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[drf:1378] Re: 行かないと!DRFIC2009 セッション3講演者の方々をご紹介します!Re: DRFIC2009参加締切20日まで延長します



北大 杉田です。

> ■■サイモンさんについて
> 
> (すらっとしたハンサムで、とても親切な方です。)
> 
> クランフィールド大学には、北大さんが何年か前に訪問していますよね?(笑)
> ぜひ、紹介推薦コメントをよろしくです。>杉田さま
> 
> クランフィールド大学では、図書館のサービス担当が先生にアタックし、目録担当
> が登録する、というように、全館体制の分担制で機関リポジトリを運営しています。
> また、1,000件目の著者に花束を渡しインタビューするセレモニーを行い、それを
> 広報誌に掲載してPRするといった活動を行なったりもしています。

クランフィールド大学に訪問したのは、北大の機関リポジトリが正式稼働した
2006年の秋でした。
クランフィールド大学はロンドン郊外にある大学院大学です。最寄の鉄道駅か
らバスで50分ほどかかる田舎で、車窓からは野うさぎがとびはねている姿を見
ることができました。工学とくに航空工学がさかんで、図書館の隣に飛行場が
あってびっくりしました。北九州にもキャンパス(分校)があります。
( http://www.cranfield.jp/jap/kitakyushu.html )
当時、CSI-IRのMLに出した出張報告を本メールの下部に再掲(抄)します。

今回来日されるサイモン・J・ビーヴァン氏はクランフィールド大学図書館の
情報システム課長で、ほんとうに親切にいろいろ相手をしてくださいました。
いかに教員の共感を勝ち取り、IRコンテンツを蓄積していくか、ということに
ついて熱心に戦略、戦術を練っている方で、いろいろお話を聞きつつ、『ぼく
らは世界と課題を共有してる!』ということが実感としてわかったのをはっき
りと覚えています。

あれから3年、クランフィールド大学のIRをどう展開してきたのでしょう、
自分も期待してます!




クランフィールド大学出張報告(再掲)(抄)

> <Cranfield QUEprintsについて>
> 
> ・22名の図書館職員中、7名が機関リポジトリ構築に関わっている。それぞれ
>  は担当毎の分業体制(例えば目録スタッフによるメタデータ作成)にあり、
>  それぞれがそれぞれの業務時間を持ち寄って推進している。
> ・システムはDSpace。
> ・コンテンツは、ワーキングペーパー46.8%、雑誌掲載論文28.9%、学位論文
>  12.5%、テクニカル・レポート9.8%、その他である。
> ・当然ながら、全てフルテキストを伴う。
> ・ワーキングペーパーは従来別システムで管理していた電子化コンテンツを
>  DSpaceに一括移行したもので、収集対象として力を入れているわけではない。
> ・雑誌掲載論文が最も重要であり、かつ最も収集困難である。スコーパスの
>  調査に基づく個別寄託依頼を行っている。北大のウェブ・オブ・サイエン
>  ス調査によるコンテンツ収集と全く同じである(北大側から示した作業手
>  順を見て、「同じ同じ」とおおきくうなづく)。
> ・学位論文は制度化している。
> ・その他の中にはレジュメがあり、他所での入手が困難であるため、QUEprints
>  の中で最も利用が多い。
> ・前任地での成果は収録対象としていない。なぜならそれはクランフィール
>  ドの学術研究ではないからである。
> ・雑誌掲載論文の提供を研究者に求める上で、4つの主な阻害要因がある。
>  ・忙しい。
>  ・出版バージョンと異なる版の流布を嫌う。
>  ・全業績を搭載できるわけでなく(過去の文献は散逸している)、従って
>   あたかも自分の業績が「これだけしかない」ように見えてしまう(※1)。
>  ・部門のウェブサイトに文献を掲載するとすれば、研究者情報や研究内容
>   への手厚いナビゲーションを実現できるが、現在のところQUEprintsは
>   そこまでのインテグレーションができていない(※2)。
> ・前項※1が最大の課題である。
> ・前項※2の解決策として、ロチェスター大学開発のリサーチャーページの
>  運用を考えている。
> ・総じて、研究者との対話が最も重要である。
> ・あまり協力的でない研究者に対しては、利点(benefit)を示したところ、
>  すっかり協力的になったケースがある。
>  →北大:我々も毎月、ダウンロード回数を研究者にメールでお知らせして
>   いて、嬉しい反応を得ている。
>   →同じ考え方だ! なるほど論より証拠というわけか。
>    ダウンロード通知サービスはナイスアイデアだ。参考としたい。ここ
>    でサイモン、メモを取る。
> ・自身で登録作業をしているのは4名。
> ・プロモーションの一例:あるナノテク研究者。彼の発表誌はウェブ・オブ・
>  サイエンスにもスコーパスにも他のどのデータベースにも採録されていな
>  い。つまり、当該ジャーナルの購読者にしか、彼の文献は見られることが
>  ない。機関リポジトリはそれを補完するものである。このことを説明する
>  ことで強力な協力者となってくれた。
> ・プロモーションの一環として、1,000件目の文献提供者を表彰した。
> ・その他、プロモーション活動としては、大学機関紙に文献登録数に加えて
>  利用数を掲載し、可視性向上の狙いをアピールしている。
> ・強制(mandate)はしておらず、奨励(encouragement)している。
> ・1,000件突破という成功の鍵は図書館が大きく関与したことと初期協力者
>  (Early Adopters)の協力であったと思う。
> ・ケンブリッジ大学(岩の写真やRFCテキストで10万件超)のような機関リポ
>  ジトリは邪道である。写真の電子化データ等は別(separated)とすべきだ。
> ・当初、CUEprintsと名乗る予定であったが、「C」がケンブリッジとかぶる
>  ことから、音が共通である「Q」を用いることとした。(日本でKyushu
>  UniversityがQIRと名乗っていることを紹介し、ハリントン氏が「どこも同
>  じだ」と破顔) 



-- 
杉田茂樹 <sugita @ xxxxxxxxxxxxxxxxx>
北海道大学附属図書館学術システム課システム管理担当
電話番号:011-706-2524,ファクシミリ:011-706-4099
http://eprints.lib.hokudai.ac.jp
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    DRFIC2009「オープンアクセスリポジトリの現在と未来
         ―世界とアジアへの視点から―」
    12月3日(木)〜4日(金)東京工業大学蔵前会館にて
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