DRFのみなさま 北海道大学附属図書館情報システム課の城と申します。 初投稿です。どうぞよろしくお願いいたします。 このたび機会をいただき、2008年12月8日〜14日の間、 当館の情報サービス課の東とカリフォルニア大学を訪問し、 聞き取り調査を行いましたので、簡単にご報告させていただきます。 《調査テーマ》 ■eScholarship Repository ■BRII ( Berkeley Research Impact Initiative) ■UC と Springer とのOA特典付きEJ契約 *上記三点をメインにUC Davis, UC Berkeleyおよび UCLAにて聞き取り調査 【お話を伺った方々】 UC Davis: Gail Yokote UC Berkeley: Beth Weil UCLA: Angela Riggio, Bonnie Tijerina *CDL(California Digital Library)に文書で質問 Catherine Mitchell(eScholarship Publishing GroupのDirector)より eScholarship Repositoryの現況、プロモーション活動、 機関リポジトリ全体に対する意見などについて回答をいただきました。 原文を添付いたします。 *なお、24日に今回の出張報告を北大で行う予定です。 その発表用レジュメも参考までに添付いたします。 -- ここから ---- ■eScholarship Repository(UCの機関リポジトリ+電子出版プラットフォーム) http://repositories.cdlib.org/escholarship/ *コンテンツについて ・内訳は以下のとおり。 Postprints (previously published articles): 11% eScholarship journal articles (published first in eScholarship): 9% Monographs (UC Press titles - to be included in new interface August 2009): 7% Other(working papers, preprints, field notes, seminar series, etc.): 73% ・コンテンツはフルテキストのみ。メタデータは受け付けない。 ・学位論文は未収録。来年度から登録作業に着手していきたいとのこと。 *スタッフ体制について ・CDLの担当スタッフは7名(Director、プロモーション担当、システム担当、Web管理担当など) ・10キャンパスでは非専任で数人ずつ担当者がいる。 ・キャンパス図書館職員の仕事はプロモーション、研究者とのコンタクト。 ・サブジェクト・ライブラリアンとの協力体制があり、コンタクトする研究者を新規開拓している。 ・キャンパスの中ではUCLAが一番積極的に活動している。(とUCLAスタッフが言っていました) ・CDLでは、研究者との接点となるOperations Coordinator、IRとユーザーを繋ぎ サービスの結果をフィードバックするOutreach and Marketing Coordinatorを新規雇用。 ・コンテンツ管理はソフトウェアのベンダーであるBerkeley Electronic Pressのスタッフで行っている。 *Depositするのは誰か ・基本的に研究者のセルフアーカイビング。 ・また学部や研究所、研究ユニットなどの単位でもDeposit権限がある。 *プロモーションとコンテンツ拡充について ・「リポジトリ」としてよりも「新たな出版サービスモデル」としての面を 強調する方向に流れつつある。 ・研究者と直接コンタクトを取ること、特にサブジェクト・ライブラリアンから 研究者に働き掛けていくのが効果的。 ・サブジェクト・ライブラリアンのIRに対する理解を高める必要がある。 ■BRII ( Berkeley Research Impact Initiative) (バークレイ校の研究者が論文をOA化する際の費用を助成するプロジェクト。 UC Berkeleyのみで実施。2008.1-2009.6までの期間限定の試験的プロジェクト) http://www.lib.berkeley.edu/brii/ ・専任スタッフはいない。図書館員を含むバークレイ校の構成員の中からAdministrator, Webデザイナー、コーディネーター、会計担当などをその都度選出。流動的人事。 ・予算は45,000ドル。2008年12月の時点でこの半分を消化 ・予算は図書館と研究担当学長予算から拠出 ・これまで合計で30人がBRIIを利用 ・申請者の内訳:教員51%、院生19%、ポスドク23%、その他7% ・OA誌への投稿料を補填:非OA誌への投稿論文をOA化する費用を負担=45%:55% ・基本的に自力でOA化できる予算がある研究者の申請は受け入れない ・研究者からの反応は良好 ・研究者へのOA普及のよい機会となっている ・BRIIはCDLから独立したUC Berkeleyのみのプロジェクト ・UCの他キャンパスに同様の試みが広がる可能性はないとは言えないが、予算の面で問題がある。 ・ハーバード大、ケンブリッジ大でも同様のプロジェクトを検討中らしい。 ■UC と Springer とのOA特典付き契約 http://golem.ph.utexas.edu/category/2008/10/open_access_at_the_university_1.html ・2008年度からの3年間は2007年度の額と同じ固定契約額を毎年支払う ・2008年度11月以降、Springerから出版される雑誌にUCの構成員が論文を投稿した場合、 個々の論文をOAにするかどうかの選択権が著者に与えられる ・自動的にOAになるわけではない ・一部研究者かららは好意的な反応。ただしまだ新しい契約スタイルであり、 大部分のUC研究者には浸透していないとのこと ・契約額が固定される前の2006年度と2007年度では契約額4〜5%の増 ・2011年度以降のSpringerとの契約は未定 -- ここまで ---- --- 北海道大学附属図書館情報システム課 目録担当:城 TEL: 011-706-4100 FAX: 011-706-4099 E-mail: k-hama @ xxxxxxxxxxxxxxxxx
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Catherine Mitchell氏より回答.docx
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報告会レジュメ(城).pptx
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