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[drf:1427] Re: DRFIC2009開催報告(B



核融合研の力石です。

まずは、このような会合を運営された
実行委員会のみなさまにお礼申し上げます。

感じたことなどをパラパラかかせていただきます。

1. リポジトリの義務化
うちのようなプロジェクト研究をやってるところだと、
大きな金額をまとめて使ってるんだから、成果を公表するのはあたりまえ、という
ながれがあり、「義務化」という話はやっぱりありまして、担当スタッフの立場では
あまり違和感ないんです。
が、やっぱり研究者の中にも温度差があって、
「論文発表で報告の責務は終わっている。それ以上の労力を掛ける必要は無い。
その労力は次の研究に使われるべきである。」という意見も聞こえてきます。
#研究者の立場で言えば、この意見に賛同したいところではあります。

2. 実験からData scienceへ
これは、注意して行う必要がある、というのがプロジェクト研究に絡んでいる
立場からの感想です。
データをみんなでよってたかっていろんな立場から見てみる、というのに異論は
ないのですが、そのデータを出すために払われたコスト(研究者の労力を含む)が
ある、というのを忘れないようにする必要があります。
例えば、大きな実験装置を扱うプロジェクト研究では、新しい観測装置の開発や
装置を安定して稼働させるのにも結構な労力とコストを必要とします。
もちろん、コスト労力をかけて出たデータなので、多くの人に有効利用して欲しい、
ってのはありますが、無節操にやられるとかなわない、というところです。
(場合によっては、機器の運転、一次データの処理にかかりっきりになることもある。
その間に第三者がそのデータを使って論文発表されたらたまったものでは無い。)
そこから出てくるデータを広く公開して使う際には、
・得られたデータに関して、優先利用を設定する。
・機器の運転なども一定の業績として認める(現在、これはほとんどなされていない。)
といった節度あるデータ利用のためのルール作りも同時にする必要があります。
#核融合研で成果発表する際にプロジェクト内での合意をとる、といのには
 こういう機器の開発運用者に対する一定の保護、という意味合いもあります。
  (これとは別にデータ利用にかんして一定の保護期間を設ける、というルールもあります。)

3. 研究ツールとしてのリポジトリ
リポジトリの中に、個人の作業領域を設けて、そこで論文の執筆などを行う、という
グループウエアの機能を持たせる。
DRFIC2008でも類似の発表がありましたが、研究の一連の流れの中にシステムを
組み込んでしまう(いやが応でもシステムを使うように仕向ける)というのは
手かもしれません。(もっともそのためには、システムの設計開発に相応のコストを
かける必要が出てくるでしょうが。)
#実は、うちで運用している論文情報システム(NAIS)は、この
 「一連の作業の中に、システムを埋め込んでしまう。」という考えを
 (結果としてだったか、狙ってだったか覚えていませんが)取り入れています。
もっとも、こういうことを実現するには、研究者をとりこむ必要がありますが。

以上、取りまとめなく感想まで。
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  力石 浩孝  Email:hchikara @ xxxxxxxxxx
   核融合科学研究所 【509-5292 岐阜県土岐市下石322-6】
   Tel: 0572-58-2130  Fax: 0572-58-2616
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         ―世界とアジアへの視点から―」
    12月3日(木)〜4日(金)東京工業大学蔵前会館にて
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