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[drf:2897] Re: [lib-is:12518] Re: 話題提供: Elsevier publish Boycott



みなさま

いつもお世話になっております。
奈良先端大の近藤です。こんにちは。

先週から話題になっておりました、「Mysteries of the Elsevier Boycott」
の後半、Rick Andersonさんがエルゼビアに対するボイコットに異議を
唱える部分を訳してみました。
http://scholarlykitchen.sspnet.org/2012/02/02/mysteries-of-the-elsevier-boycott/

こちらの訳は、[drf:2881] 海外情報を私たちと一緒にウォッチして
みませんか?に申し込み、国際WGの添削サービスを受けました!
添削してくださったみなさま、感謝いたします。
迷っておられる方、一緒にやりませんか?

普段は見ようとしない英語を頑張って訳してみたので、ぜひご一読くださいませ^^

ここから
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しかし私は「ちょっと待て。なぜElsevierはこのボイコットの特定の対象になる
のだろうか。」と考えなおした。もう一度、3つの非難してい る点を見てみよう。

1.彼らは高い値段を課す。うん、そうだな。しかし特に自然科学の、他のかなり
多数の出版社もそうやっている。しかも、そのなかには非営利出版団 体すら含
まれている。

2.彼らは、抱き合わせのジャーナルを買うように図書館に強要し、それによって
欲しい雑誌を買うために、いらない雑誌を買わせようとする。これは 単純に
言って事実ではない。一般的にElsevierの名前がビッグディールの概念と結び付
けられているが、(ばからしくブランドづけられた) 「Freedom Collection」
という、大きく、最もよく知られたビックディールパッケージは、特定のジャー
ナルにアクセスするためにビッグディールを購入するこ とを、Elsevierが図書
館に強要しているわけではない。Elsevierの雑誌は、すべて個々の契約で利用で
きる。もし「強制力」があると したら、ビックディールの下では個々のタイト
ルの単価が非常に低いため、図書館員がそれに入ることを強制されているように
感じるからだろう。で も、ボイコット参加者はElsevierの何か違うものを非難
している。ボイコットの宣言は、特定のジャーナルにアクセスするために、抱き
合わせ のジャーナルの購入を<実際に強要した>と非難している。それは誤りだ。

3.Elsevierは、SOPA、PIPAおよびthe Research Works Actのような対策を支援し
ている。言うとおりだ。最初に非難されたようにこれは正しい。しかしまた、な
ぜElsevierだけが非難されるのか。この WEBサイト
(http://theoriesofconspiracy.com/2011/11/list-of-major- companies-
supporting-sopa.htm)によれば、SOPAとPIPAは、John Wiley & Sons、
Macmillan、HarperCollinsおよびCengage Learning(以前はThomson Learningと
して知られていた)のような著名な出版者を含む350以上の会社に正式に支援され
ている。なぜ彼らは同じようにボイコットされないの か。

Elsevierはその有名さのせいと、学術コミュニケーションの消費者サイドにおい
て、「Elsevier」の語は「にっくき大出版社」の代名 詞のようになってしまっ
ているせいで、標的とされているのではないかと私は思う。しかしながら、
Elsevierがボイコットから逃れるために何 をしなければならないか、というこ
とが全く明らかではないという事実はもっと気になる。価格を下げる?(そうで
あれば、どれぐらい?)SOPAと PIPAとRWAへの反対を公言する?個々のジャーナ
ルの購読の有用性を認める?これらのことをすれば、ボイコットが中止されるの
だろうか。

誤解しないでほしい。私はElsevierや、その戦略を擁護しているのではない。私
は、何らかのビジネスのやり方に反対することは、完全に理解 できるし、しば
しば同意もする。また、あなたが特定の出版社の行為に反対するのであれば、そ
のジャーナルにコンテンツまたはサービスの供給を拒絶 することは、全く正当
な抗議の手段だ。しかし、あなたが他の出版社にはしないが、1出版社の大規模
ボイコットを組織するのであれば、事実であるこ と(上記・非難2以外の
点)、およびその出版社だけに該当する事項(非難1と3以外の点)に対するも
のであるべきではないだろうか。





(2012/02/04 17:05), Syun Tutiya wrote:
> 栗山さん、
>
>>> ということで、ぼくは、このボイコットはまったく意味も意義もないものだと
>>> 思います。むしろ、「こんなボイコット署名なんてやっていて、本当に学術コ
>>> ミュニケーションの改革になるのでしょうか」と問いかけるべきなのではない
>>> でしょうか。唯一意義があるとすれば、研究者は所詮こういう発想しかできな
>>> い人々なのだということをより多くの人に知らしめたということに尽きるのだ
>>> と思います。
>> 私はさすがにそこまで言い切る勇気はありません(^^;)。
>> しかし、エルゼビア社をスケープゴートに仕立てて
>> うっぷん晴らしをしても何も解決しないことは確か
>> ですよね。
> そのとおりで、Elsevierをボイコットするならば、他の大方の雑誌について投
> 稿も、査読もしないというボイコットをしない、つまり実質的に論文を書かな
> いというボイコットをするというおとならば有効性があると思いますが、それ
> ができるかということです。
>
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