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[drf:798] 大学図書館シンポジウム感想 Re: SPARC Digital Repositories Meeting 2008(2日目)報告



北大 杉田です。

> 「オープンアクセス(OA)」を取り上げた大学図書館シンポジウムが約半分

これ参加しました。たいへん刺激的な内容で面白かったです。

話題1 マックスプランク協会とSpringerのOA包括提携

EJ購読料の若干の上乗せ調整により、マックスプランク協会所属の著者によるSpringer発表文献が自動的にすべてOAオプション選択扱いになる、という提携が成ったことについてのディスカッション。
パネラーの、マックスプランク協会電子図書館部門は、「個別の文献、個別の著者による個別努力でのOA推進を目指すよりも、包括的なやりかたで行くほうがスケールメリット的にもいいし、話が早い」とおっしゃっていました。上乗せ調整の幅にもよりますが、ひとつのやり方だなと思いました。
それから、あとのフリーディスカッションの中で、各地に分散する、多様な分野のマックスプランク協会配下研究所群の学術研究を単一のリポジトリで受けとめることについて、似た理屈で「個々の施設が個別努力でリポジトリを立てるよりも、中央アーカイブのほうが効率的だ。日本も個々の大学がばらばら立てるのは非効率ではないの?」との話もありました。たしかに、個別機関の顔さえ見えるシステム構成にしておけば、バックエンド部分は(HARP型なりSHERPA-LEAP型なりOpenRepository型なり)雲の向こうにあってもいいだろうなと思いました。

話題2 SCOAP3

CERN(欧州原子核研究機構)が音頭をとって、素粒子物理学のトップジャーナル6誌を、各国物理学コミュニティの共同出資によるオープンジャーナルにできないか、という企てについてのディスカッション。
仮に成立すれば、商業出版(エルゼビア、シュプリンガー)及び学会出版による6誌がOAになる。逆に、日本の物理学界からそれなりの出資が必要となる、そういう話です。
大学レベルの話に落とすと、これはどういうことになるんでしょう。EJ購読経費が若干浮いて、一方でSCOAP3への協力のために、その浮いたお金を物理学科なりに回す?
経理上の扱い的に悩ましいかもですね。
どうなるか注意してみていく必要があるように感じます。それから、このSCOAP3に限らず、物理学に限らず、学術情報流通の費用負担についてはこれからさまざまなアイディアが試されるのだろうなと思いました。

以上理解の足らない点があるかもしれません、同シンポジウムに出られた方、フォローよろしくお願いします。あと、続報、関連情報ありましたらぜひ伺いたいです。

DRFワークショップのほうも、参加くださった方、感想、ご意見などありましたらぜひお寄せください。
今回は、これまでと違って、講演会ふうでなく作業集会ふうのプログラムでした。どうだったでしょうか。もっと事例発表的なもののほうがよい?
あるいは、こうした、実務上の課題解決のための共同作業的な集会もあり?
いずれにせよ手作りの集合イベントですので、ご意見を頂ければどんどん次回以降に反映できます。ぜひよろしくお願いいたします。




08/12/02 に Koichi Katoh<kabe @ xxxxxxxxxxxxxxxx> さんは書きました:
>
> 土出@大阪大学 様
>
> 加藤@千葉大学です。
>
> おはこんばんちは,です。
>
> 詳しいレポートありがとうございました。
>
> > ・日本のIRを取り巻くポリシーについて(千葉大学土屋先生)
> > 4年前の発表を引いて,日本の状況がこの4年でどのように変わったか,を説明。
> > リポジトリの数は増え,JAIROや共同リポジトリなどの試み,リエゾンライブラ
> > リアン的考えが登場した。政府へのロビー活動、助成は結局4年経っても出てい
> > ない。
> > 「ポリシーがない」というのが日本のポリシー(ここで聴衆席より笑い)。どん
> > なコンテンツ、どんなアプローチも可。
> > CSIの助成で、図書館コミュニティーに新しいカルチャーがやってきた。(助成
> > は限定的ではあるが、あるということは大事)しかし、「OA」は未だに「外国
> > (よそ)のこと」。なんか大事そうだけど、何かすることは別に。。という感じ
> > に取れる。
>
>  今回,「機関リポジトリの構築」中心のDRFが超満員で,
> 「オープンアクセス(OA)」を取り上げた大学図書館シンポジウムが約半分
> の参加者でしたが,会場の密度的印象には「後者は前者の3割」というところでした。
> (土屋先生のコメントとなんとなく合致するような…)
>
> 2日間参加するのも大変でしょうから,どちらを選ぶか,ということで
> 「まずはDRF」という参加者が多かった,ということなんでしょうね。
>
>
> "TSUCHIDE, Ikuko" <tsuchide @ xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx> wrote:
>
> >
> > drf-MLのみなさま
> >
> > こんにちは,大阪大学の土出です。
> > やや出遅れてしまいましたが,SPARC meeting 2008 2日目(11/18)の様子につい
> > てご報告します。
>
>
> **************************************************************
> 加藤晃一@千葉大学附属図書館      kabe @ xxxxxxxxxxxxxxxx
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>        tel:043-290-2244     fax:043-290-2255
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