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[drf:833] 北米訪問(SPARC後)の報告
- Date: Fri, 19 Dec 2008 16:21:14 +0900
DRFのみなさま
初めまして。
金沢大学の川井と申します。
大変遅くなってしまいましたが、
11月に行かせていただいた海外出張の後半について簡単にご報告します。
SPARC Meeting 後の日程(大阪大学の土出様と川井)
11/19 午前 Baltimore → Washingtonへ
11/19 午後 NLM/NIH
11/20 午前 George Mason University (Fairfax) Johnson Center Library
11/20 午後 Washington → NYへ
11/21 午後 Columbia University Butlar Library および C.V. Starr East
Asian Library 訪問
11/22-3 帰国
今回はジョージ・メイソン大学(George Mason University)訪問についての報告となります。
NIH/NLM については以前土出さんよりご報告があったと思います。
ジョージ・メイソン大学のFairfaxキャンパスにありますJohnson Center Libraryという図書館を見学しました。
Johnson Center LibraryはJohnson Centerという複合施設の中にある図書館です。ここには図書館の
ほかに映画館、フードコート、ブックストア、銀行などがあります。
【1階】
入り口を入ってすぐのところにサーキュレーションデスクがあり、
図書の貸し出しはここと、ジョンソンセンターの1階中心にあるインフォメーションデスクで行います。
ビデオ(約50,000タイトル)、LD(約4,000タイトル)、CD(約6,000タイトル)、LP(約1,000タイトル)
コア・レファレンス・コレクションなどがあり、LPプレイヤーは2台ありました。
紙媒体のレファレンス・コレクションを置いてありますがほとんど利用はなく、電子媒体の利用が多い
そうです。
レファレンスのコレクションがあるところには、Help with Researchデスクがります。
Help with Researchデスクはレファレンスカウンターと似ていますが、ここでは論文を書く技術なども教
えるそうです。
また障害者のためのテクノロジールームがあり、
JAWS:画面やウィンドウに表示されている情報、入力情報を読み取るスクリーンリーダーでWebページの
読み上げなどが可能
ZOOM TEXT:画面拡大ソフト
などが使用できるようになっています。
【2階】
カリキュラム・コレクションがあります。
センター中心から離れた建物の外側に面する一角に瞑想ルームが設けられていました。
賑やかな図書館の中でここだけは静かな空間となっています。
インストラクション・ルームは2つあります。こちらに置いてある机はデザインにこだわったそうで、
組み合わせによって様々な形になり、会議や演習など色々なイベントに対応できるようになっています。
また、コピーライトオフィサーのオフィスやエデュケーショナルサービスを行う方のオフィスがあります。
1階に一応入り口がありますが、中央吹き抜けにある螺旋階段で入口を通ることなく自由に2階や3階の図書
が置いてあるエリアへと行けるので開放的な図書館といえます。
吹き抜けに沿うようにソファが並び、学生は座って自由に談笑しています。そのすぐ横に書棚が並んで
おり、非常に活気に溢れていました。案内してくださったGeorgeさんは「ここには入り口はない。利用者
は階段を通ってここ(図書館エリア)へ来て、また階段を使って別の場所へ行くことができる」とおっしゃていました。
アドミッション・オフィスも近くにあり、大学入学を考えている高校生などはまずこのJohnson Center
を訪れることが多いそうです。
またここではコースリザーブ・サービスも行われています。
コースリザーブ対象の本は早めに目録を取っているそうです。
Johnson Center LibraryがあるFairfaxキャンパスにはこの図書館のほかに大学内で一番大きいFenwick Library
があります。こちらの図書館はいわゆる伝統的な大学図書館です。やはりJohnson Center Libraryのほうが学生に
人気かとGeorgeさんに訊ねたところ、「どちら、とは一概に言えない。静かな環境を必要としている学生は当然
Fenwick Libraryを好む。それぞれメリット、デメリットがあり学生はそれらを踏まえて図書館を選ぶことができる。
だからどちらも必要だと思う」という回答をいただきました。また、利用者のニーズを理解するために、教員や学生
と話すことが重要だと考えてい るとおっしゃっていました。
日本の大学図書館では来館者数増加のため、ラーニング・コモンズの設置などが取り上げられていますが、
ここJohnson Center Libraryは館内の一部をラーニング・コモンズとして提供するのではなく、全体を
ラーニング・コモンズとして学生に提供しているように感じました。このような複合施設型の図書館を提供することが
純粋な図書館利用者の増加につながるかはわかりませんが、少なくとも学生にとって図書館という存在が身近になる
ことは間違いないように思います。
館内の見学が終わった後、案内してくださった方たちとランチを一緒にとりました。
SPARC Digital Repositories Meeting 2008の初日最後のInnovation Fairで発表されたShane Beers氏も参加して
くださりました。ShaneさんがInnovation Fairで使われたスライドは http://sparc08.crowdvine.com/profiles/31268
から見ることができます。
ランチを取りながらShaneさんより「リポジトリに従事している職員は何人いるか」という質問がありました。
ジョージ・メイソン大学でリポジトリに従事していらっしゃるのはShaneさんお一人とのことで、 他の大学ではどうなのか
を知りたいようでした。Shaneさんは「たった一人なんだ」とおっしゃっていましたが、Shaneさんの肩書きが
「Digital Repository Service Librarian」とあるように、リポジトリ専任の職員なので、日本の大学の1人とは比較
できないかなと思います。
訪問した日はニューヨークへの移動日だったので少し慌しい訪問となってしまいましたが、みなさん親切で列車の時間に
間に合うよう案内をしていただくことができました。帰りはShaneさんにバス停まで送っていただき、無事にニューヨーク
行きの列車に間に合いました。
お世話になった方々
Mr. George D.Oberle III--Head of Johnson Center Library:案内をしてくださった方
Mr. Shane Beers--Digital Repository Service Librarian
Mr. Craig Gibson--Associate University Librarian for Research,Instructional,and Outreach Service:今回の訪問をコーディネートしてくださった方
Ms. Claudia C.Holland--Head,Copyright Resources Office
他、館内の見学中に歓迎してくださった皆さま
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川井奏美(Kanami Kawai)
情報部情報企画課コンテンツ第一係
TEL 076-264-5206,2204(内線)
e-mail:k-kawai @ xxxxxxxxxxxxxxxxxxx
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