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[drf:3782] Re: 学術雑誌投稿済の博士論文に関する質問



守本さん、

(前略)
> 博士論文はこれから投稿されるものばかりでしょうから,公開義務をうまく使え
> ば,OAを推し進めることがしやすいのではないかと思います。
(後略)

今、このリストで問題になっているのは、よく医学部にあるタイプの学位審査
で、ともかく、どこかに掲載された論文を、共著者からの了承をとってあると
いう文書をつけて、自分の学位論文とし研究科に提出するというタイプのもの
です。あれっ、それじゃ、学位論文を書いていないじゃないかなんて言っては
いけません。たとえば、旭川医科大学では、「旭川医科大学大学院規程関係了
解事項」において、「旭川医科大学学位規程第11条(学位論文の公表)」関係の
了解事項として

        5.学位規程第4条第3項の規定により申請する博士論文は,既に学会
        誌等に印刷公表されているか,印刷公表されていない場合は,学会誌
        等に投稿して掲載の許可が得られたものに限る。
        なお,申請時には印刷公表されている学会誌等の写し,又は掲載許可
        書を添付するものとする。

としています。規則でこうなっている以上は、既に印刷公表されているものを
提出するしかないのですので、「博士論文はこれから投稿されるものばかり」
とはいえないのです(もちろん釈然としませんが)。たまたま一番北、「あ」で
はじまるので旭川を例としましたが、医学部については同様の規定を設けてい
るところは非常に多いように思います。

ただし、この場合について今回の学位規則改訂にともなう対応は楽で、

        1. Greenジャーナルであれば、なんらかの形で機関リポジトリから公
           表されるので、文部科学省解釈によっても公表ずみとなるります
           から、あえて博士論文として機関リポジトリに登載する必要はな
           い。
        2. Green ジャーナルでなければ、権利関係からやむを得ないので、
           要約の公表を行なう。しかし、アブストラクトはすでにメタデー
           タの一部になって公表ずみなので、それをコピーすればよい。
        3. OAジャーナルについては、機関リポジトリからの公表ではないの
           で、そのジャーナルの刊行者に連絡をとり、さらにOAにしたいと
           主張して許諾をもらって、機関リポジトリに登載する。

という手順でよいのではないかと思います。3.を冗談だと思うかたもいらっしゃ
ると思います。もちろん冗談です。でもどうするのでしょうかね。

土屋
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