAKAHASHI, Yasushi )
  TEL:06-6878-8227  FAX:06-6878-8249
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