栗山先生
内島です。私の理解は,(ややここでの話しとはずれる観点もありますが)
(1)RCUK(Research Council, UK)のほとんどの分野別委員会でほぼ義務化
(2)アーサー・セールの論文(タスマニア大学の事例)
義務化から教員の理解を得て,コンテンツが増えるまで,時間と図書館
員によるアドボカシーが必須(ただし,学位論文は別,大いに成功)
(3)ジョン・マータ氏の証言
昨年,UCL(University College London)を訪問し,リポジトリ担当の
上記マータ氏の話(元ブルネイ大学)を聞いた折の中身(2と同様のお話)
「賞罰が何もないのでほっておいてもだめ・・・。」
(4)(1)にも関らず,イギリスのリポジトリはRAEの影響か,メタデータの
みのアイテムが急増(サザンプトンもULCもRAE用に3論文のみ義務化)
(5)ゆえに,各大学(エジンバラで実施,グラスゴーも予定)で義務化を検討
しかし,実際にコンテンツを順調に増やすためには2のプロセスが必要
だろうか(ハーバードは図書館員が逆に教員にアドバイスを求められた)
(6)特に,DEPOTは,(1)を踏まえて,JISCに提案
15%以下というセルフアーカイブ状況で1なしにDEPOTを立てるのはち
ょっと無茶か?(もっともだからこそ,存在意義が聞かれているという
ことでもあるかも知れませんが・・・)。昨年,Sherpaをたずねたおり
にDepotのプロジェクトマネージャーであるビル・ハバード氏に,「コン
テンツあまりないね」といったら反論されましたが・・・。
(7)ただし,PubMed Central UKは,順調に増加(機関リポジトリとは異なる
助成金受け取りのための「契約」の拘束力?)
ちょっと,論点が交錯していますが,概ねこんなところになります。
これはちょっと違うのではないでしょうか?
そもそも義務化している大学は少数派ですが、オーストラリアなど
では確実にコンテンツが増えたという報告が出ていますよね。
DEPOTに搭載するよう義務付けている機関があるという話も聞いた
ことがないのですが、いかがでしょう?
これはむしろ、研究者の自発性に任せていてはコンテンツは増えない
ことの証左のような気がするのですが。。。
栗山 正光
常磐大学人間科学部現代社会学科
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内島秀樹
金沢大学情報部情報企画課
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