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[drf:3859] Re: D論に含まれる投稿論文の処理
- Date: Fri, 04 Oct 2013 09:02:39 +0900
熊本大学・森下さま、首都大学東京・栗山先生、皆さま
お茶大の森です。
私は、広島大学 学術リポジトリに掲載されている、
黒澤先生の「機関リポジトリと著作権 Q&A 」をよく参照しています。
http://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/00023065
広大さんのリポジトリの黒澤先生のQ&A、うちもよく参照させて
いただいています。
ホントにありがたいですよね。
もちろん、黒澤先生のQ&Aに書いてあるからそのままOKとはしませんが、
参考にさせていただいています。(ありがたや)
「そのままOKとはしませんが」というところ、大事だと思います。
大学院生さん向けガイダンスで「著作権法で許されている引用
ルールに従えば、わざわざ著作権者への許諾は必要ない」という
説明をしたところ、その報告を聞いた指導教員の先生から「いや、
違うんじゃないか。ウチの分野ではそれは引用と見なされず、出
版社の許諾が必要というのが常識」とコメントが来たこともあり
ました。
一般論と分野毎のお作法が違うことがある、という前提が分かっ
ていないと、危ないなと思いました。
#その「お作法」がもしや誤解に基づいているのではないか、と思
#うこともあったりしますが・・・
いずれにしても、博論を必死に執筆されている方々が「トラブル
を起こしたくない」「余分な手間やお金を取られたくない」と思
われるのはすごく良くわかります。
安心していただけるようなフォローが必要だと痛感しています。
たまに「これは図書館が相談を受けられる範囲を超えている?」
ということもあったりするので、しかるべき相談窓口への橋渡し
をしたりすることも。
今は未だ、全国的に「手探り」な状態だと思うのですが、DRFの
皆さんの英知を集めて、マニュアル化できるところはマニュアル
化して労力を最小限に抑えたいですね。
どんなに頑張っても、マニュアルでは対応できないところが残る
と思うので、そこは個別にきちんとケアしてあげたい。
もちろん、「ウチの場合はオプション料金は大学が出すってことにしま
した」なんていう大学さんの事例もあれば、併せて参照したいですね。
ハーナッドが聞いたら嘆くでしょうね。
日本の場合、まさか国がオプション料金の予算をつけるということはないと
思いますが。
ハーナッドさんには怒られちゃいそうですね。^^;
国レベルではちょっとなぁと思いますが、機関レベルでは対症療法
として有効だったりしますよね。
#そして、だからダメなんだとまた怒られる・・・?
(2013/10/03 22:05), 熊大図書館 wrote:
みなさま
熊大 森下です。
熊大でもちょうど担当(私)のところに、
色々質問が届きます。
>> #FAQみたいなサイトがほしいですね。
あると大変助かります!
私は、広島大学 学術リポジトリに掲載されている、
黒澤先生の「機関リポジトリと著作権 Q&A 」をよく参照しています。
http://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/00023065
もちろん、黒澤先生のQ&Aに書いてあるからそのままOKとはしませんが、
参考にさせていただいています。(ありがたや)
うちでも、いまいろいろ事例が出てきました。
ただ、ダメと明確に見える場合以外は、本人から出版社投稿時の担当者に
尋ねてくださいと、伝えるようにしています。
例えば
査読済の原稿はリポジトリ投稿OKとなっている。
1.博士論文として作成する時に、それに一部加筆して作成した。
リポジトリに登録しても問題ないか?
2.博論のたとえば2章に投稿論文をそのまま使った場合はどうなのか
3.査読済版を大幅に書きなおしたがリポジトリに登録しても問題ないか?
→出版社・著作権者が禁止している場合はできないので、
投稿時の担当者にたずねてください
4.複数の論文をまとめて、博士論文として仕上げた場合はどうか?
→新たな著作物で、複数の論文は「引用文献」で良いと思われるが、
2.のように章にまるごと使っている場合は出版社に確認してください。
のような感じですかね。
●状況:添付のフォーム
「AMERICAN CHEMICAL SOCIETY/JOURNAL PUBLISHING AGREEMENT」に
サインして提出済み
→著者がACSのジャーナルに論文を公表する前後に作成するいかなる
論文のバージョンも、ACSに著作権が委譲されることになる。
→つまり、博論の一部に体裁を変えて用いることもできないってこと。
博論に使ってしまったら、その博論の著作権はACSに委譲されるってことですよね。
これはきついですね・・・
(2013/10/03 21:00), Izumi Mori wrote:
山地先生、皆さま
お茶大の森です。
> JCな皆さま、このようのDRFはこわいオジサンの集まりではなくて、
> やわらかいコミュニケーションの場ですから、気後れせず使って下さい。
JAIRO Cloudユーザの皆さまも、そうでない皆さまも、そのとおり
ですよ~!こわそうに見えるかもしれないけど、コワくないですから。
ぜひ疑問・質問、投げてくださいね!
