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[drf:774] Re: [drf:772] Re: [drf:766]Berlin6 国際会議の周辺 (SUB Goettingen)




土屋先生

津久井です。解説有難うございます。

ちなみに図書館の職員数は、約250人とのことでした。

At 02:55 08/11/21 +0900, Syun Tutiya wrote:

津久井さん、みなさん、

> ゲッティンゲン州立大学図書館のElectronic Publishing担当者に
> 伺った話の概要をご報告します。

ご苦労さまです。

ちょっとだけ、背景を解説します。「ゲッティンゲン州立大学」というのは、
英語でいうとUniversity of Goettingenです。「ゲッティンゲン州立大学図書
館」というのは、正確には、

Niedersaechsische Staats- und Universitaetsbibliothek/
Goettingen State and University Library, Germany

という不思議な組み合わせで、ニーダザクセン州の州立図書館であり、かつ、
ゲッティンゲン大学の図書館という位置づけです。ドイツ連邦共和国は、文字通
り「連邦」なので、アメリカの州よりも自律性が強いかもしれません(少くと
も現状で大統領の権限を比較するとわかると思います)。多分納本図書館なは
ずで、この州で出た本はぜんぶここにあるということになっているはずです。
したがって、日本の大学図書館との比較のときは、お気をつけください。多分
数百人の職員がいるはずです(ちゃんと調べていないので、確認してください)。

また、ここの館長の、Nobert Lossauさんは10月に日本のゲーテ・インスティ
テュートで開催されたOA関係の会合で逸見先生などといっしょに講演されています。

> 【大学を挙げてSpringerのOpen Access Choiceに合意した経緯について】
>  まずゲッティンゲン大学とSpringerの間には、大学がSpringerから数学分野の 雑誌を
> 多数出版してきたことに由来する特別なコネクションが存在していた。
>  また大学側には、数年前雑誌の購読料が値上がりし多数の購読を中止した際、
> 教員から論文が読めなくなったとのクレームが多く寄せられていたという背景 があった。
>  そこで特別なコネクションを介し両者が協議した結果、現在の購読規模を
> 維持することを条件(!)に、破格のOpen Access Feeにてゲッティンゲン大学 所属教員の
> 論文をOpen Aceessにすることが取り決められた。
> (以上Bargherさん)

この取組みは、ドイツのマックス・プランク協会電子図書館(MPDL)とオランダ
のコンソーシアムとの3箇所で行なわれています。日本からも提案したことが
ありますが、投稿⇒出版のフローと出版⇒ライセンシングのフローが社内的に
統合されていないので、手仕事になりとても大変なので、この3箇所での試行
の結果をまってほしいということでした。

>  Open Acess Feeの財源は図書館の資料購入費から支出される。
> 2008年の現時点におけるゲッティンゲン大学所属教員のSpringer誌掲載論文件数は
> 約50件で、財政上十分支払い可能である。
>  なおこのプロジェクトは2009年末まで試験的に行われるものである。
> (以上Wittさん)

本当に50件でしょうか。ちょっと少ないような気がするのですが、、、、でも
そうかしれない。しかし、50*$3000=$15,000=\1,500,000 だとすると安いもの
ですね。たしか、購読規模維持条件でSpringerLinkは全部見せることになった
はずです。

> 【ドイツ国内の出版者、学協会の公開許諾要件について】
>  ドイツ版SHERPA/RoMEO http://www.dini.de/oap/
> を使い許諾要件を確認している。これは表示言語がドイツ語になっているだけで、
> データの中身自体はU.K.のSHERPA/RoMEOと同一である。
>  以前はドイツ国内の出版者へ個別に問合せしたこともあるが、
> 最近は基本的にドイツ版RoMEOで事足りている。
> (以上Wittさん)

はい、シュトゥットガルトはバーデン・ヴュルテンブルク州ですが、ここは、
ハイデルベルクとか、チュービンゲン、フライブルク、カールスルーエとかな
どの著名大学があるからかどうか知りませんが、州立図書館を兼ねていません。
しかし、この州のコンソーシアムのとりまとめとドイツ全体に対するポータル
サービスをやっています。 http://liber.library.uu.nl/publish/issues/2006-3_4/index.html?000187
たしか、これをVASCODAとよんでいるはですが、本人たちはコンソーシアムの
名前だと考えているようでもあります。

ちなみに、ドイツのこういう分担方式は古いもので、その1970年代の調査から、
外国雑誌センター館のようなアイディアがでてきたらしいということが言われ
ています。

>  #上記ウェブページを機械翻訳にかけたところ、
>   どうもシュトゥットガルト大学図書館が
>   ドイツ版SHERPA/RoMEOをとりまとめているようです。
>   武内さんがBerlin6ポスターセッションの中で、
>   ドイツではシュトゥットガルトがSCPJ同様の活動をしているという
>   話を聞かれたそうなので、このことかな、と思いました。

したがって、SPCJ的なものをやっているというのはその脈絡で考えるとわかり
やすいと思います。

ドイツの仕組みはわかりにくいので理解するときにお気をつけください。

土屋

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津久井祐子
東京工業大学 研究情報部 情報図書館課 電子図書館グループ
Tel.03-5734-2099 / Fax.03-5734-3330
e-mail : tsukui @ xxxxxxxxxxxxxxxxxx
http://www.libra.titech.ac.jp/