DSpace Collection:
http://hdl.handle.net/2115/20127
2024-03-28T10:02:48Z
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歯科診療時における重症心身障害者の精神的ストレスの評価方法の検討 : 心拍変動解析と皮膚電気活動を用いて [全文の要約]
http://hdl.handle.net/2115/91262
Title: 歯科診療時における重症心身障害者の精神的ストレスの評価方法の検討 : 心拍変動解析と皮膚電気活動を用いて [全文の要約]
Authors: 澤口, 萌
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2023-03-24T15:00:00Z
澤口, 萌
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連結強度の違いが部分床義歯ならびに欠損隣接歯の長期予後に与える影響の検討 [全文の要約]
http://hdl.handle.net/2115/91019
Title: 連結強度の違いが部分床義歯ならびに欠損隣接歯の長期予後に与える影響の検討 [全文の要約]
Authors: 今田, 瑠偉
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2023-09-24T15:00:00Z
今田, 瑠偉
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連結強度の違いが部分床義歯ならびに欠損隣接歯の長期予後に与える影響の検討 [論文内容及び審査の要旨]
http://hdl.handle.net/2115/91018
Title: 連結強度の違いが部分床義歯ならびに欠損隣接歯の長期予後に与える影響の検討 [論文内容及び審査の要旨]
Authors: 今田, 瑠偉
2023-09-24T15:00:00Z
今田, 瑠偉
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転移性腫瘍細胞外小胞miRNAによる血管内皮の形質変化とがん転移促進メカニズムの解明
http://hdl.handle.net/2115/90937
Title: 転移性腫瘍細胞外小胞miRNAによる血管内皮の形質変化とがん転移促進メカニズムの解明
Authors: 森本, 真弘
Abstract: 腫瘍血管は遠隔転移が生じる際に重要な経路となる.腫瘍細胞は,自らに都合の良い環境を作るために,細胞外小胞 (Extracellular vesicles;EVs) を分泌する.われわれはこれまでに,低転移性腫瘍EVs と比較して高転移性腫瘍EVs に多く含まれるmiRNA としてmiR-1246 を同定している.本研究では,EVs 中のmiR-1246 が腫瘍の転移に果たす役割について,特に腫瘍血管に焦点をあててそのメカニズムを明らかにすることを目的とした.高転移性腫瘍のEVs をマウスに注射すると,腫瘍細胞の肺への接着と転移が増加することがわかった.逆に,高転移性腫瘍細胞のmiR-1246 をノックダウンしてマウスに皮下移植すると,肺転移が減少した.そこでわれわれは,転移に関与する腫瘍細胞の血管内皮への接着と,血管内皮のバリア機構に着目した.血管内皮に高転移性腫瘍EVs 処理またはmiR-1246 導入を行うと,IL-6-STAT3経路を介して血管内皮細胞膜上の接着分子ICAM-1 の発現が亢進し,血管内皮に接着する腫瘍細胞が増加した.また,miR-1246 導入によって血管内皮間接着分子VE-Cadherin の発現が低下し,血管内皮モノレイヤーの透過性が亢進した.標的遺伝子予測データベースおよび3’ UTR assay により,VE-Cadherin はmiR-1246 の標的遺伝子であることがわかった. 以上の結果から,高転移性腫瘍EVs 中のmiR-1246 は血管内皮に取り込まれることにより,内皮への腫瘍細胞の接着促進および血管内皮のバリア機構の破壊によって転移を促進することが示唆された.
