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[drf:3634] Re:D論のPDFのセキュリティ



土屋先生

と くに土出さんもこの直前の投稿でたびたび指摘されていたとおり、公表の義務
を負うのは学位取得者であり、協力を求められているのは、学位授与機関であ
るので、その当事者がどう考えるかがなにより大事であり、図書館は、学術情
報の普及、流通の促進という観点から支援、助言するという立場だからです。
図書館が何かしようと思ってはいけません。しかしもちろん、当事者が、無知
ゆえに誤った判断をしようとするときには、専門家の立場から適切な介入をす
ることが求められているのだと思います。

そうですね。
図書館単体で考えるべきではなく、機関全体で・・・というのが本来なのでしょう。
しかしながら、大学側の担当者にリポジトリやオープンアクセス、電子化への
知識が足りない場合も多く、図書館からのサポートが必要な大学が多いのでは
ないかと推測します。
本学もその一つですので、大学の担当者を支えるかたちでこの件については
取り組む必要があります。

画像解析の対象は、たんなる数値列なので、問題は生じるはずもありませんが。
かつ、ここで「お伝えしにくい」という気持ちがわかりません。本人に責任が
あるときに、本人の責任であることをお伝えするのは専門家としての義務だと
思います。

画像解析といってもいろんな分野がありますし、一概に数値列とは
限りません。
文系分野で模様や文字などの不鮮明な画像データを
コンピュータ処理し、鮮明にして利用するというものもありますし、
問題が生じる場合もあります。
そのような博士論文において、公開できない画像を使うのは問題があり、
NDLで公開できないのは自己責任であると言うのは、
言いにくくないですか?

セキュリティーをかけても、いくらだって破る方法はあるので、
かけても意味ない・・・とは思いますが・・・
でも、それを表立って言ってしまうと博士論文は法律で定まっているからいいとして、
他のコンテンツを収集する際、提供をこばむ研究者は多いと推測します。
そんなんは、ほっとけ。という考え方では、なかなかオープンアクセス化は
進まないかと・・・

誤解されると困りますが、私自身はセキュリティーはいくらでもやぶることが
できると思いますし、それほど重要性は感じていません。
ただ、気休めでも、セキュリティーをかけたいとおっしゃるのであれば、
かけてもいいのでは。
家に鍵かけても、窓を破るとか、いくらでも侵入方法はありますが、
まあ、鍵かけといたら、少しは安心。じゃないですか。

研究者の方は、画像提供者にお願いをして公開している訳で、
画像提供者が「そんなにややこしいことを言ってくるなら、
画像の提供はしない」となってしまうと研究自体に支障が生じますよね。
なので、画像提供者に無理を言う訳にはいかず、
結局、不完全な要約をあげるしかないということになると思います。

それはわかりません。研究目的の提供はそうとうケチな人でもやってくれます。

どのような分野を先生が想定されているのかわかりませんが、
実際に、文系の研究施設が研究目的であっても、
有料で画像を提供しているケース、公開を限定しているケースは存在します。

ともかく理由はなんであれば、公表できないならば、やむを得ず公表できない
のですから、公表しないだけのことで、別に気にすることはありません。要約
は、(画像を含めた)全文でないからという意味で不完全であるということであ
れば、たしかに不完全ですが、それでも学位は取得され、その根拠である学位
論文の内容は公表されているので、(芸術作品が学位授与条件の一部を構成す
るような場合は別にして)まったく誰も困りません。

誰も困らないでしょうか。
不便を感じる研究者もいると思うのですが・・・


                             森下 映理


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