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[drf:864] Re: 学位論文のpublisher 



一橋大学 高橋さま、みなさま、

北大 杉田です。

> お教え願えれば幸いです。

たぶん定説はないので、みんなで考えてこれで行こーと決めちゃえば
いいことだと思います。
その意味で、この場で話されることが、東工大でのWS(近々に案内
があると思います)へのインプットになるといいですね。

というわけで以下は個人の意見です。


参考になりそうなのは、ETD-MS(学位論文の国際的ポータルNDLTDのために
設定されたメタデータプロファイル)ぐらいでしょうか。

> dc.publisher
>
> An entity responsible for making the resource available.
> This is typically the group most directly responsible for
> digitizing and/or archiving the work. The publisher may or
> may not be exactly the same as thesis.degree.grantor. Like
> other names and institutions, this field should be entered
> in free text form as it appears on the title page or equivalent,
> with a link to to an authority record if available.
> See "Authority" section for more information.

> dc.date
>
> A date associated with an event in the life cycle of the
> resource. In the case of theses and dissertations, this
> should be the date that appears on the title page or
> equivalent of the work. Should be recorded as defined in
> ISO 8601 and the profile recommended for implementing
> ISO 8601 dates in Dublin Core.

北大では、通常の意味で「出版刊行」されたものでないので、publisherは
記録しないことにしました。が、上などを踏まえると、当該デジタルオブ
ジェクトのメタデータとしては、

publisher: HERMES-IR
relation.hasVersion: 刊行本あり:国元書房,1998

というのが心意気だと思います。

dateに関しては、ローカルでは、

(a)資料本体に記されている日付
(b)学位授与年月日
(c)出版社から出版された日
  :

など必要なだけ分けて持っておいて、被ハーベスト時には各フォーマットで
求められる日付をdc.dateとして採用(そのようにクロスウォークを設定する)
すればよいのではないでしょうか。

・ETD-MSの場合は、前記の通り、「the date that appears on the title
 page or equivalent of the work」なので(a)をdc.dateとして出す。

・junii2の場合は「コンテンツの作成日付」という説明なので、(a)と(c)?
 ただ、このあたりはまさに今般の国内学位論文電子化話の進行を注視して
 おく必要があるかと思います。
 例えば(b)も「dc.date.gakuijuyonengappi」として出そう、ということ
 になるかもしれません。そのときのために、ローカルに、判別可能な形
 で(=項目を分けて)学位授与年月日を持っておくのはよい備えだと思
 います。