2019-03-24T15:00:00Z
森本, 真弘
腫瘍血管は遠隔転移が生じる際に重要な経路となる.腫瘍細胞は,自らに都合の良い環境を作るために,細胞外小胞 (Extracellular vesicles;EVs) を分泌する.われわれはこれまでに,低転移性腫瘍EVs と比較して高転移性腫瘍EVs に多く含まれるmiRNA としてmiR-1246 を同定している.本研究では,EVs 中のmiR-1246 が腫瘍の転移に果たす役割について,特に腫瘍血管に焦点をあててそのメカニズムを明らかにすることを目的とした.高転移性腫瘍のEVs をマウスに注射すると,腫瘍細胞の肺への接着と転移が増加することがわかった.逆に,高転移性腫瘍細胞のmiR-1246 をノックダウンしてマウスに皮下移植すると,肺転移が減少した.そこでわれわれは,転移に関与する腫瘍細胞の血管内皮への接着と,血管内皮のバリア機構に着目した.血管内皮に高転移性腫瘍EVs 処理またはmiR-1246 導入を行うと,IL-6-STAT3経路を介して血管内皮細胞膜上の接着分子ICAM-1 の発現が亢進し,血管内皮に接着する腫瘍細胞が増加した.また,miR-1246 導入によって血管内皮間接着分子VE-Cadherin の発現が低下し,血管内皮モノレイヤーの透過性が亢進した.標的遺伝子予測データベースおよび3’ UTR assay により,VE-Cadherin はmiR-1246 の標的遺伝子であることがわかった. 以上の結果から,高転移性腫瘍EVs 中のmiR-1246 は血管内皮に取り込まれることにより,内皮への腫瘍細胞の接着促進および血管内皮のバリア機構の破壊によって転移を促進することが示唆された.
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ヒト口腔粘膜上皮細胞のIL-1αおよびβ-defensin 1の産生に対する半夏瀉心湯とデキサメタゾンの作用比較 [全文の要約]
http://hdl.handle.net/2115/90936
Title: ヒト口腔粘膜上皮細胞のIL-1αおよびβ-defensin 1の産生に対する半夏瀉心湯とデキサメタゾンの作用比較 [全文の要約]
Authors: 羽藤, 裕之
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2023-03-22T15:00:00Z
羽藤, 裕之
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接着性シーラーを用いた根管充填が垂直歯根破折の抵抗性に及ぼす効果
http://hdl.handle.net/2115/90531
Title: 接着性シーラーを用いた根管充填が垂直歯根破折の抵抗性に及ぼす効果
Authors: 河合, 大史
Abstract: 垂直性⻭根破折は⻭頸部から根尖に向かって破折するだけではなく,根尖部から⽣じ⻭冠側に破折していく症例も多い.この対策として,根管充填材を根管壁に接着することが有効と考えられ,本研究では接着性シーラーと,除去可能なポイントを併⽤した根管充填が破折抵抗性の向上に有効であるかを検討した.成ブタの⻭根を#80まで根管拡⼤後,S群はポイントを⽤いず4-META/MMA-TBBレジンのみで根管充填した.S-G群はS群の⽅法に加えて,ガッタパーチャポイントによる単⼀ポイント法を⾏った.S-F群はS群の⽅法に加えて,ノルマルヘプタンをプライマーとし塗付したポリプロピレン製のポイントを⽤いた単⼀ポイント法を⾏った.S-T群は根管壁を表⾯処理材グリーンで処理後,さらにセルフエッチングプライマーで処理した後に,4-META/MMA-TBBレジンのみで根管充填した.S-T-F群はS-F群の⽅法に加えてポリプロピレン製のポイントを⽤いた単⼀ポイント法を⾏った.M群はポイントを⽤いずにメタクリル酸エステル系シーラーのみで根管充填した.M-G群はM群の⽅法に加えて,ガッタパーチャポイントを⽤いた単⼀ポイント法を⾏った.M-F群はM群の⽅法に加えて,ポリプロピレン製のポイントを⽤いた単⼀ポイント法を⾏った.またC群はコントロールとして根管充填を⾏わなかった.24時間後に⻭軸に直交する⽅向で厚さ1.0mmに切断し,引張強さを計測した.その結果,S-T群とS-T-F群はほぼ同様の引張強さを⽰し,他のすべての群より有意(p>0.05)に⾼い値を⽰し,C群の約1.6倍となった.以上の結果から,根管壁を表⾯処理材グリーンで処理後にセルフエッチングプライマーでさらに処理を⾏い,4-META/MMA-TBBレジンでポリプロピレン製のポイントを接着することで,根管充填材の除去も可能で破折抵抗性の向上も得られることが⽰唆された.
