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[drf:3644] Re: D論のPDFのセキュリティ
- Date: Mon, 22 Apr 2013 07:55:56 +0900
山地先生
ありがとうございます。
向かう先はすぐそこであるのに、私たちの準備は予想を超えています。しかし、できることはあるのですね。
社会科学は、「だからどうすべき」と論文には書きません。その中でも、社会学は100年をやっと超えたところですので、当たり前のことも定義できていません。哲学や周辺科学の援用で、可能性を述べ纏めるのが限界であり、現状です。
物理学なら、りんごが落ちたら重力だと言え、そこから様々な世界の有り様を説明できます。生物学なら、落ちたところから腐る事を示して、生態系について説明したり、細胞について説明でき、土壌やりんごの実そのものについてどうすべきか示すことができます。地学ならば、統計学ならば、数理経済ならば、と、哲学から生まれ出たのが早い学問の順に示す力がありますが、一番遅い学は当たり前のことさえ、「こうだ」と定義できていません。現状と予測で終わります。言い切れるほどの力が、人間にはないとも言えると感じて来ました。そのために、どの論文も、逃げ道としての余地を残しています。
ですが、これは、社会学だけではないことに気づきました。ただし、スタンスが違うようです。つまり、ネガティブかポジティブかと言うべきか。
> 我々が何かをする場合、それは何らか
> の制約に基づいて実行しているんだと思います。特に、電子データを扱ったり
> それをインターネット上で公開する以上、その制約はさらに強くなります。
> 後の人たちに、躓いたと思われずに、そのときの最良の選択だったと思っても
> らえるのがいいですね。それ以前に、そこまでいかずに志半ばだったり、初
> めから躓くのはもっと嫌ですね。
ここのところでしょうか。
社会科学では、やたらと「待ちなさい」と言われたものです。
オカルトチックな説明ですが、ロダンの地獄の門(この中に考える人が中央にありますが)が語るという銘文があります。それを、どう受け止め、前に進むことができるかという差があるように感じました。覚悟というべきものとも言えます。
「嘆きの都に向かう者、我を通り過ぎよ…、この門をくぐる者、一切の望みを捨てよ」
ダンテの神曲をゲーテは息苦しく描きましたが、閉じ込められた魔王のところに辿り着くと光があり、そこをのぼると天につながり、地上に戻れた。
希望に繋がる道は、動けない魔王によって塞がれているのかもしれません。
抽象的に語りましたが、世の中に存在する「魔王」とは、世の中で凝り固まった考えや希望に繋がる道を塞ぐ固定観念だと。
はじめに道を行く人たちは、これを乗り越えるのに血の滲むような努力をして突き進みます。それは、科学の分野が違っていても変わらないことです。それをあらためて、思い出しました。
> 目前の課題にとらわれるのを避けるた
> めに、普遍的なことを言おうとしすぎて、それが強調されすぎても、オカル
> トチックに聞こえるだけかも知れません。逆に僕は、実験屋としての科学者
> の歴史が長いですから、思考が単称言明に寄りすぎりるきらいがあります。
父が理系で、長尾さんの同窓生ですから、何となく分かります。ああいうタイプの…というレベルの理解です。楽観過ぎて、ハラハライライラするのが私の立場でした。ただ、最近ですが、違うポジティブな解釈を父たちはするようだと分かってきました。私には、問題ないと感じるところから出るので、具現化するとやっと分かります。分かったところで、対処はできないことが大半です。
それで、いつも思うことは、双方を理解できる人が日本には少ないということです。中間者が橋渡しできれば、双方の立場で抱くネガとポジを上手く繋げられ理解と進歩に繋がるはずです。
それが、できたら、僅かでも私たちは前に進む方法を見つけられるのでしょう。
図書館関係は、文系出身者が大半をしめています。考え方には理系的な要素がありません。そこは、山地先生には歯痒いところだと思います。でも、山地先生は、私たちには予測できない方向性を示して下さる。浅学の私には、感覚的にしかわからないので申し訳ないのですが、ここにいらっしゃる方々には大切な欠かせない存在だと、先生のお返事から理解致しました。
現在の私は、実は文系出身の先生のお話の大半も分かっておりません。
山地先生のお話の方は、質問を繰り返してきた長い時間がカバーしてくれたので、イメージはつかめてきていました。
おひとりでの対応は大変かと思いますが、大事な転換点ですので、どうかよろしくお願い致します。そして、私のような勉強不足の人間も、見捨てずにお導き下さい。どうかよろしくお願い致します。
ご返答、本当にありがとうございました。
乱文にて失礼致します。
iPhoneから送信
2013/04/21 13:55、yamaji @ xxxxxxxxx のメッセージ:
> ** On Sun, 21 Apr 2013 10:21:47 +0900
> ** 村上 明子 <amrkm @ xxxxxxxxxx> writes:
>
>> ただ、技術力に私たちの予想は追いつくでしょうか? 過去の経験では、研究
>> 者は(悪い事など)やらないだろう、ネチケットがみんなにはあるはずだ、で
>> 次々と対応すべきことが増えて行きました。
>
> ある程度は予想できても、そのうち予想できないフェーズに入ると思います。
> それは悪いことに対しても良いことに対しても同じだと思います。その次の
> フェーズまでの期間が長いほど、いい制度、技術、サービスであったという
> ことになるのかも知れません。ただ、目前の課題にとらわれるのを避けるた
> めに、普遍的なことを言おうとしすぎて、それが強調されすぎても、オカル
> トチックに聞こえるだけかも知れません。逆に僕は、実験屋としての科学者
> の歴史が長いですから、思考が単称言明に寄りすぎりるきらいがあります。
> ちょっと漠とした話になりすぎました。
>
>> 良いものか悪い方向かを見極める能力を持たずに、先に制限をつければ、の
>> ちに躓くのは私たち自身ではないでしょうか。これまでの経験では、それも
>
> その通りだと思います。それと同時に、我々が何かをする場合、それは何らか
> の制約に基づいて実行しているんだと思います。特に、電子データを扱ったり
> それをインターネット上で公開する以上、その制約はさらに強くなります。
> 後の人たちに、躓いたと思われずに、そのときの最良の選択だったと思っても
> らえるのがいいですね。それ以前に、そこまでいかずに志半ばだったり、初
> めから躓くのはもっと嫌ですね。
>
>> 専門家ではないですし、社会科学的に見た文献を、昔、見た程度です。間違
>> った見方、捉え方もしていると思いますので、初歩的なレベルからご説明頂
>
> もしその文献に、だからどうすべきか、ということが書かれていたならば参考
> になるのかなと思いました。
> --
> Kazu
> ──────────────────☆────────
> 月刊DRF http://drf.lib.hokudai.ac.jp/gekkandrf/
> 2013年4月号(39号)を発行しました!
>
> DRF(Digital Repository Federation)
> http://drf.lib.hokudai.ac.jp/drf/
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