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[drf:2562] Re: 2010年度のNACSIS-ILLについて



土屋先生 みなさま

いつもお世話になっております。
NIIの齊藤です。
NIIでも大学図書館でもILLに関わっていたことがありますので,
書いてみました。

現物貸借の件数が減っていることについてですが,
NACSIS-ILL統計情報 依頼・受付件数一覧 
http://www.nii.ac.jp/CAT-ILL/archive/stats/ill/reqrecpnum.html
の平成20年度,平成21年度,平成22年度あたりの貸借依頼を見ると

◆一番依頼の多い機関でも平成22年度では年間1,500件程度です。
◆平成20年度から平成22年度までで数百件依頼が減っている機関
もあれば,逆に増えている機関もあります。
◆NDLからのNACSIS-ILLによらない現物貸借も,NDLの年報等を見
たところ,大学図書館からの依頼はそれほど増えていないようで
す。

以下,私見になりますが,
◆各機関の依頼件数を見ると,元々,研究者は現物貸借を積極的
には利用していない,もしくはほとんどの研究者は利用していな
くて,一部のヘビーユーザーに支えられていると考えられなくも
ない。
前提として,現物貸借の利用主体の傾向(利用者は多いが一人あ
たりの依頼件数が少ないのか,あるいは利用者は少ないが,ヘビー
ユーザーであるか)はつかんでおく必要はあるのかなと思いまし
た。
現物貸借を利用する研究者は割と固定されているような印象もあ
りますが,その場合,全研究者のどれくらいの割合の研究者が現
物貸借を利用しているかも気になるところです。

◆大幅に減った機関,逆に増えた機関に聞き取り調査をすれば,
減った理由,増えた理由があるかもしれません。

◆微増,微減の機関は,年度によって依頼件数も変わるかもしれ
ず,聞き取り調査してもあまり理由は出てこないような気もしま
した。
一橋大学さんですと年間依頼件数が平成20年度から平成22年度で
約150件減っていて,一ヶ月あたりでは10件程度です。一利用者
あたりでは,数件程度になるかと思いますので,ここから研究ス
タイルが変わってきているとは読みにくいような気もしました。

◆割合から言うと,前年比△6%で,これは100件依頼していたも
のが,94件なったということで,数字の上では,研究スタイルが
変わったと意識されにくいかもしれません。
もちろん少数派のヘビーユーザーの研究者の研究スタイルが劇的
に変わったこともあるかもしれませんが,全体としては△6%とと
しか現れてこないので,これは一度,現物貸借をよく利用してい
る研究者に聞き取り調査をしてみてもいいかもしれないですね。

◆あと現物貸借の依頼があった場合は,本来,図書館で所蔵して
いるべき資料なのではと図書館側で判断して,なるべく購入しよ
うと努力して,現物貸借はどうしても入手できない場合に利用し
ている図書館もあって,そもそもの依頼件数が少ないのかもしれ
ないですね。

とりとめもない文章になってしまいましたが,どうぞよろしくお
願いいたします。


On Tue, 05 Jul 2011 13:29:16 +0900 (JST)
Syun Tutiya <tutiya @ xxxxxxxxxx> wrote:
Subject: [drf:2553] 2010年度のNACSIS-ILLについて
> みなさま、
> 
> 標記について、東北学院大学佐藤義則先生が速報値をくださいましたのでその
> 概要を紹介します。順調に減っているのですが、その減り具合に機関リポジト
> リがどのくらい貢献しているのかは、これから日大の小山先生が調べるはず。
> 
>   1. 全体で約79万件。前年比約△8%。ピークは2005年度の110万件。
>   2. 洋雑誌掲載論文への件数は、約29万件で30万件を切り、前年比約△12%。
>      ピークは1999年度の約67万件。
>   3. 和雑誌掲載論文への件数は、約44万件で、前年比約△6%。ピークは2006
>      年度の約53万件。   
>   4. 29+44が79にならないのは、図書の一部の複写依頼が4万件以上あり、さ
>      らにBIBフィールド不記入など判断できないものが1万件以上あるため。
>   5. ふたつのピークがずれているので、全体の件数の推移だけを見ると誤解
>      を招く可能性がある。
>   6. 現物貸借ほ全体件数は、94907件でついに10万件を切った。前年比△6%。
>      2008年度まで件数は増加して105877件まで行ったが、昨年から減少傾向(?)。
> 
> 土屋
>  
>  
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齊藤 泰雄 <saitoy @ xxxxxxxxx>

国立情報学研究所 学術コンテンツ課 
図書館連携チーム 教育研修事業担当
TEL:03-4212-2311 FAX:03-4212-2375
Web: http://www.nii.ac.jp/hrd/index.html

 
 


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