2022-03-23T15:00:00Z
河合, 大史
垂直性⻭根破折は⻭頸部から根尖に向かって破折するだけではなく,根尖部から⽣じ⻭冠側に破折していく症例も多い.この対策として,根管充填材を根管壁に接着することが有効と考えられ,本研究では接着性シーラーと,除去可能なポイントを併⽤した根管充填が破折抵抗性の向上に有効であるかを検討した.成ブタの⻭根を#80まで根管拡⼤後,S群はポイントを⽤いず4-META/MMA-TBBレジンのみで根管充填した.S-G群はS群の⽅法に加えて,ガッタパーチャポイントによる単⼀ポイント法を⾏った.S-F群はS群の⽅法に加えて,ノルマルヘプタンをプライマーとし塗付したポリプロピレン製のポイントを⽤いた単⼀ポイント法を⾏った.S-T群は根管壁を表⾯処理材グリーンで処理後,さらにセルフエッチングプライマーで処理した後に,4-META/MMA-TBBレジンのみで根管充填した.S-T-F群はS-F群の⽅法に加えてポリプロピレン製のポイントを⽤いた単⼀ポイント法を⾏った.M群はポイントを⽤いずにメタクリル酸エステル系シーラーのみで根管充填した.M-G群はM群の⽅法に加えて,ガッタパーチャポイントを⽤いた単⼀ポイント法を⾏った.M-F群はM群の⽅法に加えて,ポリプロピレン製のポイントを⽤いた単⼀ポイント法を⾏った.またC群はコントロールとして根管充填を⾏わなかった.24時間後に⻭軸に直交する⽅向で厚さ1.0mmに切断し,引張強さを計測した.その結果,S-T群とS-T-F群はほぼ同様の引張強さを⽰し,他のすべての群より有意(p>0.05)に⾼い値を⽰し,C群の約1.6倍となった.以上の結果から,根管壁を表⾯処理材グリーンで処理後にセルフエッチングプライマーでさらに処理を⾏い,4-META/MMA-TBBレジンでポリプロピレン製のポイントを接着することで,根管充填材の除去も可能で破折抵抗性の向上も得られることが⽰唆された.
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難治性根尖性歯周炎に対する高周波電流の有効性に関する後ろ向き観察研究
http://hdl.handle.net/2115/90530
Title: 難治性根尖性歯周炎に対する高周波電流の有効性に関する後ろ向き観察研究
Authors: 多田, 瑛一朗
Abstract: 根尖性歯周炎の原因として,根管系への種々の細菌や,感染歯質などが報告されており,その治癒には感染源の徹底的な除去が不可欠である.しかし,従来の機械的根管拡大形成と化学的消毒を行い,根管内に汚染が認められないにも関わらず,炎症が消失しない症例(以下,難治症例)や,根尖病変があるにも関わらず,根尖孔までファイルが到達不可能な症例(以下,穿通不可症例)がある.本研究は,難治症例や穿通不可症例に対して,高周波電流の通電(以下,HFC:High frequency conduction)を行い,その有効性と治癒に影響を及ぼす因子について評価した.2010年1月1日から2021年8月31日の間に,北海道大学病院および医療法人とみなが歯科医院にて,根尖性歯周炎と診断され,化学的機械的根管清掃を行った患者を対象とした.調査項目は,難治症例が27項目,穿通不可症例が24項目であった.治療成績の評価は,マイクロスコープ下での炎症の有無を確認し,periapical indexによる5段階評価と臨床症状により,成功もしくは失敗と評価した.難治症例のHFC群の累積成功率は1年6カ月後において,66.7%であり,対照群では4.3%であった.穿通不可症例のHFC群の累積成功率は2年後において65.8%であり,対照群では2.3%であった.難治症例,穿通不可症例共に,HFC群は対照群と比較して,累積成功率が有意に(p<0.001)高かった.また,傾向スコア・マッチング後のHFC群と対照群における成功率をLogistic回帰分析により比較した結果,HFC群が対照群と比較して,難治症例はオッズ比が39.00(95%信頼区間:4.18-364.00,p<0.01),穿通不可症例はオッズ比が66.50(95%信頼区間:8.15-542.00,p<0.001)であった.以上より,従来の化学的機械的根管治療では炎症が改善しない難治症例や,根尖部骨欠損があるが根尖孔への穿通が不可能な穿通不可症例に対してHFCを行うことは,きわめて高い効果を有することが明らかとなった.またHFCによる有害事象は一例もなかった.
