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[drf:2966] Re: 公共利用か研究利用か
- Date: Tue, 10 Apr 2012 08:10:11 +0900
土屋先生、栗山先生
基本的に機関についても、研究者についてもインセンティブについてはまった
く同意です。その上で、もう少し確認させてください。
>>> Sun, 08 Apr 2012 18:40:46 +0900 (JST) の刻に
>>> tutiya @ xxxxxxxxxx(Syun Tutiya) 氏曰く
>
> たしかに、Lynchの2003年の定義では、機関リポジトリは大学による構成員へ
> のサービスであるとなっていますので、そのサービスによって大学機関がも
> とをとれたと思えばいいわけです。したがって、これをもって、たとえば社
> 会的説明責任が(少なめのコストで)はたせたと考えれば、ある意味では十分
> でしょう。
ということは、「機関リポジトリはオープンアクセスの実現の一つの手段」で
はなく、「たまたま別目的で設置されたものがオープンアクセスの助けになる
(かもしれない)」ということですかね。なんか変な感じです。
いや、違いますね。社会的説明責任のほうは、「リサーチアクセス」と対比さ
せたときの「オープンアクセス」を確保するためにあるということですかね。
つまり、
社会的責任=>誰もがアクセスできる
ということですね。では、機関リポジトリが「リサーチアクセス」に役にたっ
ているか、というと、
>>> Mon, 09 Apr 2012 14:16:36 +0900 の刻に
>>> mtkuri @ xxxxxxxxxxxx(Masamitsu Kuriyama) 氏曰く
>
> 雑誌を購読できない研究者にも自分の論文を読んでもらえ、インパクト
> もあがる(この点は議論あり)というのでは、大方の研究者は自発的に
> 動かないということは、はっきりしたわけです。
ここにあるように、研究者はそう思っていないということですよね。
> で、一般市民にもアクセスしてもらえる、というのがそれを上回るイン
> センティブになるかというと、きわめて難しいと言わざるを得ないので
> はないでしょうか。
いやー、ほんとそうですよね。
#リポジトリを設置する機関のインセンティブにはなるかもしれませんが
> 理屈から言うと、やはり研究利用、広い意味での研究者のためのOAと
> いう方が現実的なように思うのですが、いかがでしょう?
OA が「機関リポジトリによる」ということであれば、ここはそうは思わないで
す。もっというと、機関リポジトリはリサーチアクセスの邪魔をするかも、と
も思えます。というのは、アクセスの一番最後のところがタダなので、その上
流、例えば、編集段階とかの成果に対してお金をとるようなビジネスモデルが
作れないと思うんですよ。例えば、Closed なサイトを作って、「よい論文のリ
スト」みたいなことを closed にシェアしたとしても、論文を載せた人は業績
として公開しちゃうので、「この論文は○○リポジトリでただでアクセス可能」
となれば、ペイしないわけですよ。
逆にいうと、編集作業などのコンテンツの付加価値でお金をとっているビジネ
スモデルを、「コンテンツへのアクセス」で実現しているためですね。なので、
「よい論文を集める」という作業が、ボランティアとかでしかできなくなるの
で、結局、専門家が「Google のキーワード検索で論文を探す」ということにな
りかねないのでは、と。
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池田 大輔 (准教授)
九州大学大学院 システム情報科学研究院 情報学専攻
〒819-0395 福岡市西区元岡744
Mail: daisuke @ xxxxxxxxxxxxxxxxxx
(旧 daisuke @ xxxxxxxxxxxxxxxx)
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