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[drf:3776] Re: 学術雑誌投稿済の博士論文に関する質問



宮部さま
みなさま

筑波大学の真中と申します。
お答えするのに自信がなく、遅れてのコメントです。
私見です。

> ある研究科では学術雑誌へ掲載されたものを学位論文として審査するため著作権の
> 取扱に慎重になっており、最初から「全件を全文公開しない方針とする代わりに
> 抄録とDOIナンバーを併せて記載してはという意見がありました。
>
> このような方針にしようという話が出てきた事例はございますでしょうか?

こちらについてはすでに鈴木さんがお答えのように、全文公開が原則で、やむを
得ない事由を学位授与機関が認めたら全文に代えて要約を公開することができる
というのはご承知のとおりです。

ですので、最初から全件の全文公開をしないとする方針は相当な思い切りが必要
かと思います。学術雑誌のなかでもオープンアクセス誌なども入っていることも
あるでしょうし、CTAでリポジトリでの公開許諾を得ることも可能かもしれませ
んし・・・。

ちなみに、筑波大では平成24年度以前の学位論文の全文を公開しているものも
ありますが、それまで参考論文という位置づけで巻末についていた論文について
は一部
「参考論文は電子ジャーナルとして出版社から公開されています。契約している
場合は全文を読むことができます。詳しくは下記のリンク先をご覧ください。」
として、DOIをつけているケースもあります。
このやり方は元の論文の欠落を補う意味でつけたものですが、DOIがないケース
もあるでしょうし、あくまで補助的なものです。全文を公開するのとは意味が違
うかと思います。

> また、公開可否の調査が間違っていた場合に出版者からの利用に対する対価の
> 請求等が発生しないかとも心配されています。そのような話が出てきた事例は
> ありますか?博士論文に限らなくてもかまいません。

いまのところ、対価の請求というかたちは本学ではありません。
確かに公開可否の判断を間違えば、請求されることもないわけではないと思います。
なのでリポジトリ登録のときには気にしてアップロードするという習性が・・・。
学位論文に関していえば、著者が出版者と公開に関して交渉(?)するのは、ほ
かの雑誌掲載論文のときに比べてより必須の事項なのかなとも思います。

(2013/07/04 17:34), 宮部明日香 wrote:
> みなさま
>  愛媛大学図書館 宮部です。
> 
> 博士論文の公開につきまして教えて下さい。
> 
> 大学の学位規則については改定が終わり、現在各学部の研究科での規則や申請書式に
> ついて検討が行われている段階です。
> 
> ある研究科では学術雑誌へ掲載されたものを学位論文として審査するため著作権の
> 取扱に慎重になっており、最初から「全件を全文公開しない方針とする代わりに
> 抄録とDOIナンバーを併せて記載してはという意見がありました。
> 
> このような方針にしようという話が出てきた事例はございますでしょうか?
> 
> また、公開可否の調査が間違っていた場合に出版者からの利用に対する対価の
> 請求等が発生しないかとも心配されています。そのような話が出てきた事例は
> ありますか?博士論文に限らなくてもかまいません。
> 
> よろしくお願いいたします。
> 
> ---
> 愛媛大学 図書館事務課 学術情報チーム
> 宮部明日香
> tel:089-927-8841 fax:089-927-8843
-- 
真中孝行@筑波大学附属図書館  tulips-r @ xxxxxxxxxxxxxxxxxxxx
つくば市天王台1−1−1 筑波大学附属図書館 リポジトリ担当
phone:029-853-2470    fax:029-853-60522
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