2022-03-23T15:00:00Z
多田, 瑛一朗
根尖性歯周炎の原因として,根管系への種々の細菌や,感染歯質などが報告されており,その治癒には感染源の徹底的な除去が不可欠である.しかし,従来の機械的根管拡大形成と化学的消毒を行い,根管内に汚染が認められないにも関わらず,炎症が消失しない症例(以下,難治症例)や,根尖病変があるにも関わらず,根尖孔までファイルが到達不可能な症例(以下,穿通不可症例)がある.本研究は,難治症例や穿通不可症例に対して,高周波電流の通電(以下,HFC:High frequency conduction)を行い,その有効性と治癒に影響を及ぼす因子について評価した.2010年1月1日から2021年8月31日の間に,北海道大学病院および医療法人とみなが歯科医院にて,根尖性歯周炎と診断され,化学的機械的根管清掃を行った患者を対象とした.調査項目は,難治症例が27項目,穿通不可症例が24項目であった.治療成績の評価は,マイクロスコープ下での炎症の有無を確認し,periapical indexによる5段階評価と臨床症状により,成功もしくは失敗と評価した.難治症例のHFC群の累積成功率は1年6カ月後において,66.7%であり,対照群では4.3%であった.穿通不可症例のHFC群の累積成功率は2年後において65.8%であり,対照群では2.3%であった.難治症例,穿通不可症例共に,HFC群は対照群と比較して,累積成功率が有意に(p<0.001)高かった.また,傾向スコア・マッチング後のHFC群と対照群における成功率をLogistic回帰分析により比較した結果,HFC群が対照群と比較して,難治症例はオッズ比が39.00(95%信頼区間:4.18-364.00,p<0.01),穿通不可症例はオッズ比が66.50(95%信頼区間:8.15-542.00,p<0.001)であった.以上より,従来の化学的機械的根管治療では炎症が改善しない難治症例や,根尖部骨欠損があるが根尖孔への穿通が不可能な穿通不可症例に対してHFCを行うことは,きわめて高い効果を有することが明らかとなった.またHFCによる有害事象は一例もなかった.
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根管の直径と数が高周波電流の焼灼効果に及ぼす影響
http://hdl.handle.net/2115/90529
Title: 根管の直径と数が高周波電流の焼灼効果に及ぼす影響
Authors: 内沢, 英作
Abstract: 高周波電流は古くから電気メスとして軟組織の切開や止血などに応用され、根管治療では通常の機械的、化学的拡大清掃が困難な部位への殺菌に用いられてきた。また、高周波電流の通電により、根管が狭い部位では電極が接触しなくても根管壁の有機質を蒸散させたり、象牙質の溶融を起こしたりすることが可能であることが報告されている。本研究では、根管の直径が異なる場合や複数の根管がある場合に、焼灼状態にどのような影響をおよぼすかを検討した。厚さ1mmの象牙質ブロックに#10または40の単根管の模擬根管、および#10/#10、#10/#40、#40/#40の2根管の模擬根管を形成し合計5群とした。象牙質ブロック周囲に高さ3㎜程度の隔壁を作製後、Plank-Rychlo溶液で5分間処理して根管壁に脱灰層を作製、根管モデルとした。能動電極には#50Kファイルを用い、周波数520kHz、duty70%、電圧225Vの高周波電流を通電した。隔壁内および模擬根管内は10%次亜塩素酸ナトリウムを満たし、能動電極は模擬根管から1㎜以上離して通電を行った。通電時間は、肉眼で模擬根管からの気泡発生を確認後、さらに0秒、2秒、4秒とした。通電後模擬根管に平行に象牙質ブロックを割断し、模擬根管壁の光学顕微鏡観察、走査型電子顕微鏡観察、元素分析を行った。高周波電流の通電による根管壁の変色や脱灰層除去効果は、単根管モデルでは#10より#40の方が高く、#10/#40の2根管モデルでも#40の方が高かったが、通電時間を長くすることで#10でも脱灰層の減少がみられた。また根管の太さが同じ2根管モデルでは、#10でも#40でも2根管で焼灼状態に差が見られたが、通電時間を長くすることで両根管の差は小さくなり、両根管とも脱灰層の残存は著しく減少した。以上の結果より、能動電極が接触しない模擬根管が2根管であっても焼灼が可能であり、側枝や根尖分枝などが殺菌できる可能性が示唆された。
2022-03-23T15:00:00Z
内沢, 英作
