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[drf:1781] Re: 著者が亡くなられていた場合の...



栗山先生

> この「民族学研究アーカイブ」というのは物としての資料を保管する
> 場で、いわゆるデジタル・アーカイブではないという理解でよろしい
> でしょうか?
> それで、電子化の部分はリポジトリでやろうということなんでしょうか?

 はい、様々な資料が含まれ、資料の種類によって所掌する担当課が
違いますが、基本的に現物主義でデジタルにはしません。ただし、劣
化の具合によって、映像音響資料はデジタル化することがあります。

 紙資料でもフィールドノートなど、痛みが激しいものがあり、デジ
タル化した方が良いかも、と個人的に思うことはあります。今後の課
題ですね。

 これらは、一点ずつ(コメントではなく)見たままの状態をリスト
として表記し、Webで公開しています。何が「大事」か、何が「重要」
か、全く分かりませんし、「意味」があるのかどうかすらわからない
ものも多々ありますが、そこに我々の判断が入り込む余地はなく、い
や判断してはいけなくて、そういうのは極力排除しなければいけませ
ん。例えば資料が入れられていた封筒、段ボール箱、藤篭など、それ
自体が資料である可能性も否定できないので、捨てられません。植物
や何かの生き物(?)らしい物体の残骸も同様です。このあたりが「志
半ばで亡くなられた研究者の遺品」故の悩みです。

 すでに気付かれていると思いますが、これ、図書館ではなく資料館、
博物館の仕事です。Librarianではなく、Archivistsです。ここに民
博の特殊性があります。話し出すと、梅棹先生の思想にまで遡ります
ので、大幅にカットして、結果、リポジトリの対象物には、これらの
「アーカイブ」は、今のところ含まれていません。

> 本当にリポジトリはアーカイブ事業ではないのか、整理が必要ですよね。
> リポジトリは最新の研究成果を短期間発信するもので長期保存は守備
> 範囲外だというのも一つの考え方です。

 あまり深く考えていませんでしたが、最近になって、ご自分のフィー
ルドノートの劣化が激しいので、デジタル化したいという相談があり、
「あ、それ公開しても良いならそのままリポに入れたら駄目かな?」と
思いました。厳密に言うと成果物ではなく、成果に至る(かもしれない)
過程物なんですが、研究対象資料としてはリポに入れてもいいんじゃな
いか、むしろそういう(語弊がありますが)雑多なものこそ入れちゃえ
ば、いいんじゃないかなぁ、と理屈の裏付けはありませんが、漠然と考
えました。なんかいいよね、多分とてもいいかもしれないことだ、と。
(これも、フィールドノートの紙質がとか、それについているシミはと
か言いだす人がいますが、無視)

> しかし、実際に別にアーカイブがあるということであれば、統合して電子化
> も含めたアーカイブ事業を一緒にやればいいという考え方も成り立つの
> ではないでしょうか?
> 私が仕分け人だったら、そう指摘します(^^;)。

 ここで仕分けられるとは思っても居ませんでした(・・;)
 それって正論ですよね。正論だから良いわけではありませんが。どう
抗弁したらいいかな...

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