>> #FAQみたいなサイトがほしいですね。
このことについて、ちょっとメンドクサイ長文のポストをします。
先日、私自身、ACS(American Chemical Society)のOAポリシーについて
質問を受けて、悩みました。
博論の著者ではなく、その指導教員の先生から「添付のフォームを出版社
に提出済みなんだけどその場合はどうなるのか」という質問があったのです。
私事ですが、三重大時代には実務担当者をしていました。
昔とった杵柄とばかりに「まずはSHERPA/RoMEOを検索するのがセオリー」
と思ってと着手したのですが、やはり一つ一つ読み解いていくのは大変な
作業でした。
※SHERPA/RoMEO
海外出版社のジャーナルの著作権とセルフアーカイブに関するデータベース
http://www.sherpa.ac.uk/romeo/
●状況:添付のフォーム
「AMERICAN CHEMICAL SOCIETY/JOURNAL PUBLISHING AGREEMENT」に
サインして提出済み
→著者がACSのジャーナルに論文を公表する前後に作成するいかなる
論文のバージョンも、ACSに著作権が委譲されることになる。
→つまり、博論の一部に体裁を変えて用いることもできないってこと。
●SHERPA/RoMEOによると、ACSの著作権・セルフアーカイブポリシーは、
”White:アーカイブは公式にはサポートされていない”
http://www.sherpa.ac.uk/romeo/search.php?id=4&fIDnum=|&mode=simple&la=en
●著者が、別途論文をオープンアクセスにするための別料金を支払う
「AutheorChoice」という仕組みもある。
http://pubs.acs.org/userimages/ContentEditor/1218220609981/authorchoice_form.pdf
**Select Appropriate Fee:
ACS Members Enjoy
Substantial Discounts
☐ $3000 Base Fee for Standard ACS AuthorChoice
☐ $2000 Affiliated with a subscribing institution (33% discount)
☐ $1500 ACS Member but not affiliated with a subscribing institution
(50% discount)
→このオプションのうち、ウチはACSの購読機関なので2つ目に相当する
んだけれど、実際問題博論の著者に$2000払ってくださいと強制はでき
ないよなぁ・・・。
ということで、先生への回答としては、上記の事実を伝えたうえで、現実
問題「やむをえない事由がある」として、「要約」を公表することになる
と思います、と回答しました。
一度このプロセスを確認すれば、ACSがからんだ時点で調査するまでもなく
「やむをえない事由」とする、というルーチンにできると思います。
ということで、担当者の情報共有としては、「SHERPA/RoMEOを検索してみ
ましょう」というノウハウだけでなく、もう一歩「実際問題こうなります」
というところまでつっこんだ情報共有をしたいわけなんです。
もちろん、「ウチの場合はオプション料金は大学が出すってことにしま
した」なんていう大学さんの事例もあれば、併せて参照したいですね。
(2013/10/03 20:25), yamaji @ xxxxxxxxx wrote:
やまじです。
** On Thu, 03 Oct 2013 19:45:17 +0900
** Izumi Mori <mori.izumi @ xxxxxxxxxx> writes:
お茶の水女子大学附属図書館の森いづみです。
情報ありがとうござます。大変勉強になります。
JCな皆さま、このようのDRFはこわいオジサンの集まりではなくて、
やわらかいコミュニケーションの場ですから、気後れせず使って下さい。
#FAQみたいなサイトがほしいですね。
今回いづみ姐さんから頂いた情報も、
http://drf.lib.hokudai.ac.jp/drf/index.php?ETD2013
のFAQに加えて頂けるとありがたいのですが、
サイトの管理者の方、お願いできますでしょうか?
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月刊DRF http://drf.lib.hokudai.ac.jp/gekkandrf/
2013年10月号(45号)を発行しました!
DRF(Digital Repository Federation)
http://drf.lib.hokudai.ac.jp/drf/
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お茶の水女子大学附属図書館
学術・情報機構 図書・情報チームリーダー
森 いづみ
電話:03-5978-5833 FAX:03-5978-5849
Email:mori.izumi @ xxxxxxxxxx
Webサイト:http://www.lib.ocha.ac.jp/
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