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[drf:693] Re: ブリスベン宣言
- Date: Wed, 08 Oct 2008 14:12:41 +0900
九州大学附属図書館の星子です。
> > 同会議に出席された方、レポートをお願いできますか。
ご報告が遅くなりまして申し訳ありません。
下記のとおり内容をまとめましたので、ご覧ください。
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Open Access and Research Conference 2008
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開催日:2008年9月24日-25日(ワークショップは26日開催)
場所:Stamford Plaza Hotel, Brisbane, Australia
参加人数:約200名(参加者名簿による)
公式サイト:http://www.oar2008.qut.edu.au/
主催:
Open Access to Knowledge (OAK) Law Project
The QUT Division of Technology, Information and Learning Support
The QUT Faculty of Law
会議概要:
オープンアクセスの現状と将来、オープンアクセスに関する法的な話題、
研究データの共有、研究業績の評価指標など、広範なテーマを扱う。
主な発表者とコメント:
○John Wilbanks (Science Commons)
「The Future of Knowledge」
・knowledgeは、レゴブロックのようなもので、個々のknowledgeを組み
合わせることで大きくなる。だから、共有することが大切。
・従来のの学術コミュニティはギルド文化であったが、今後ギルド文化
は崩壊し、ネットワーク文化が創造されるであろう。
・学術分野にはAmazonやeBayのようなマーケットプレイスがない
→将来的な可能性
○Dr Alma Swan (Key Perspectives)
「Open Access : The Next Five Years」
・著作権は著者を守るためのものであるはずなのに、逆にOAの障害に
なっているという矛盾がある。→大学が組織としてサポートする重要性
・リポジトリへの登録義務化ポリシーを持つ機関が増えている→義務化の有効性
○Dr Tony Hey (Microsoft)
「Computation Technology and the Power of Open Access」
・学術コミュニケーションのライフサイクル…収集・分析→論文執筆→
発表→保存→収集…
・Microsoftは、このライフサイクルのそれぞれの局面をサポートする
ことを意識している。
○Maarten Wilbers (CERN)
「A Legal Framework Supporting Open Access」
・CERN(欧州原子核研究機構)…研究成果のopennessについて、昔から意識
していた。例)1950年代からのプレプリントの歴史、WWWの無料一般開放
ワークショップ:
3つの分科会のうち、「Open Access: Making It Happen」に参加。
機関リポジトリの運営に関する情報共有。
(主な意見等)
・Book Chapterについて…機関リポジトリに登録すると売上が向上する
というデータがある。
・新しいものを早めに登録する事が大事…引用数が伸びる
・機関が定める登録ポリシーは、著者が出版社に交渉する際の後押しと
して重要。
・「著作権を主張すると論文がリジェクトされる」と心配する研究者も
いるが、著者とエディターとの交渉ではなく、著者と出版社の交渉な
ので、心配には及ばない。
・映像・立体物・音楽・実験データ等の扱い…どこまで各大学で持つか
の線引きが難しい。国家的に進めるべき領域もある。
・違う性質のデータを、一つのリポジトリに入れる必要はない。役割に
応じて別々のリポジトリに分け、互いにリンクしたり、統合検索でき
るようにすればよい。
・「リポジトリ」に代わる、もっといい言葉はないか?
・EPrintsの入力支援機能
・論文タイトルを入力すると、既に登録済みのアイテムが表示され、
重複入力を防ぐ。
・雑誌タイトルを入力すると、SHELPA/RoMEOのポリシーが表示される。
・Digital Commons…OA誌の出版用に導入している機関がいくつかある。
・ミシガン大学の事例…出版社と交渉し、出版者版PDFをリポジトリに登
録している(約10,000件)。出版社にいくら支払っているのかは機密事項。
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九州大学附属図書館 コンテンツ整備課 電子化係
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FAX:092-642-2330