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[drf:3252] Re: 8/23開催 第4回SPARC Japanセミナーへのお誘い(eLife誌やイギリスの最新OA事情について特集します)
- Date: Thu, 16 Aug 2012 10:17:35 +0900
おはようございます。
土出@阪大です。
The Scientistのインタビュー記事、
「現在の科学研究成果出版システムの主要問題点は何か。」
という問いにたいして、Michael Eisenが
「すべて。」
というのが面白かったです。
のっけから「全出版産業が明日消えてくれたら」とか(笑)
しかしこれらもインターネットが発達して実現していることなのだ
なあと思うと面白いです。。情報配布のためのコストは下がった。
あと、科学研究成果のpublishに必要なコストはなんなのでしょう
(営利を抜きにして)。
私はこのインタビューのうち、問6と7の間の解説を担当しました。
訳に間違いがあったので訂正します。(汗) あと感想など。
「オープンアクセスの香り」
→もとのタイトルはFlavors of Open Access でした。
つまりアイスとかのいろんな「味」ということだろうと。ということで
「オープンアクセスあれこれ」
にします。
「1997年には米国医学図書館が,包括的な生物医学研究文献
目録でPubMed経由で自由にアクセスできるMedlineを作った.」
Medlineはその前からありました;;
医学系の文献索引「Index Medicus」をコンピューターデータベー
ス化したのがMEDLARS(1964-)で、それをオンラインで検索でき
るようにしたのがMedline(1976-)、ですので、
「1997年には米国医学図書館(NLM)が、包括的な生物医学研
究文献目録であるMedlineをPubMed経由で自由にアクセスでき
るようにした。」
です。
「猶予つきOA」
原文は「Delayed Open Access」で、出版者からみると「猶予」で
すが、OA推進の立場からすると「遅延」ですね。
日本物理学会誌があがっていましたが(embargo15年てほんとか)
ちょっと見てみたら著者投稿規定では図版の再利用も許諾つきで
可としているし、著者自身によるセルフアーカイブ(査読後著者版)
にはEmbargo1ヶ月でOKを出しているので、著者がその気になれ
ば論文単位のOAは可能ですね。
このScientistの記事は、「出版者」による「OA」の視点がやはり強
いと感じました。
「出版者」とはプラットフォームをもつもの、インフラになりうるもの、か
なとおもうのですが、
そうすると、大学等の各機関リポジトリは、「出版者」にな(れ)るの、
どうなの??
という問いに戻るかと…
個人的には
「なるよ」
と答えたいと思います。
となると他の敵を知らねばなりません。
知るための場のひとつが、本セミナーになると考えています。
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2012年8月16日 9:12 杉田茂樹
<ssugita @ xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx>:
小樽商大 杉田です。
SPARC Japanセミナー、参加します。
> この雑誌の注目すべき特徴は、
>
> ・研究助成機関が刊行する
> ・当面の間、投稿料は無料
つまり、
・研究者は研究助成団体によって評価=資金助成される
・研究成果の流通は当面無料(購読料も投稿料も要さない)
とすると、大学ってなんなんでしょうか。居場所?
大学図書館って?
> また、関連記事の試訳を行いました:
> "Whither Science Publishing?"(科学出版はどうなる)
それぞれ言うことの違う人たちを並べて見るのは面白いですね!
私は、
> Michael Eisen: Howard Hughes Investigator and Associate Professor of
> Genetics, Genomics, and Development, University of California, Berkeley
> 米国カリフォルニア大学バークレー校遺伝子学部准教授
>
> ◆Randy Schekman and Mark Patterson: Editor-in-Chief and Managing
> Executive Editor of forthcoming open-access journal eLife
> 近刊予定のOA誌"eLife"編集長およびManaging Executive Editor
この2者3名の訳を担当しました。
前者Michael Eisenは、(あとで気付きましたが)バークレー准教授という
より、PLoSの共同設立者のひとりといったほうが通じがよいかも知れません。
つまり、Michael Eisenと、今回来日するMark Pattersonはもともと同僚で、
[drf:2911]によれば、このふたりこそPLoS設立時の「熱情的な過激分子」
(flame throwing radicals)であったようです。
この仮想座談会でもあれこれ刺激的ですが、中でも、
> 問2.現在の査読システムに問題はあるか。
で、ともに査読システムへの否定的見解を述べていたのが印象的でした。
「eLifeは科学のベリーベストな部分を取り扱いたい」というようなことを
聞いたことがありますがこのあたりどうなるんでしょう。
--
杉田茂樹 <ssugita @ xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx>
小樽商科大学学術情報課長(附属図書館)
電話番号:0134-27-5269,ファクシミリ:0134-27-5278
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生命科学図書館 フロアサービス主担当
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2012年8月号(31号)を発行しました!
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