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[drf:2623] Re: 書籍のカバー、帯の扱いをどうするか
- Date: Tue, 30 Aug 2011 02:22:36 +0900 (JST)
山本さん、
> 土屋先生ご指摘の「図書館にないもののほうが多い」のは、
> 電子化以前からそうであり、何も変わってはいないと思います。
> 今後、図書館が電子化にうまく対応することで、
> 「図書館にないもの (主に現在、流動的、個人的)」と「図書館にあるもの
> (主に過去、固定的、集団による評価済み)」がシームレスに利用できるように
> なると良いのではないでしょうか。
図書館にないものが多いのは昔からのことですが、アマゾンで見つかるけど図
書館にはないもののように、あることはわかるけど図書館にないということが
わかるのが以前より容易になっています。昔は、引用とか、紹介されてとかで、
文献の存在を知ったわけですが、今はGoogleで存在がすぐにわかってしましい
ます。昔(ぼくの場合は70年代、当然NACSIS-CATはない)は、存在を知ると、
Books in Printを見に行って買うという行動をとっていたのですが、考えてみ
れば"in print"のものしか載っていなかったわけですね。したがって、利用者
からみると「何も変わってはいない」というわけではありません。
また、
図書館にないもの=主に現在、流動的、個人的
図書館にあるもの=主に過去、固定的、集団による評価済み
というのはちょっと信じられません。図書館にあるべきでありながらないもの
やたらに多いと思います。少くとも日本の図書館に関するかぎり、図書館にあ
るものについて、「集団による評価済み」というは言い過ぎでしょう。予算の
ある先生がたまたま自費で買うこともないので、校費で買ったという程度では?
> 例えば何かを調べていて、そのことに詳しい誰かとコンタクトを取れるなら
> 「それを知りたければ、これを見ろ」とかピンポイントで進展が得られます。
> 一方、図書館に頼ってみても今はブラウジングして探すぐらいしか手段がなくて、
> (残念ながらそれを喜んでいる利用者は多い)、やはりメタデータが足りないのかな、
> という気もします。
いやいや、メタデータなんてなんの助けにもならないのですよ。本文こそが最
良のメタデータです。
> 図書館は、誰か知っている人に直接聞けるという個人的な僥倖を普遍化することで、
> 時空の制約を超えた情報入手を成立させるための装置としての従来からの機能を
> さらに洗練させる必要があると思います。
「誰か知っている人に直接聞けるという個人的な僥倖を普遍化することで、時
空の制約を超えた情報入手を成立」するというのは、「本が買ってある」とい
うことですよね。本=知っている人が書いたものですから。申し上げたかった
のは、買わなかった本へのアクセスを保証するのがこれからの重要な機能とな
るべきであり、それは、潜在的にすべての本へのアクセスを保証することにな
るわけで、それは結局、図書館ではなく、インターネットの世界にしか存在し
得ないということだろうと思います。
> どうすれば良いのか判りませんが、
> メタデータは、情報の生産者や探索者自身が自分用のメタデータを付け加え、
> それを共有蓄積していくことでかろうじて、後から似たような探索者が来たときに
> 役立つ可能性が出てくるのでは。
> そう考えると、カバーや帯もメタデータの情報源には成り得るのでは。
まあ、まったく役に立たないということはないと思いますし、「本文こそ最良
のメタデータ」主義に立てば、カバーや帯だって本文の一部にすぎないからこ
そ重要だとも言えるわけです。
土屋
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