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[drf:2108] Berlin8参加報告
- Date: Sun, 07 Nov 2010 04:35:07 +0900 (JST)
DRFの皆さま
筑波大学附属図書館の徳田です。
10/25-27に,北京の中国科学院国家科学図書館で行われたBerlin8
というオープンアクセス関係の会議に参加しました。ご報告遅くな
り申し訳ありません。
今回DRF参加機関からの出席は1名,日本から2件の発表があり,
NII安達先生からのCSI事業を中心にNIIと大学の協力についての
ご発表が1つと,もう1つはDRFの報告を私から行いました。
ご協力,お世話になりました方々にお礼申し上げます。
この会議は,2008年のBerlin6と同シリーズの会議です。
http://drf.lib.hokudai.ac.jp/drfml/msg00747.html
http://drf.lib.hokudai.ac.jp/drfml/msg00756.html
以下,長くなりますが参加報告致します。
2日間までは複数セッションが同時進行で行われましたため,自分が
参加したセッション(2,4,6,8,10,12)の個人的印象になります。
会議公式サイトに3日間の発表スライド, 出展ポスター,報道資料な
どが出ていますので,詳しくは公式サイトをご参照ください。
http://www.berlin8.org
[1日目]
Session2
オープニング後のこのセッションは,国レベルのOA戦略がテーマで,
DFG, FAO, オーストラリア,ロシアからの事例発表がありました。
個人的に印象に残ったのが、OA推進という観点からの雑誌購読料や
アクセスフィー,ナショナルライセンスの助成という議論と,FAO
の方だと思いますが,図書館員の役割がcollectorからconnectorに
変わっている,と言われたことです(聞き間違いなければですが…)。
Session4
OAポリシーに関して,デューク大学, ゲッチンゲン大学, MIT, フィ
ンランドでの事例報告がありました。印象深かったのが,まず学内
のポリシー策定,「次の」ステップとして教員との関係づくり,と
いう質疑応答でのコメントでした。教員訪問,教員の会議に行く,
という話題は繰り返し出ました。MITの方が,OAプロモーション用
のビデオを発表中に投影したのも工夫されていたと思います。
Session6
OA出版についてPLoS, Springer, BioMedCentral, Elsevier, MEDKNOW
(学会出版)からの発表がありました。個人的にはMEDKNOWのOA出版の
話題,htmlはフリーでPDFや他のアドオンを購読オンリーにして収入
を確保する,というモデルは面白いと思いましたが,会場全体の関心
とややずれていたかもしれません。
[2日目]
Session8
朝一番で日本から同時に2件の発表が行われました。機関リポジトリ
についての本セッションで,DRFの概要と国内活動を私よりごくごく
簡単に報告しました。伝えるべき事は沢山あったはずですが,準備
時間も発表時間も限られましたので今回は「DRFの」プロモーション
と割り切りました。発表後,どうして図書館員中心の活動がうまく
いったのか,などのご質問を頂きました。
*発表スライド http://www.berlin8.org/userfiles/file/B8_DRF.pdf
*スクリプト http://drf.lib.hokudai.ac.jp/drf/index.php?plugin=attach&refer=Papers%20and%20Talks&openfile=B8_DRF_script.pdf
Session8ではCOAR議長のロッソー博士も発表され,発表と質疑応答の
際に,DRFがCOARのメンバーとしておこなっている国際活動を事細か
にご紹介いただきました。
Session10
OAのインフラについてのセッション。SPARC, 中国科学院,PEER, コス
ト分析, SHERPAと話題豊富で,自分でもやや未消化,かつそれぞれが
独立の話題で短くまとめるのは難しいです。お隣のセッションでは,
SCPJが紹介されたという話を聞きました。
Session12
世界のOA動向について,南アフリカ,韓国KISTI, ポルトガルRCAAP,
各地のOAポリシー比較についての4発表がありました。ポリシー比較の
発表は事前にレポート全文が公開されていたのに,読んでいかず失敗。
チューリッヒ大学の方と1日目のレセプションでお話ししましたが,
2日目のこの発表を聞くまで気がつきませんでした。
このように本会議の2日間はあっという間に過ぎましたが,
別のセッションではまた違う,会議の姿が見られただろうと思います。
会議後,クロージングでも熱心に語られていた,中国科学院国家科学
図書館のZhang Xiaolin館長ともお話しました。Berlin8のホストがき
まってから2年間で63のリポジトリを立ち上げ,OAジャーナルを作り,
会議を開くにふさわしい国になるべく奔走されたと語る一方で,会議
運営を手伝う学生スタッフさんに気軽に声をかけ,全テーブルを乾杯
にまわられるこの方なしに,会議の成功はありえなかっただろうとい
うオーラを感じました。
[3日目]
http://drf.lib.hokudai.ac.jp/drfml/msg01936.html
で杉田様からご案内の通り,この日は国内向けのポストカンファレンス
でした。英語←→中国語の通訳付き,2日目までの内容とも一部重複し
ていました。会場からは中国語でも英語でも,途切れることなく質問
が出されていました。OJジャーナルプラットフォーム(CAS-OAJ
http://www.oaj.cas.cn/)のリリースがあった影響か,会場には出版関
係の方も多かったようです。合間の時間で,前の2日間にお話できなか
った本会議参加者の方々と,情報交換もできました。
3日とも,会場は無線LANが整備され,数名の方がtwitterやSNSなどで
現地レポートをされていました。インターネットの規制があるように
聞いていたのは実際その通りでしたが,海外からの参加者は色々と
工夫されていたようです。北京は特に危険と感じることはありません
でした。お陰様で無事出張を終えることができ,感謝しております。
3日間のご報告はここまでです。開催地中国,とりわけ中国科学院の
オープンアクセス運動に懸ける勢いを感じた会議でした。ヨーロッパ
以外の国での開催は今回初めてで,次回2011年はアメリカで,2012年
は南アフリカでの開催が検討されているようです。
オープンアクセスの盛り上がりは今後も続きます。
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徳田 聖子 筑波大学附属図書館 情報管理課 電子図書館係
T:029-853-2471 F:029-853-6052 E:tokko @ xxxxxxxxxxxxxxxxxxxx
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11月19日 DRF地域ワークショップ in 広島(DRF-CityOfHiroshima)開催!
http://drf.lib.hokudai.ac.jp/drf/index.php?DRF-CityOfHiroshima
11月25日 DRF全国ワークショップ in 図書館総合展(DRF7) 開催!
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DRF(Digital Repository Federation)
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