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[drf:3635] Re: D論のPDFのセキュリティ



土出様

桐蔭横浜大学の村上です。

論文を書く上では、引用して、誰のどの論文のどこを持って来たかが重要となるはずです。

DL(ローカル保存)禁止,印刷禁止,PDFからの本文コピペ・編集禁止
といったことは原則行わないことが望ましい.

電子化されたにも関わらず、コピペがダメなら意味ないが研究者の立場でしょう。紙慣れからの脱出に印刷禁止はすべきところですが、ILLでは、電子のみの閲覧を供しておりません。電子で送られても、図書館で紙にします。論文の作成時は、これを書き写す。電子化された時に、コピペがダメなら、見ながら書き写すしかない。そんな不便な状況なら、電子化の意味はありません。
もし、上記を満たすならば、一度紙にしたものをpdfにし直す方法しかないでしょう。NDLが昔の手書き論文をそうしているように。
研究速度が落ちる方よりも、上がることが、今の日本では第一義ではないでしょうか? ケチな一部の研究者に振り回されるよりも、はるかに重要です。
と言いつつも、私もケチな一部の研究者に、リポジトリ構築の邪魔をされ続けること3年ですが、ここは踏ん張り時であると思います。
「ここからすべてをはじめる」、という勢いが必要なのではないでしょうか。

出来ずにいることですが、これをやりたいがために図書館員になりましたので、図書館から新しい方向性を出すと助かる研究者が多いことを、知って欲しいと思い、割り込んでしまいました。済みません。

乱文にて


iPhoneから送信

2013/04/18 13:20、"TSUCHIDE, Ikuko" <tsuchide @ xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx> のメッセージ:


森下さま,みなさま,

土出@阪大です.

シンプルに考える方がいいなと感じました.

博論本体PDFファイルのセキュリティについて,まとめると,

原則,パスワードをかけない(セキュリティなし)ことがNDLから要望さ
れている.
DL(ローカル保存)禁止,印刷禁止,PDFからの本文コピペ・編集禁止
といったことは原則行わないことが望ましい.
ついでに,NDL推奨のPDFファイルの規格は「PDF/A (ISO-19005)」.

NDLが行う博論本文自動収集に関してだけではなく,今後の長期保存,
媒体変換やデータマイニングなどを考えると,素のセキュリティなしPDF
が望ましいと考えられる.

またそもそも,博士論文の本文をインターネット上で公開することは博士
学位取得者の「義務」となるので,公開できる本文ファイルの形を設定
するのは,博士学位取得者本人となる.

詳細は学位取得者本人と機関??で決めることとなり,機 関(当然なが
ら図書館のみに非ず)の方は「やむを得ない事由」の範囲を設定しておく
べき.(本文の内容,ファイル形式を含め)

というあたりが落ち着くのでしょうか.
つまりPDFファイルの規格,セキュリティの範囲も機関方針ということで,
それに漏れる場合は「やむを得ない事由」とする?

⇒公開できない画像があり,機関がその理由を「やむを得ない事由」と
判断した場合は,公開できない部分を外した形の「本文の要約」ファイ
ルを著者が作成して公開


機関の方針としては
「原則,審査対象となった博論本体本文を,一切のセキュリティなしの
状態で提出・公開することを著者に求め,著者がそれをできないといっ
た場合には「やむを得ない事由」の範囲にあたるかどうかを相談・検討
する」
が最も原則に近い形になるかと思いますが
「審査対象となった博論本体本文の提出・公開」を求めるが,セキュリ
ティに関しては最低限本文アクセスを可能とする形で著者にセキュリ
ティの範囲を決めさせる」
でもいいといえばいいのかもしれません.ただその場合,長期保存や
媒体変換等々,将来的なアクセスをどう担保するかは機関の責任とな
るのかな….

一番重要なのはそれを「機関の基準」としてもつべきで,図書館で個
別の判断をしないということかと思います.


また山地先生の以下のコメントについて,

>また、D論のPDFを編集OKで公開して何かあっても、
>オリジナルは機関リポジト
>リにあるんだから心配しないで、という意見もありました。だけど、機関リポ
>ジトリのブランディングが十分ではない現状では、理解して頂く材料には不十
>分かも知れません

今後,博士学位授与機関は,学位授与を行った論文に対する公開と恒久
アクセス環境を自らの責任で保障するために,機関リポジトリという器を運
用する,という方針が原則立ち上がっている,と理解しています.