高周波電流は古くから電気メスとして軟組織の切開や止血などに応用され、根管治療では通常の機械的、化学的拡大清掃が困難な部位への殺菌に用いられてきた。また、高周波電流の通電により、根管が狭い部位では電極が接触しなくても根管壁の有機質を蒸散させたり、象牙質の溶融を起こしたりすることが可能であることが報告されている。本研究では、根管の直径が異なる場合や複数の根管がある場合に、焼灼状態にどのような影響をおよぼすかを検討した。厚さ1mmの象牙質ブロックに#10または40の単根管の模擬根管、および#10/#10、#10/#40、#40/#40の2根管の模擬根管を形成し合計5群とした。象牙質ブロック周囲に高さ3㎜程度の隔壁を作製後、Plank-Rychlo溶液で5分間処理して根管壁に脱灰層を作製、根管モデルとした。能動電極には#50Kファイルを用い、周波数520kHz、duty70%、電圧225Vの高周波電流を通電した。隔壁内および模擬根管内は10%次亜塩素酸ナトリウムを満たし、能動電極は模擬根管から1㎜以上離して通電を行った。通電時間は、肉眼で模擬根管からの気泡発生を確認後、さらに0秒、2秒、4秒とした。通電後模擬根管に平行に象牙質ブロックを割断し、模擬根管壁の光学顕微鏡観察、走査型電子顕微鏡観察、元素分析を行った。高周波電流の通電による根管壁の変色や脱灰層除去効果は、単根管モデルでは#10より#40の方が高く、#10/#40の2根管モデルでも#40の方が高かったが、通電時間を長くすることで#10でも脱灰層の減少がみられた。また根管の太さが同じ2根管モデルでは、#10でも#40でも2根管で焼灼状態に差が見られたが、通電時間を長くすることで両根管の差は小さくなり、両根管とも脱灰層の残存は著しく減少した。以上の結果より、能動電極が接触しない模擬根管が2根管であっても焼灼が可能であり、側枝や根尖分枝などが殺菌できる可能性が示唆された。
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メタクリル酸エステル系接着性シーラーの封鎖性と生体親和性に及ぼす水の影響
http://hdl.handle.net/2115/90425
Title: メタクリル酸エステル系接着性シーラーの封鎖性と生体親和性に及ぼす水の影響
Authors: 鈴木, 魁
Abstract: 側枝やフィン,イスムスなど狭い間隙部を封鎖するにはシーラーが重要な役割を担っているが,それらの部位にはペーパーポイントが到達しないため乾燥することが困難で,水が残留している場合が多く,現在使用されているシーラーでは,水が混和すると硬化や接着が阻害されるため封鎖性が低下すると考えられる.しかし,4-methacryloxyethyl trimellitateanhydrideと2-hydroxyethylmethacrylate,水を主成分としているメタクリル酸エステル系シーラー(メタシールSoftペースト,以下MSSP)は,ある程度の量の水が混和しても硬化や接着が期待される.そこで本研究では,水を混和した場合や湿潤状態にある象牙質面へのシーラーの封鎖性,および水を混和した場合の生体親和性への影響を評価した.MSSPに蒸留水を体積比で1:0または1:1で混和し,溶解率と重合率を計測した.次に,MSSP,AH PlusR,キャナルスNを用い,シーラー:蒸留水を質量比で1:0,1:0.1,1:0.2,1:0.3で混和し,牛歯から作製した象牙質ブロックに塗布,硬化後に色素浸入試験を行った.また,同様の方法で,表面を水で浸潤させた象牙質ブロックに,水を混和していない各シーラーを塗布して色素浸入試験を行った.さらに,水を混和したシーラーをラット皮下結合組織に埋入し,病理組織学的に炎症状態を評価した.その結果,MSSPは水の混和率が1:1でも溶解率や重合率に変化はなかった.また,水を混和したシーラーの色素浸入率は,MSSPでは大きな影響がみられなかったが,AH PlusRやキャナルスNは水の混入率が1:0.2になると色素浸入量が大きくなり,MSSPに対して有意に色素浸入率が高くなった(p=0.035).さらに,MSSPは象牙質面上の水の有無で色素浸入率に大きな影響はなかったが,AH PlusRおよびキャナルスNに比較して有意(p<0.001)に色素浸入率が低かった.一方,MSSPは水を混和して練和直後に移植した場合でも炎症はほとんど見られなかったが,AH PlusRやキャナルスNは強い炎症みられ,MSSPは他の2群に対して有意(p<0.001)に炎症が少なかった.以上の結果から,MSSPは水が混和しても重合率が低下せず象牙質への封鎖性に影響がほとんどなく,湿潤状態の象牙質に対しても高い封鎖性が得られるとともに,水が混和しても高い生体親和性があることが明らかになった.
