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[drf:3109] finch reportについて



drfの皆様

 筑波大の内島です。

 最近、Finch reportという報告書が刊行されて、ちょっとした話題をよんでいます。
このレポートはExecutive Summary(だけ)を読んで極めて雑駁に言うと、以下を推奨し
ています。(推奨を網羅しているわけではありませんので注意)

(1)学術出版はOA出版モデルに移行すべきで、完全OA及びハイブリッドモデル
   のためのさらなるコストをイギリスは用意すべきだ(移行期を含めて)
(2)IRは、データや灰色文献やデジタル保存のために役に立つ(だけ)ので発展さ
   せるべき(JISCのこれまでのIR助成によるOA路線を全否定するような内容)

 いわば、ゴールドOAによる出版改革をOAとし、IRはごく副次的な役割をもつものとし
てグリーンOAを脱落させる内容のようです。

 FINCH Report  :  http://www.researchinfonet.org/publish/finch/
  (だれかに概要だけでも翻訳してもらえるとうれしい、、、)

  これに対して、UCL(University College London)図書館長のポール・エイリス氏
が対置しているのが、ヨーロッパ研究大学連合の下記報告です。こちらはグリーン
OAを重要な路線として描いているようです。

  The LERU Roadmap towards Open Access :

  http://www.leru.org/files/publications/LERU_AP8_Open_Access.pdf
  
 IRの灰色文献等に特化した役割とか、OAジャーナルの推奨など、最近のトレンド
を反映しているようにも見え、特にIRに関しては、紀要(という灰色文献)が主流と
なりつつある(100万件達成とはいえ)我が国のことを考えると人ごとではないように
も思えます。

 
 
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