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[drf:232] Re: [drf:226] Re: ベルリン5(長文)
- Date: Wed, 24 Oct 2007 22:34:11 +0900
杉田さん、
非常に幅広い内容で、これだと機関セルフアーカイビングが話題とし
て取り扱われる割合も少ないのでしょう。
もちろん、機関リポジトリ/セルフアーカイビングについての話は随所
にでてくるのですが、やはり登録率の低さという点でどうしても元気が
なくなってしまうのですね。また欧州の場合、経済的にgolden
roadを追求するしかないというのが本音なのではないかと私は思ってい
ます。欧州全体の論文生産量は増えているようですが、総額で言えば購
読料よりも投稿料の方が安いでしょうから。ちょっとひねくれた見方を
すれば、欧州の出版社を生き残らせるため(?)に、商業出版社の
revenueは同レベルを保ちつつ、自分たちが払う額は減らそうとしてい
るかのようにも思えます(最近人間が悪くなったと言われる竹内です)。
それからKnowledge Exchange(KE)の「人材の交流」、どのよう
な内容なのでしょう、興味をひかれました。
メモを見直しましたが、exchangeをするという以上のことは言っ
ていませんでした。KEを構成する4団体は、SURFや
JISCなどの、プログラムをマネージするのを主たる任務とする機関なの
で、杉田さんが下に書かれているような具体的な任務での仕事の分担と
いうことではないだろうと推測します。
遥かにスケールの小さい話ですが、昨年、別の催しで、「IRの
構築業務にあたっては近隣機関などの間で、プロモーション活動、シ
ステム構築など、それぞれが得意な人材を(共有する感じで)随時、
交換、交流して、互いの業務を補完しあっては?」というアイディア
を聞いたことがありまして。
「言うなればジャパンは満足なんだけど…」と締められていますが、
読者の立場としてはそうなのだけど、著者の立場からいうとまだまだ
なんでないでしょうか。ちょっとへんな図を描いてみましたので、
Wikiにあげておきます。
http://drf.lib.hokudai.ac.jp/drf/index.php?
plugin=attach&pcmd=open&file=howaboutdissemination.pdf&refer=Repositor
y
このあたりについては、イタリアに行く前に土屋先生とそれなりに議論
をしたので、竹内があえて新たに付け加えるコメントはありません。一
論文あたりのコストの妥当性については議論があると思いますが、現在
の日本の購読料がそのままbroadcasting modelのための経費に全
面転換がうまくできたとして、総額としてはとんとんか支払額が増える
というあたりだろうと思います。このような支出増をnoblesse
obligeとして日本の学術コミュニティが受け入れるのかどうかというこ
とについては悲観的です。それはともかくも、少なくともこれは図書館
をベースとした議論をはるかに逸脱するもので、これ以上は図書館の手
に負えないレベルの話だろうと思います。
竹内 比呂也