2022-03-23T15:00:00Z
鈴木, 魁
側枝やフィン,イスムスなど狭い間隙部を封鎖するにはシーラーが重要な役割を担っているが,それらの部位にはペーパーポイントが到達しないため乾燥することが困難で,水が残留している場合が多く,現在使用されているシーラーでは,水が混和すると硬化や接着が阻害されるため封鎖性が低下すると考えられる.しかし,4-methacryloxyethyl trimellitateanhydrideと2-hydroxyethylmethacrylate,水を主成分としているメタクリル酸エステル系シーラー(メタシールSoftペースト,以下MSSP)は,ある程度の量の水が混和しても硬化や接着が期待される.そこで本研究では,水を混和した場合や湿潤状態にある象牙質面へのシーラーの封鎖性,および水を混和した場合の生体親和性への影響を評価した.MSSPに蒸留水を体積比で1:0または1:1で混和し,溶解率と重合率を計測した.次に,MSSP,AH PlusR,キャナルスNを用い,シーラー:蒸留水を質量比で1:0,1:0.1,1:0.2,1:0.3で混和し,牛歯から作製した象牙質ブロックに塗布,硬化後に色素浸入試験を行った.また,同様の方法で,表面を水で浸潤させた象牙質ブロックに,水を混和していない各シーラーを塗布して色素浸入試験を行った.さらに,水を混和したシーラーをラット皮下結合組織に埋入し,病理組織学的に炎症状態を評価した.その結果,MSSPは水の混和率が1:1でも溶解率や重合率に変化はなかった.また,水を混和したシーラーの色素浸入率は,MSSPでは大きな影響がみられなかったが,AH PlusRやキャナルスNは水の混入率が1:0.2になると色素浸入量が大きくなり,MSSPに対して有意に色素浸入率が高くなった(p=0.035).さらに,MSSPは象牙質面上の水の有無で色素浸入率に大きな影響はなかったが,AH PlusRおよびキャナルスNに比較して有意(p<0.001)に色素浸入率が低かった.一方,MSSPは水を混和して練和直後に移植した場合でも炎症はほとんど見られなかったが,AH PlusRやキャナルスNは強い炎症みられ,MSSPは他の2群に対して有意(p<0.001)に炎症が少なかった.以上の結果から,MSSPは水が混和しても重合率が低下せず象牙質への封鎖性に影響がほとんどなく,湿潤状態の象牙質に対しても高い封鎖性が得られるとともに,水が混和しても高い生体親和性があることが明らかになった.
