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[drf:3202] Re: フィンチレポート Re: Re: eLife誌関連記事(試訳)



皆様

 内島です。杉田さんが言及しているRCUKのWordingをハーナッドが引用して
(批判して)ますので、仮訳しました。

 1がだめなら、2ということになれば(そのように理解されますが)、ゴールド
オプションの無い場合だけ、グリーンでやりなさい、ということになります。

 しかし、イギリス政府(あるいはそれに準拠しようとするRCUK)は、ゴールド
の著者支払資金を提供するつもりでしょうか?はたして、購読料金を支払った
まま、APCの予算を積むことは合理的な判断でしょうか。また、たかだか、論
文のシェアーが、7〜8%程度のイギリスのゴールド優先のイにシャチブがscalable
なものかどうか、色々と疑問がわきます。

  David A. Arnold wrote: "Stevan - you are wrong about RCUK madating green OA. It does not. The new RCUK policy only requires green OA if the journal does not offer gold OA. Since the vast majority of journals now offer a gold route, the green option is essentially redundant. Here is the wording:"   

 イギリス研究審議会(RCUK)は引き続き、OAに対する複数の組合せによるアプ
ローチを支援する。RCUKは雑誌が以下の仮定を満たす場合、OAに関するRCUK
のポリシーに準拠する雑誌と認識するものである。

   The Research Councils will continue to support a mixed approach to Open Access. The Research Councils will recognise a journal as being compliant with their policy on Open Access if:

  ジャーナルが自身のウェブサイトを通して出版社版への即座で無制限の
アクセスと、再利用に関する制限なしに他のリポジトリへの同版の即座の投
稿を許容している場合。この場合はAPCのための出版社への支払いが含
まれ、CC-BYライセンスが使用されるべきである。

       1. The journal provides via its own website immediate and unrestricted access to the publisher’s final version of the paper (the Version of Record), and allows immediate deposit of the Version of Record in other repositories without restriction on re-use. This may involve payment of an ‘Article Processing Charge’ (APC) to the publisher. The CC-BY license should be used in this case.

Or
 あるいは、出版社が選択肢1を提供しない場合、ジャーナルは、決められた期間
内において、非商業的な再利用に対する制限なしに、査読から発生するすべて
の変更を反映した受理原稿(必ずしも出版社のフォーマットは必要でない)の投稿
を許諾しなければならない。

       2. Where a publisher does not offer option 1 above, the journal must allow deposit of Accepted Manuscripts that include all changes resulting from peer review (but not necessarily incorporating the publisher’s formatting) in other repositories, without restrictions on non-commercial re-use and within a defined period.


 なお、ここでいう「a defined period」が、ハーナッドが危惧する「無制限に長くなる可能性
のある」エンバーゴということになりますね。

 以上、参考まで。

2012年7月30日 15:09 杉田茂樹 <ssugita @ xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx>:
杉田です。

> この意味では、これまでのイギリスにおける理解とやや隔絶していると考えら

> つかの勢力のひとつとして想定している)NPGの雑誌にRINの人が書いた記事を
> 紹介するしただけでは、間違いがなかったとしても、このリストの読者におい

もちろん反フィンチであるハーナッドが、このほどRCUKにも文句をつけた、という記事を。

(経緯)
フィンチレポートに呼応して、RCUK(英国の公的助成団体たちの連合体)が、
http://www.rcuk.ac.uk/documents/documents/RCUK%20_Policy_on_Access_to_Research_Outputs.pdf
という新OA方針を公表した。

ハーナッドは、JISC-REPOSITORIES等の
「RCUK & EC Did Not Follow Finch/Willets, They Rejected It, Promptly and Prominently!」
「RCUK Continue to Mandate Green OA Despite Finch Report」
などのスレッドで、RCUKのGreen路線は揺るいでいない、と状況を解説。

……で、しかし、

 OA advocate Stevan Harnad withdraws support for RCUK policy
 (OA論者スティーブン・ハーナッドがRCUKポリシーへの支持を撤回)
 http://poynder.blogspot.co.uk/2012/07/oa-advocate-stevan-harnad-withdraws_26.html

・一瞬いいと思ったけど、だめだわ。
・RCUKの新ポリシーはこうなってる。
 ・OAで雑誌に出せ。
 ・さもなければ、(一定程度のembargoによる)セルフアーカイブせよ。
・これだと、出版者は、既存誌を、
 ・グリーンだけど、うんと長いembargoつき
 ・かつハイブリッド誌(著者選択OAオプション付き誌)
 にして大儲けするだろう。
・RCUKの新ポリシーに次のような「パッチ」をあてよ。
 (1) Drop the implication that if a journal offers Green and Gold, RCUK fundees must pick Gold
 and
 (2) Downgrade to a request the requirement that the Green option must be within the allowable embargo interval.

 #この(2)がよくわからないのですが、厳格にしすぎると(著者選択OAに流れて)
 #Greenの道をかえって閉ざしてしまう、ということ?



このあたりについて、ハーナッドは、

 Hybrid Gold OA and the Cheshire Cat's Grin
 (ハイブリッド誌によるGold OAと、チェシャ猫のにやにや笑い)
 http://openaccess.eprints.org/index.php?/archives/923-Hybrid-Gold-OA-and-the-Cheshire-Cats-Grin.html

という記事で短くまとめています。Finch/RCUKも、上記「パッチ」案も出てきます。
寓話っぽいスタイルで、わかりやすくちょっと面白いので一読を。




(2012/07/29 22:59), Syun Tutiya wrote:
> 鈴木さん、みなさん、
>
>>> # それにしても、どれにもフィンチレポートが出てきますね。
>>> eLifeセミナーのためにフィンチレポートもちょっと押さえておきましょ、
>> というわけで、フィンチレポートの
>> (1) 事務局のウェブサイト
>> http://www.researchinfonet.org/publish/finch/
>> (2) Nature掲載記事
>> Open access: Let's go for gold
>> Michael Jubb (Research Information Network, London, UK.)
>> Nature 487, 302 (19 July 2012) doi:10.1038/487302a
>> Published online 18 July 2012
>> を訳してみました。下手な訳ですみません。
>> 間違い等、ご指摘いただければ幸いです。
>
> ありがとうございます。細かいことは別にして、やはり、このFinch Reportに
> ついては、勉強するだけではすまない問題が含まれていると思います。という
> のも、これまで、イギリスについては、RCUKなどから出ているメッセージは、
> 基本的に機関において研究者がリポジトリに自分の論文を登載することによっ
> て、オープンアクセスの実現を図る、とくに、その登載を義務化することによっ
> て全面的な論文オープンアクセスの早期実現を図るという理解でいたと思いま
> す。JISC-REPOSITORIESなどのリストにおけるさまざまな取り組み、論調もそ
> れを前提にするものでした。
>
> しかし、Finch Reportは、あっけらかんと、そのような経緯は無視したかのよ
> うに、論文のOA刊行に研究費助成の一部を割くべしと提案しているようです。
> この意味では、これまでのイギリスにおける理解とやや隔絶していると考えら
> れます。
>
> したがって、RINのサイトの説明と(かなりの人々がこの結論の背後にあるいく
> つかの勢力のひとつとして想定している)NPGの雑誌にRINの人が書いた記事を
> 紹介するしただけでは、間違いがなかったとしても、このリストの読者におい
> てやや誤解や混乱が生まれるのではないかと危惧します。
>
> この点へのご対応について、鈴木雅子さんにはよろしくお願いしたいと存じま
> す。
>
> 土屋
>
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杉田茂樹 <ssugita @ xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx>
小樽商科大学学術情報課長(附属図書館)
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