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[drf:3830] Re: Fwd: [sparc-oaforum] Cameron Neylon on the state of Open Access: Where are we, what still needs to be done?



みなさま

 修正です。 SUPC=Southern Universities Purchasing Consortiaでした。 内島


2013年9月5日 14:05 内島秀樹 <huchijima @ xxxxxxxxx>:
土屋先生 みなさま

 GOLD OA Journal( APC), Big Dealによるアクセス、電子ブックのコンソーシアム
モデルなど、コンテンツの電子化と、賢い市場戦略が図書館の機能の再考を求めて
いるのは確かですね。

 また、キャメロンの(競争)市場の創造というのもSPARCのcreate change(2000年
前後のOA運動の前のアドボカシー「標語」)と同じ発想です。

 ところで、土屋先生がおっしゃっているProquestとSUPCのアグリーメント締結につい
ては例えば、以下でご覧になれます。

 http://www.telegraphindia.com/pressrelease/prnw/en73815.html 

 SUPCって巨大なコンソーシアムですね。どういう交渉をして、どの程度の価格で、
どういう利用が許諾されているのか興味深いところです。

 なお、SUPC=The Southern Universities Purchase Consortiaとのこと。


2013年9月5日 11:34 Syun Tutiya <tutiya @ xxxxxxxxxx>:

内島さん、

> 内島です。Richard PoynderのブログのOAシリーズに、PLoSのDirectorのナイ
> ロン・キャメロン(イギリスの人)のインタビューが載りました。今後、下
> 記に仮訳した点は、図書館にとっても大きな論点になるような気がします。
> 図書館がAPCに介入した方がいいのか、研究者に任せた方がいいのか。まあ、
> 少なくとも、各雑誌(各出版社)のAPC価格の比較表みたいなものは誰か(図
> 書館?)が提供しないといけないような気はしますし、イギリスのように
> APC予算をブロックで各大学に配ると、今と同じように研究者の雑誌予算に対
> する無感覚(モラルハザード)を呼びこむように感じます。

ご指摘のとおり重要な論点であり、ちゃんと検討しておかないといけないこと
です。そのためにも、あえて、Neylonさんの論点について気になることをあげ
ておくとすると、

1) 「代替的な財による市場の創造」という話は、いつか来た道だと思います。
   すなわち、SPARCが1998年に創設されたときにも、プリントでこのような話
   が出て、いくつかの雑誌が創刊されました。その帰結はご存じのように、創
   刊された雑誌もまた既成の市場のプレイヤーとして購読、キャンセルのゲー
   ムの対象となったわけです。したがって、「市場を作る」というのは、
   「パラダイムを変換する」という言い草と同じで、運動によってどうにか
   なるというものではないのだろうと思います。アングロサクソンの方々は、
   市場信仰が強く、それならば当然、市場の自律性を認めざるを得ないわけ
   ですが、そのくせ、今の自分に都合が悪い状況が生じると新しい市場を
   「作ろう」としたりするという、市場が恣意的に操作できるというような
   発想に移行するという特徴があるように見えます。

2) 同様に、いわゆる(コンソーシアムを基礎とする)ビッグ・ディールというも
   のにしても、別に悪魔の邪悪な差し金によるものではなく、出版者と図書館
   とが市場の論理の帰結として選択し、利用者の利便性の増大という理屈を
   つけたものだろうと思います。したがって、市場の自律性、優越性を尊重
   するならば、ビッグ・ディール的な行動が(この市場では)生産者にとって
   も、消費者にとっても自然であることを否定することはできず、運動によっ
   て変更することはできないのだと思うしかないと思います。その意味で、
   ぼくは、昨日、報道のあったProQuestとSUPCとの「ビッグ・ディール」を
   ひとつの重要な兆候として理解すべきだと考えます。つまり、お買い物ゲー
   ムをするときには、買うものが図書であったとしても「図書館」は不要だ
   ということです。

土屋


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