#総じて、あまり目録的に厳密に考えず、要るかなと思った項目は、どん
#どん、わかるように記録しておけばよいのでないでしょうかね。

一橋大学情報推進課主査(コンテンツ主担当) さんは書きました:
> 杉田さま
> 皆さま
> 
>  一橋大学の高橋です。
> 
> 今度は学位論文のdc.publisherにどのようにメタデータを記述すべきか、
> わからなくなってきました。
> 
> 出版された図書をもって学位請求論文になっている場合に
> dc.publisherとdc.dateはどうなるのでしょうか?
> 
> 学位論文のメタデータは東工大でのWSでの検討課題とうかがっていますが、
> http://drf.lib.hokudai.ac.jp/drf/index.php?plugin=attach&refer=DRF4&openfile=Proposal%20Metadata%20Elements%20forDissertation%EF%BC%88drf4%EF%BC%891.pdf
> に「学位論文メタデータ標準案」が公開されているのを拝見しました。
> 
> publisherは選択/繰り返し可になっています。
> 学位授与機関は一橋大学なので、
> thesis.degree.grantor は Hitotsubashi University (一橋大学
> ) だとして
> 
> dc.publisher 一橋大学
> dc.publisher  出版社名(たとえば 国元書房とか)
> と両方入れるべきでしょうか?
> 
> また、日付は
> dc.date 学位授与日 
> dc.date 出版社から出版された日
> のどちら(あるいは両方?)を入れるべきでしょうか?
> 
> 本学では、今まではdc.publisherは出版社名の場合だけ入れることにしていたの
> ですが(つまり私家製本の学位論文のdc.publisherは「空」)。
> お教え願えれば幸いです。
> 
> 
> 
> 一橋大学情報推進課主査(コンテンツ主担当) さんは書きました:
>> 杉田さま
>>
>>  高橋です。早速に明快なお答えありがとうございます。
>>
>> 確かに、publisherという用語に惑わされてしまったみたいです。
>> ・セルフアーカイブされた学術雑誌論文著者稿のみauthor
>> ・それ以外で本文があるものはすべてpublisher
>> ・本文がないものがnone
>> と考えれば、線引きはとても単純ですね
>>
>>>> 私家製本して提出した学位論文があり、私家製本の学位論文が、
>>>> その後、同じタイトルで正規の出版社から出版されるケース
>> などはどちらもtextversionはpublisherになりますが、
>> そこはelementとしてのpublisherで表現すればよいと思い直しました。
>> relationで関係づけれられるともっと良いのかもしれません。
>>
>>> ・それしかない
>>> ・それがオリジナル
>> という理解であれば、
>> 貴重資料の写真や手稿類などもテキストバージョンはpublisherということに
>> なりますね。貴重資料のテキストバージョンはnoneにしてましたが、こちらも
>> 理解が違ってました。。。
>> (リポジトリ的話題ではないですが、本学では貴重書も登録しているので。)
>>
>> もっともおっしゃるとおり、
>>> 各IRは必ずしも「textversion」という項目をjunii2の定義通りに持つ
>>> 必要はなく、textversionは、OAI-PMHで、junii2という形式でメタデー
>>> タが送出される場合にだけ出現すればいい項目・値です。
>> という理解で、textversionをもっと細かく設定する、
>> あるいは貴重資料の場合は別の表現にしておいて渡すときだけpublisherに
>> してもよさそうです。(手稿にpublisherと表示されると違和感ありますので。)
>>
>> ローカルのメタデータとクロスウォークの調整が必要なことがわかりました。
>> ありがとうございました。
>>
>>
>>
>>
>> 杉田茂樹 さんは書きました:
>>> 一橋大学 高橋さま、みなさま、
>>>
>>> 北大 杉田です。こんにちは。
>>>
>>> junii2の策定の際にお手伝いした立場から、当時のもともとの考え方
>>> を思い出しますと、セルフアーカイブされた学術雑誌論文著者稿のみ
>>> がauthorで、それ以外、つまり、
>>>
>>> ・それしかない
>>> ・それがオリジナル
>>> ・それが公式のもの
>>>
>>> の場合は全部publisherでよいのでないでしょうか。
>>> (publisher、authorという用語がよくないかもしれませんね。)
>>>
>>> また、以下、junii2を用いるOAIサービスプロバイダ「AIRway」の管
>>> 理人としての補足ですが――、
>>> AIRwayのユーザインタフェイスは各種リンクリゾルバです。で、最
>>> 初期の協力者である1CATE(現OCLC)からAIRwayに求められた要件は、
>>> ヒットした雑誌論文のナビゲート先ファイルが、
>>>
>>>  著者の作成したワープロ原稿ファイルなのか、
>>>  EJとして公開されている最終形式ファイルと同一のものなのか、
>>>
>>> を利用者は知ることができる必要がある、ということでした。
>>>
>>>
>>>
>>>
>>> (蛇足ながら――、)
>>>
>>> それはそれとして、junii2にせよoai_dcにせよ、あくまでメタデータ
>>> 交換のためのフォーマットであって、機関リポジトリのためのメタデー
>>> タフォーマットではありません。
>>>
>>> 各IRは必ずしも「textversion」という項目をjunii2の定義通りに持つ
>>> 必要はなく、textversionは、OAI-PMHで、junii2という形式でメタデー
>>> タが送出される場合にだけ出現すればいい項目・値です。
>>>
>>> 学位論文には学位論文の、科学研究費補助金報告書には科学研究費補
>>> 助金報告書の、各大学の事情・必要に応じてさまざまなバージョン管
>>> 理方針がありえるだろうと思います。
>>>
>>> 例えば、IR上では、管理上、サービス上の必要に応じて、
>>>
>>> 1 雑誌論文査読前著者稿 Draft of Journal Article
