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[drf:28] Fwd: 「XooNIps研究会第1回ワークショップ」の報告



件名: 「XooNIps研究会第1回ワークショップ」の報告
日付: Sat, 21 Jul 2007 23:05:14 +0900
送信者: "Shin_IRIE" <irie @ xxxxxxxxxxxxxx>
宛先: csi-ir @ xxxxxxxxx, drf @ xxxxxxxxxxxxxxxxx

>入江@慶應です
>みなさま
>
>7月19日に行われました「XooNIps研究会第1回ワークショップ」の報告 をお
>送りいたします。
>
>理化学研究所のニューロインフォマティックやゲノムの研究者と
>大学図書館関係者がデジタルアーカイブ・リポジトリについて議論するという、
>初めて会うグループ同士のワークショップで、話題がかみ合うのかとても
>不安だったのですが、PubMed、メタデータ、収集するデジタルコンテンツの種類
>と保存、研究成果の収集の難しさ、という共通用語が飛び交い、とても活発な議
>論が交わされたワークショップでした。
>また、図書館の可能性を感じることのできる時間でもありました。
>資料は、後ほど 理化学研究所のサイトから公開される予定です。
>来週は、27日に大阪WSになります。
>興味のあるかたはご参加ください。
>
>------
>2007年7月19日、13:00から17:00まで理化学研究所RIBF棟2階の大会議室にて、
>第1回目となるXooNIps研究会が開催された。出席者は、50名程度で、理研関係者
>と図書館関係者が半々であった。活発な質疑応答があり、研究者と図書館との間
>のコミュニケーションがうまく図られたワークショップであった。
>
>ワークショップの内容は以下の通り。
>1. XooNIpsの開発経緯
>非常に細かく分化している脳科学の各分野の研究データを集積し、脳を全体とし
>て一つのシステムとして理解しようとするのがニューロインフォマティクスであ
>る。この分野の研究には論文を読み、その中に記述されている最終的な実験結果
>や一部の数式だけを理解するだけではなく、その執筆過程で開発・利用・作成さ
>れたプログラムやシミュレータ、実験結果といった多種多様なデータを入手し、
>そこから新たな成果を産み出すという積み重ねが有効である。しかし、今まで成
>果として公開されるのは論文のみであり、そういったデータは公開されず、有効
>利用できなかった。こういった過去のデータの集積、共有のための基盤システム
>としてXooNIpsは開発されている。現在の採用機関としては、理研のBrain
>Science Instituteの各ラボ、国際ニューロインフォマティクス統合機構
>(INCF:International Neuroinformatics Coordinating Facility)日本
>ノードであるNIJC(神経情報基盤センター)の各プラットフォーム、機関リポジ
>トリなどがある。
>2. XooNIpsの紹介(機能概要)
>XooNIpsの特徴は、データベース構築の柔軟さ、データの表現能力の高さ、ワー
>クフローによる品質維持、メタデータの流通、多彩な補助機能の5つ。
>3. XooNIps活用事例の紹介
>① INCF日本ノード(J-Node)ポータルサイト
>INCFにおいて、日本は最も進んでいる国の一つである。NIJCの下にある各プ
>ラットフォームで、それぞれデータベース(XooNIps)が構築されている。共通基
>盤技術のプラットフォームとして、XooNIpsの他に、SATEITE(システム解析支援
>統合環境)や、Samurai Graph(データ可視化ツール)、Concierge, e-Labnote
>(パーソナルデータベース)を提供している。
>② Neuroimaging プラットフォーム
> ニューロイメージングとは脳の外から脳活動を計測する手法のこと。このプ
>ラット
>フォームのXooNIpsでは、インデクスは3層からなり、分野の主題によって分類
>されている。
>③ 慶應義塾大学メディアセンターにおけるXooNIps活用事例
>図書館側からみたXooNIpsの課題は、大量データ処理への対応、図書館コミュニ
>ティーでの標準メタデータの存在、アーカイブにおける保存と永続性の確保で
>あった。その対応のためにLibrary module の開発を行い、今回のv3.3へ統合さ
>れた。
>今回のワークショップは、図書館が研究者とコラボレーションしながら開発を進
>める新しいアーカイブシステムの可能性を感じる。
>④ XooNIpsを活用したサブジェクトリポジトリの構築
>農林水産研究成果ライブラリ(AGROLib)の検索を可能とし利便性の向上をはかる
>ために、XooNIpsを導入することとした。13万件以上の論文データがあるが、現
>在は検索機能を持たず、簡易なメタデータしか付与されてこなかったため。
>システムの機能要件としては、1)メタデータ入力が容易、2)検索機能の強化、3)
>メタデータの交換が可能ということがあった。
>各種システムとの比較検討で、1)導入が容易、2)開発が日本語ベース、3)開発者
>とのコミュニケーションが取りやすいということがXooNIps採用の決め手となった。
>平成19年度刊行分から、発行元の研究機関がメタデータを作成し、全文データと
>共に情報センターに提供するということで合意した。
>この際、なぜメタデータが必要なのか?という議論が噴出したが、それに対して
>は、Googleや外のDBから検索される機会を増やし、より広く認知されるように
>するため。ということで納得してもらったとのことである。
>⑤ 埼玉大学学術情報発信システム(SUCRA)の構築
>XooNIpsの利用は、リポジトリソフトウェアとしての機能を網羅していること、
>少ない費用でシステムが構築可能であること、機能拡張が容易であることなどが
>あげられていた。
>4. 新バージョン「XooNIps Version 3.30」の紹介
>新規追加機能は以下の通り。慶應で開発し理研により組込まれた機能(☆)も含ま
>れている。
>・ ユーザ登録ワークフローの見直し
>・ OAI-PMH リポジトリの Set 対応(☆)
>・ アクセスログのグラフ可視化
>・ XooNIps管理画面の全面的改訂
>・ 管理画面からのアイテム一括処理の追加 (☆)
>・ 管理画面へのシステム設定チェック機能の追加
>・ ファイルダウンロード時のライセンス同意画面の強化
>・ アイテム詳細画面における URL の固定化(☆)
>・ Proxy 設定の追加(OAI-PMH ハーベスタ,PubMed補完,Amazon補完)
>・ アイテム一覧画面における下層インデックスツリーの表示
>・ SEO 対策コードの追加(☆)
>・ XML-RPC API の実装
>・ ロゴアイコンの更新
>・ HTML書式違反の修正
>・ その他累積的なバグおよびセキュリティ問題の修正
>5. XooNIpsの展望
>① XooNIpsの機能・性能強化計画
>今後の開発は、各ユーザからの要望をシステム担当者会議で優先順位を検討し、
>理研の会議で承認をうけるという流れで行われる。以下は今後対応が計画されて
>いる機能である。
>・ユーザアカウント削除機能の整理
>・アイテムの所有権委譲機能の実装
>・Binderの改良
>・グループ領域のアイテム一般公開機能
>・ユーザインターフェースの品質向上
>② Concierge連携
>研究関連のあらゆる資料がデジタルの形式で、研究者のコンピュータに保存され
>ている。これらの情報を整理し、検索を効率化することが必要であり、そうして
>おくことによって外との情報の共有も行いやすくなる。開発のポイントは、簡便
>なインストールと、拡張性を持たせるということであった。XooNIpsにXML-RPC
>APIが実装されたことを受け、今後はXooNIpsに直接登録できる様な仕組みを開発
>している。
>
>-- 
>108-8345 東京都港区三田2-15-45
>慶應義塾大学メディアセンター本部
>入江 伸 / 03-5427-1648 / irie @ xxxxxxxxxxxxxx
>