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[drf:3042] COAR年次集会・総会に行ってきました



 
DRF-MLのみなさま,
 
こんにちは,大阪大学の土出です。
5月21-22日,COAR(オープンアクセスリポジトリ連合)の
第3回年次集会・総会がスウェーデンのウプサラ大で開催されました。
# 今回(から?)はAnnual Meeting の中にGeneral Assembly が
# 組み込まれた形です。
 
DRFから北大の城さんと阪大土出,NIIから武田先生が参加しました。
 
プログラムは以下です。
http://www.coar-repositories.org/about-coar/organistation/general-assembly-2012/program/
 
スウェーデンのDiVA(30大学の共同リポジトリでウプサラ大がホスト),
スウェーデン王立図書館が進めている国内オープンアクセスプログラム
openaccess.se」,
中国からCAS(中国科学院)の取り組みを報告する基調講演,
ヨーロッパのDRIVER→OpenAIREプロジェクトなど,たくさん
の現状報告がありました。
インドからはSkype中継での報告でした。
日本の状況は武田先生から。多くの質問が寄せられました。
ポスターセッションもあり,10の組織やプロジェクトが出展。DRFも出展し
ました。
 
また,現在COARには3つのワーキンググループがあり
http://www.coar-repositories.org/working-groups/
各グループの2012-14年活動計画を策定する会議も行われました。
 
ワークショップやWG会議で話をして分かったことは,かなり日本との共通の
問題意識があることです。
 
ひとつには研究業績との連携です。ヨーロッパでは「CRIS System」(製品
名)という研究業績要覧システムがメジャーらしく,そこと連携していかに研究業績
(research output / research results)を見せるかという話をよくしていました。
 
スウェーデンのDiVAも本文が全部OAなわけではなく,文献書誌データをコンプ
リートする方が目的のようです。研究業績DB的なものとリポジトリとのデータを
あわせている模様です。
 
研究業績については,助成研究とmandateの話もありました。
論文をOAにすることが研究者の業績の中で特に積極的に評価されるしくみが
ない,ポスト取得などに何の影響も与えない,そこに影響するのは専ら雑誌の
インパクトファクターである,そこにOAをどうかませるのか。
 
この課題は当分続くテーマになりそうです。
結局のところ,個々の先生方との対話を通じて,OAの意味,学術情報の流通
の形について一緒に取り組んで行くしかないと思うのです。
 
統計や,相互運用性の問題など,システムの話なども。統計については日本の
報告で武田先生がROATを紹介され,それに関する質問も結構もらいました。
(皆まじめにROATにデータ登録するの?強制力があるの?とかも^^)
南米やインド,中国などは,国・地域レベルでOAに取り組み,国全体での研究
業績のプレゼンスを高めていきたいようで,気合いがだいぶ違いました。
その気合いや制度はいろいろ進めているようですが,リポジトリ担当者同士のコ
ミュニティやネットワークといった,根本で支える人のつながりはまだ薄いようで
す。
 
COARのような組織は世界中他にもなく,世界のオープンアクセスとリポジトリの
現況を知る(また日本からも発信できる)貴重な場と感じました。
 
会議の場所は大学図書館の中の,書庫の奥のホール(!)で,普通に貴重書ク
ラスの図書が並んでいる中で,ちょっとびっくりしましたがテンションあがります。
次号月刊DRFにもレポートが掲載される予定です。よければご覧ください。
(写真もあるはず)
 

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 2012年4月,生命科学図書館は
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土出郁子 (TSUCHIDE, Ikuko)
tsuchide @ xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx

大阪大学附属図書館
生命科学図書館 フロアサービス主担当
 
 

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