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[drf:1176] 博士論文のNDLによる電子化計画(案)について
- Date: Tue, 23 Jun 2009 17:07:42 +0900
皆様
東工大の富田です。
現段階では決定事項ではないのですが,これから博士論文の電子化を
行おうとしている機関の皆さんに,事前にお知らせしておいたほうがよい
と思いましたので投稿します。
先週,国会図書館と国公私大学図書館協力委員会との間で設けられて
いる,学位論文に関するWG(正式名は違います)が開催されました。そ
の席で,NDL側から,今年度補正予算による博士論文の電子化計画
(案)が提出されました。案には後述するように学位授与機関への協力
要請も含まれており,この部分についてはWGで判断することはできず,
親委員会に持ち帰ることになります。このため,親委員会での検討を待
たなくては決定事項になるかどうか分かりませんので,ご注意ください。
長い前置きはこれくらいとして,電子化計画の骨子は以下のものです。
* 1991年から2000年に授与された学位論文約13万件を電子化
* インターネットでの公開に対する許諾は,学位授与機関に協力を
要請する。許諾のとれたもののみを外部に公開,それ以外は館内
でのみ閲覧可能
* 公開許諾が取れたものについては,OCRでのテキスト化と学位
授与機関へのデータの提供も検討する
当初検討されていたのは,資料保護の面から古い年代のものを数千件
程度ということでしたので,大きな方針の変更であり,基本的に学位授
与機関側にとって歓迎すべき提案であると思います。
ただし,実際に行うにあたって検討すべき点もいくつかあります。WGの
席で検討した内容も含めて主なものをあげると
1) すでに大学側で電子化されているものとの重複をどう回避するか
台帳データベース構想はそのためのものですが,間に合いそうもない
ようですので,当面の代替策を準備する必要があります。
2) すでに公開もしているものについてもNDL用に再度許諾が必要か
NDLからリンクをはる形にするので再度許諾を得る必要はないことに
なりそうです。
3) 来年度以降はどうなるのか
今年度は補正予算による特殊ケースですので,来年度以降は通常の
ペースとなり,大量に作成することはできないとのことです。このため,
電子化する優先度についても,以前のように保存の立場からの古いもの
となる可能性が高いかもしれないとのことでした。
今回の提案に対して国公私大学図書館協力委員会がどのように対応す
るか,現段階ではなんともいえませんが,今後電子化の計画を立案する
にあたっては,とりあえず1991−2000は避けておくのが効率的になる
可能性が高いことを報告します。
長くなりましたが,以上です。問題点がありましたら,指摘をお願いします。
質問がありましたら,この場にお願いします。
(メタデータの検討状況については別の場で報告します)
東京工業大学研究情報部
情報図書館課長 富田 健市
〒152-8550
東京都目黒区大岡山2-12-1
TEL:03-5734-3221 FAX:03-5734-3330
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