>>> 2 雑誌論文投稿時著者稿 Submitted Version of Journal Article
>>> 3 雑誌論文受理時著者稿 Accepted Version of Journal Article
>>> 4 雑誌論文刊行ファイル Published Version of Journal Article
>>> 5 科研費報告書     (バージョン管理しない。空値)
>>> 6 学位論文学位申請直筆 Submitted Version of Theses
>>> 7 学位論文学位申請抜刷 Submitted Version of Theses (Reprint of Journal Article)
>>> 8 学位論文受理稿    Granted Version of Theses
>>> 9 国立国会図書館送付稿 NDL Version of Theses
>>>   :
>>>
>>> などとしておいて、OAI-PMHでjunii2形式で出すときだけ、システムが、
>>>
>>>  1〜3をauthorに、
>>>  4〜9をpublisherに、
>>>
>>> などと自動変換する、というのが正しいやりかたです。
>>>
>>> ※1〜4のバージョン情報の値は、VERSIONプロジェクトの値リスト
>>> http://www.lse.ac.uk/library/vif/Framework/Essential/taxonomies.html
>>> を参考にしました。
>>>
>>> #とはいえ、北大HUSCAPもpublisher/author以上のバージョン管理は
>>> #今のところしてないんですけどね。上記VIFの結論がこれからの世界
>>> #標準になっていくとしたら、それに合わせて行きたいです。
>>>
>>>
>>>
>>> 一橋大学情報推進課主査(コンテンツ主担当) さんは書きました:
>>>> 北大 杉田さま
>>>>
>>>>  一橋大学の高橋です。いつもお世話になっております。
>>>> ずいぶん以前の話題ですいません。
>>>> textversionの記し方について、下記のメールがMLに流れたときに
>>>> やや気になっていたのですが、そのままにしておりました。
>>>> 昨日、IRDBにハーベストされたデータをAIRwayへ
>>>> データ提供する件について連絡を受け、textversionの入力について
>>>> 質問させていただきます。
>>>>
>>>> [drf:648] の説明では、
>>>>>> author:著者版
>>>>>> publisher:出版社版
>>>>>> none:上記以外
>>>> の使い分けは、
>>>> フルテキストまでたどり着けるものがauthor、publisherのいずれか、
>>>> フルテキストまでたどり着けないものがnone
>>>> ということになっています。
>>>>
>>>> では、authorかpublisherかの区別はどのように考えればよいでしょうか?
>>>> 本学では、author版というのは
>>>> そもそも学術雑誌論文において、正規の出版社によって制作され、
>>>> 市場に流通しているものと同一か否かを区別するために
>>>> 設けられたものと理解していたので、
>>>> 学位論文と科学研究費報告書について
>>>> 一部textversionを「空」にするということにしていました。
>>>>
>>>> 人文系の学位論文には出版された図書を提出した学位論文と
>>>> 私家製本して提出した学位論文があり、私家製本の学位論文が、
>>>> その後、同じタイトルで正規の出版社から出版されるケースもあります。
>>>> 市販されている図書の学位論文の場合Publisher版を入れていますが、
>>>> それ以外の学位論文はauthorともpublisherともきめがたく、
>>>> 「空」としていました。
>>>> 科研費報告書の場合も、
>>>> 研究代表者以外の団体名が奥付に入っているケースもあり、
>>>> 奥付がある場合はPublisher版としていますが、
>>>> それ以外の私家製本版は「空」という具合です。
>>>>
>>>> 「空」のままだと、どこにも持っていってもらえないようですので、
>>>> authorかpublisherかのどちらかを埋めたいのですが、
>>>> 製本主体が著者自身である私家製本・簡易製本の学位論文や報告書について
>>>> textversionはどのように入力すべきかご教示願えると幸いです。
>>>>
>>>>
>>>>
>>>>
>>>>
>>>> SUGITA Shigeki さんは書きました:
>>>>> 北大 杉田です。
>>>>>
>>>>> 広島大学 尾崎さん:
>>>>>> リンク先のデータがPDFでないものもある、あるいは抄録のものもあるので、
>>>>>> (後者が「?」なのはとりあえず置いておいて)
>>>>>> そういうわけで現在のロゴにしているように伺っていますが、
>>>>> これは私たち大学側の問題ですね。
>>>>>
>>>>> junii2には、textversionという項目があって、
>>>>>
>>>>>> コンテンツ本体のバージョン
>>>>>> author:著者版
>>>>>> publisher:出版社版
>>>>>> none:上記以外
>>>>> という説明になっています。すなわち、本文を有する場合は、モノによって
>>>>> 著者版(author)なり出版社版(publisher)と記述しておけばよいのですが、
>>>>> メタデータオンリーのレコードとか、要旨しかない学位論文とかはnoneとす
>>>>> るのが正しい。
>>>>>
>>>>> ――であるが、noneとすべきものに、間違って、(あるいは、システムによっ
>>>>> て?)authorやpublisherが振られている例があるために、『フルテキストま
>>>>> で行けるもの』を特定できない状態にあるとのことです。
>>>>>
>>>>> CiNiiの品質向上のためにもtextversionを正しく入れましょう!
>>>>>
>>
> 
> 


-- 
杉田茂樹 <sugita @ xxxxxxxxxxxxxxxxx>
北海道大学附属図書館情報システム課システム管理担当
電話番号:011-706-2524,ファクシミリ:011-706-4099
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