小樽商科大学 杉田さま みなさま 文教大学越谷図書館の藤倉と申します。 本学の人間科学部紀要である「人間科学研究」は、1998年度(20号)から 電子化しホームページにて公開をしてきました。 (現在はSUCRAに登録しています) 2007年度(29号)より、電子化が軌道に乗ったことと、紀要委員長の方針に より、校正実務も学内で行う(図書館ではない)ことと、冊子体部数を削減 することが決定しました。 前者については直接このご質問とは関係ないので、後述します。 * * * 29号発送時に、添付ファイルの文書を同封しました。「電子版があるので、 辞退を希望される場合は申し出てほしい」という趣旨の文書です。 発送先は、2007年度末(29号送付数)が521館でした。それに対し、1年間で 141件の回答が寄せられ、うち89件が継続送付希望、52件が辞退希望でした。 回答がなかったところにも継続送付をしましたので、2009年度末時点では 462館になっています。(新規の寄贈依頼・辞退を含む) 文書の添付による頒布縮小をアピールした割には、それほど減ってないな、 というのが率直な感想です。 毎年辞退により10件前後は漸減していますので...。 コストについても、発行部数を900部→700部に減じたのですが、この程度の 縮小ではほとんど見積額に反映されません。むしろ最近ページ数が増えて いることもあり、むしろ金額は増えています。 発送経費もほとんど差がありません。文教大学の越谷キャンパスには3学部 あって、発送先と重量によって送料を按分していることもあり、最近ページ 数が増えたこととあいまって、ほとんど差がない状態です。 縮小に絡む事務処理という点では、このFAXを処理する1年間に限っては 増加しましたが、あとは日常的な辞退通知の受け取りだけなので、ほとんど 変わりません。 というわけで、文教大・人間科学部の経験からいえば、「ほとんど影響なし」 です。ページ数のことがあるから一概にはいえませんが。 ご参考まで。 * * * 以下は、電子編集についての参考事例です。長文になりますがこちらも ご参考まで。 以前から紀要委員長は電子的な編集をすることで編集期間の短縮・コスト 縮減ができるのではないか、というお考えをお持ちで、この紀要において 実践にうつされました。 (もうひとつ、これによって音声・動画といったマルチメディアPDFを紀要に 組み入れたいということもあります) 1、提出は基本的にWord、テキストファイルなど電子的なものにしてもらうよう 執筆者らに周知する。 2、提出された原稿を印刷会社に入稿し、Adobe InDesignによって指定の版組を してもらう。 3、初校として、ゲラと同時にInDesignのファイルを納品してもらう。 4、学内の校正担当者を通じて、執筆者らに校正をしてもらう。 校正担当者は、校正内容をInDesignを使用して即座に反映し、執筆者に 戻し、学内だけで2校・3校...と重ねていく。 図版の修正など、InDesignのレベルでは簡単にできないような作業については 印刷業者と校正担当者の間で直接行う。 5、校了した段階で、印刷業者にInDesignファイルを送り、それをもとに印刷 してもらう。 という流れになります。特殊なのは3〜5ですね。 編集事務を担当するところのわたしは、校正担当者(学部に所属する契約職員) との事務連絡くらいしかすることがないので他学部に比べて楽ではあるのですが 問題もあります。 まずコスト面。印刷会社としても校正回数が減る分コストは減るはずなのですが、 ほとんど変わりません。(見積もり依頼時に手法と趣旨を説明しているので、 多少なりとも反映されていてもよいと思うのですが) それから、懇意にしていた印刷会社の1つがInDesignを使ってないということで 入札対象から外れてしまったということも残念な点です。 なにより、校正担当者への負担があるわけですから、トータルコストから すれば、たぶん増えているのではないか...とも思いますし、校正担当者という 「人」についた仕事になってしまったので、もしその人が退職なり異動なり した場合に、技術の継承をどうしたものか、という問題があります。 いま担当してくださっている方は、ものすごく丁寧な作業をしてくださる方です。 が、丁寧ゆえに時間がかかり、今回発行スケジュールが遅延してしまいました。 担当者は学内の人間ですからあまり鬼のようになって督促するわけにもいかず、 わたしが甘かったところもあるのですが...。 結局、効果がどの程度あるのかはちょっと微妙ですが、いい業者にあえば 大幅なコストダウンができるかもしれませんね。 なにより、リポジトリに掲載するPDFは校了時点のInDesignから出力できます から、冊子の納品を待たなくてもよい、というのが最大のメリットでしょうか。 長文失礼しました。 ================================================================= 藤倉 恵一 [FUJIKURA, Keiichi] 文教大学越谷図書館 情報サービス係 〒343-8511 埼玉県越谷市南荻島3337 TEL 048-974-8811(内線1709) FAX 048-974-8040 E-Mail: siegler @ xxxxxxxxxxxxxxxx (Office) keiichi.fujikura @ xxxxxxxxxxx =================================================================
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