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[drf:4378] Re: 機関リポジトリと研究データ保管先



恒松さん、みなさま、

> Mendleyはともかく、
> 信頼できるサービスに長期保存などの定型的な業務を任せてしまえば、
> 図書館は​スタッフの時間やリポジトリー費用を節約できる、というのは一理ありますね。
> 機関リポジトリーは、当該機関が産出する学術コンテンツの第一義的なリポジトリーですから、
> そこにリソースを集中するのが得策でしょう?

日本では、とりあえずはJAIRO Cloudに移行するということで共有による資源
の節約が可能になっているわけです。

> 論文のオープンアクセスの場合も、著者最終稿を機関リポジトリーに搭載するのではなく、
> メタデータだけを持つ方が、合理的だろうと思います。

「著者最終稿」というのは妥協の産物なので、Version of recordを機関リポ
ジトリーに搭載するのが筋だと思います。メタデータだけですと、「学術コン
テンツの第一義的なリポジトリー」という趣旨と矛盾すると思います。機関リ
ポジトリにはAuthor's Versionしか置けないというのは自明の前提ではありま
せん。

> もし著者最終稿を持つのであれば、オープンアクセスを積極的に活用するようなサービスを
> 考えないと、コストを回収できないのではないかと思います。

当然のことで、「著者最終稿」なんかに客がつくということ自体が想像を絶す
る発想です。

> たとえば、悪名高いエルゼビアの場合でも、著者最終稿を出版受理と同時に
> 一定の条件つきで、機関リポジトリーでアクセス可能にすることを認めています。
> アクセスを著者が勤務する大学教員・学生に限定する
> あるいは、
> 著者が属する研究部会や研究室の連合体に限定する
> といったアクセス制御が必要になりますが、最新の研究成果を共有できる価値は大きいのではないでしょうか?

おそらくその価値はないでしょう。自大学では他に同じ分野の人はあまり多く
なく、同じ分野の人は知り合いでしょうから、共有はすでにされていると考え
られます。同じ研究者仲間ということであれば、やはり共有はすでにされてい
ると考えられますから、知らない人が利用できるオープンアクセスでないと意
味がないでしょう。

ゴールド・オープン・アクセスの現実味がでてきてから、グリーンのほうが、
「著者最終稿」をはじめとする巧妙なフィクションの上に作られた虚構的理論
であるような気がしてならなくなってきました。

土屋
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