[Date Prev][Date Next][Thread Prev][Thread Next][Date Index][Thread Index]

[drf:3746] Re: SCOAP3対象誌からのAPSジャーナルの離脱



加藤さん、栗山さん、前田さん、

> それは、抜けるのだから SCOAP3 から見たら、regrettably でしょう。
> まあ、いずれにせよ期待して"育つもの"を見届けたいです。

この件についていくつかの勘繰りを。

1. もともとAPSは、SCOAP3には乗り気ではなかったので、どこまでつきあって、
   どこで降りるかということは考えていたのだと思います。日本の物理学会
   が最初乗り気になれなかった背景には、このAPSとの情報交換があったと認
   識しています。APSが乗らなくてもよいのは、APSが、いずれにせよ維持可
   能という判断があるからだと思います。オープンアクセスにするにしても、
   PRのブランドをもってすれば、SCOAP3のような複雑な仕組みを使わなくて
   もなんとかできるという予想はたちます。(そのような予想とは別に、物理
   学会がAPSと同様の判断をするならば、日本におけるSCOAP3支援コンソーシ
   アムは彷徨してしまいます。)

2. 基本的に、どうも物理の人たちは、日米欧=KEK+CERN+(米国国立研+エネル
   ギー省助成機関)という三極構造(加速器など巨大実験施設の設置状況)を考
   えているようなのですが、日本が欧州寄りになるのか、米国寄りになるの
   かがなかなか興味深いところです。

3. しかしいずれにせよ、APSのウェブで、APSが今やっていることとして、
   INSPIREとarXiv.orgにも触れていることも興味深いところです。もともと、
   arXiv.orgを支援する構造とSCOAPの構造はちょっと似ているので、物理系
   出版が二重に集金している印象を与えているところでしたので、この整理
   は日本でもつけないとけいないでしょう。これは加藤さんが指摘している
   今後の日本における議論への影響とも関連します。ISPIREは、もともとは
   米国発祥なはず(1974年SLACが初めたSPIREが前身)ですが、CERNがかなりの
   めりこんでいるようですので、穿って詮索すれば、ここでも米欧の主導権
   問題を感じます。

土屋

──────────────────☆────────
月刊DRF http://drf.lib.hokudai.ac.jp/gekkandrf/
 2013年6月号(41号)を発行しました!

DRF(Digital Repository Federation)
http://drf.lib.hokudai.ac.jp/drf/
─────★─────────────────────