もちろんそれ以外に著者が自身のサイトで公開するということも可能ともさ
れていますが,そこで公開するファイルの内容・規格は,「博士論文本体の
公開」ということでは変わりなく,やはり素のセキュリティなしが望ましいとい
うことになるかと思います.
例外的に,たとえば,著者のサイトではセキュリティをかけたファイルを公開
し,NDLには別途セキュリティなしファイルを送付して館内利用のみに供し
てほしいという要望を上げる,ということは可能かもしれませんが,その手
間をどこ(誰)が吸収するのでしょうか.
# 機関(あくまでも図書館に非ず)でその手間を吸収し,NDLに機関リポジ
# トリ掲載以外の博論ファイルを送り続けるということをこのさきも続けてい
# くのであれば,それはそれでありかもしれませんが


本文が剽窃されてあちこちで編集されたとしても,「オリジナルはその機関
の公式サーバであるリポジトリに入っているもの」としか言いようがないし,
そのリポジトリが材料として不十分なのであれば,「機関」リポジトリを「博
論保存・公開のための当該機関の公式サーバ」であるという形に位置づけ
なおす,ということを各機関はやらないといけないと思います.




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2013年4月18日 2:58 Syun Tutiya <tutiya @ xxxxxxxxxx>:
森下さん、

> セキュリティのお話に突然横から入って申し訳ないのですが、
> 実務に携わる者として、セキュリティーの件、一筋縄ではいかないと
> 感じています。
>
> というのは、著者ご本人ではなく、論文に掲載されている
> 画像の著作権者がインターネットから、画像をダウンロード
> できないようにしてほしいというケースが存在するからです。
> (私が知っているケースは博士論文ではないのですが、
> 有名な研究施設なので、博士論文にもそのようなケースは
> あるのではと思います。)

博士論文の場合には、その公表が法令的に義務付けられていますので、その義
務を学位取得者が履行するだけです。なんらかの研究機関が、その責任におい
て著作物を公表するのは、別に法令的義務によるものではありませんので、当
然、権利者が公衆送信権の行使を主張した場合、つまり、自分だけが公衆送信
できると主張した場合には、それに従わなければなりません。公表が義務づけ
られているのに、公表できない内容を含む論文によって学位審査したのは、学
位授与機関の責任ですので、著者が「やむを得ない理由」を主張していると見
なして、論文の要約を公表するということになるでしょう。それだけのことで
す。

> 著者ご自身がパスワード云々とおっしゃった場合は
> 説得するもしくはリポジトリ規程等で対応することができますが、
> 画像の著作権者が言ってこられた場合はどうしようもないですよね。

いえ、学位規則を盾にして、対応することは可能です。それでも納得できない
場合には、訴訟してもらうしかないでしょう。その場合には、省令を出した文
部科学省もいっしょに訴えてもらうしかないですね。

> マスキングするか、画像部分が重要な位置を占める論文などは、
> やむを得ない事情で公開できないになってしまうかと。

そうであろうと思いますが、すくなくとも、それは想定ずみですので、とくに
今更騒ぐことでもなかろうと思います。まあ、画像を全部消したものを「要約」
と呼んで公表すればいいだけではないでしょうか。それはもったいないとおっ
しゃるかもしれませんが、その判断は学位取得者の判断なので、別にまわりか
らどうのこうの言う必要はないでしょう。

> NDLもそういった個別の事情に対応しきれないのでしょうが、
> 一括で、パスワード不可、セキュリティ設定不可とされてしまうと、
> リポジトリで公開している論文でも、NDLからは公開できず、
> 残念です。

しかし、この点はわかりません。リポジトリで公表されているならば、NDLから
公表する必要はもともとないはずです。NDLが収集するのはあくまで保存のため
であり、公表することは副次的な目的です。しかし、自動収集するときにアク
セス、ダウンロードの制限があるのは大変不便ですので、それはやめてほしい
し、運よく保存できたとしても、パスワードを別に保存しないといけないとい
うことになると、将来的にはパスワードの管理に問題があった場合には、ファ
イルはあるけど内容にアクセスできないという冗談のような話になってしまう
ので、保存した意味がなくなるということだと思います。いずれにせよ、ぼく
には、リポジトリで公表されていれば、別にNDLからの公開できなくても全然
かまわないと思うのですが。

土屋
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土出郁子(TSUCHIDE, Ikuko)
大阪大学生命科学図書館 フロアサービス主担当
tsuchide @ xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx
TEL: 06-6879-2407 FAX: 06-6879-2428
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