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[drf:3020] オープンアクセスに関する最近の論争



皆様
さる筋から
> オープンアクセスと言えば、最近のPeter Murray-RustやAlicia Wiseが登場す
> る一連のElsevierがらみの話を誰かちゃんとフォローしてまとめを書いてほし
> いですね。
という声が届きましたので、ちゃんとしたまとめでは全然ないのですが、
話題提供ということで。

最近少し落ち着きましたが、GOALなどのオープンアクセス関係メーリングリスト
で、上記ピーター・マレー=ラストとハーナッドとの間に激しい論戦が繰り広げ
られました(ゴールデン・ウィークだというのに、、、というのは日本人の感想
ですね(^^;)。
マレー=ラストはケンブリッジ大学の研究者で、オープンアクセスと称する論文
の多くがテキストマイニングできない状態にいら立っており、単に読めるだけで
は意味がないと主張しました。
対してハーナッドは、まずはGratis OA(無料で読めるだけ)を義務付けて
100%OAを実現し、Libre OA(自由利用可能)はその後で目指そうという従来
からの持論を展開しました。
そこにJan Velteropが割って入り(?)、そもそもBOAIの定義によれば、自由
に再利用できるのがOAであり、Gratis OAなどというものはあり得ない、と
マレー=ラストに加勢します。
ハーナッドは早期に実現可能なOAはGratis OAだとし、イデオロギーではなく
現実的な運動をしようと言うのですが、マレー=ラストやフェルテロップは
ハードルを下げることがOA実現につながるのか疑問だとし、納得していません。
で、一段落ついたところで登場したのがエルゼビアのアリシア・ワイズさんで、
出版社側もできるだけ協力をしたいのでコメントをほしい、というような投稿
をしたわけです。
が、マレー=ラストは個々の出版社と大学がそれぞれ契約を結んでいる現状は
不明朗だと言うし、ハーナッドは、セルフアーカイブ義務化をしている機関の
研究者のセルフアーカイブは認めないという変な方針は即刻取り下げろと言う
し、ヤブヘビとはこのことだったのではないでしょうか。。。

GOALメーリングリストのアーカイブは下のURLで読めます。
http://mailman.ecs.soton.ac.uk/pipermail/goal/

-- 
   栗山 正光
   常磐大学人間科学部現代社会学科
   〒310-8585 水戸市見和1-430-1
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