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高周波電流による歯髄の焼灼
http://hdl.handle.net/2115/90424
Title: 高周波電流による歯髄の焼灼
Authors: 森, 厚志
Abstract: 高周波電流は古くから電気メスとして軟組織の切開や止血などに応用され、根管治療では通常の機械的化学的拡大清掃が困難な部位への殺菌に用いられてきた。しかし、通電による生活歯髄、歯根膜、歯槽骨への影響ついての報告は少ない。本研究では、高周波電流を歯髄の蒸散、壊死に応用する目的で、生活歯髄に対して通電を行った際の歯髄や歯周組織への影響について組織学的検討を行った。10 ヶ月齢ビーグル犬の前臼歯を用い、通法にて髄腔開拡、上部根管形成行った後、根尖孔を穿通または未穿通とし、#10 または#20K ファイルを根管内に挿入して高周波電流の通電を行った。高周波電流は、周波数は 520 kHz、duty 70 %で、電圧は 150 V または 225V、通電時間は 0.2 秒または 1 秒、通電回数 1 回、通電時のファイル先端位置は、根尖、根尖から 1 mm 歯冠側、根尖から 2 mm 歯冠側、根尖から 4mm 歯冠側とした。通電直後または 1 週後に脱灰、薄切標本を作製して、主根管内、根尖分枝内、歯周組織の状態を組織学的に評価した。その結果、根尖孔の穿通や根管拡大は行わず、150 V または 225 V、ファイル先端位置を根尖から 1 mm または 2 mm 歯冠側で 1 秒通電した場合、主根管の歯髄は蒸散および壊死し、根尖分枝内も空洞化したり壊死したりした。また、歯根膜や歯槽骨にはほとんど傷害はなかった。しかし通電時間を 0.2 秒にしたり、ファイル先端の位置を根尖から 4 ㎜歯冠側にしたりすると、根尖分枝内に残存する歯髄が多くなった。また、ファイル先端位置を根尖として通電した場合、通電時間が 0.2 秒であっても歯根膜に強い炎症性細胞浸潤がみられ骨吸収も観察された。一方、根尖孔を穿通し#20 まで予備拡大(グライドパス)した後に、ファイル先端位置を根尖から 1 mm 歯冠側として 1 秒通電した場合、根尖分枝内に歯髄が残存するものが増加し、術後1週では歯根膜には穿通による機械的刺激やセメント質の破折片が原因と思われる炎症が認められた。これらの結果から、ファイル先端位置を根尖孔から 1~2 mm 歯冠側として 225 V の高周波電流を 1 秒通電することで、根尖孔の穿通や根管拡大を行わなくても歯周組織に障害なく主根管及び根尖分枝内の歯髄を蒸散、壊死させることが可能なことが明らかとなった。抜髄時に高周波電流を応用することは、とくに穿通や拡大形成が困難な症例では効果の高い治療法になる可能性が示唆された。
2022-03-23T15:00:00Z
森, 厚志
高周波電流は古くから電気メスとして軟組織の切開や止血などに応用され、根管治療では通常の機械的化学的拡大清掃が困難な部位への殺菌に用いられてきた。しかし、通電による生活歯髄、歯根膜、歯槽骨への影響ついての報告は少ない。本研究では、高周波電流を歯髄の蒸散、壊死に応用する目的で、生活歯髄に対して通電を行った際の歯髄や歯周組織への影響について組織学的検討を行った。10 ヶ月齢ビーグル犬の前臼歯を用い、通法にて髄腔開拡、上部根管形成行った後、根尖孔を穿通または未穿通とし、#10 または#20K ファイルを根管内に挿入して高周波電流の通電を行った。高周波電流は、周波数は 520 kHz、duty 70 %で、電圧は 150 V または 225V、通電時間は 0.2 秒または 1 秒、通電回数 1 回、通電時のファイル先端位置は、根尖、根尖から 1 mm 歯冠側、根尖から 2 mm 歯冠側、根尖から 4mm 歯冠側とした。通電直後または 1 週後に脱灰、薄切標本を作製して、主根管内、根尖分枝内、歯周組織の状態を組織学的に評価した。その結果、根尖孔の穿通や根管拡大は行わず、150 V または 225 V、ファイル先端位置を根尖から 1 mm または 2 mm 歯冠側で 1 秒通電した場合、主根管の歯髄は蒸散および壊死し、根尖分枝内も空洞化したり壊死したりした。また、歯根膜や歯槽骨にはほとんど傷害はなかった。しかし通電時間を 0.2 秒にしたり、ファイル先端の位置を根尖から 4 ㎜歯冠側にしたりすると、根尖分枝内に残存する歯髄が多くなった。また、ファイル先端位置を根尖として通電した場合、通電時間が 0.2 秒であっても歯根膜に強い炎症性細胞浸潤がみられ骨吸収も観察された。一方、根尖孔を穿通し#20 まで予備拡大(グライドパス)した後に、ファイル先端位置を根尖から 1 mm 歯冠側として 1 秒通電した場合、根尖分枝内に歯髄が残存するものが増加し、術後1週では歯根膜には穿通による機械的刺激やセメント質の破折片が原因と思われる炎症が認められた。これらの結果から、ファイル先端位置を根尖孔から 1~2 mm 歯冠側として 225 V の高周波電流を 1 秒通電することで、根尖孔の穿通や根管拡大を行わなくても歯周組織に障害なく主根管及び根尖分枝内の歯髄を蒸散、壊死させることが可能なことが明らかとなった。抜髄時に高周波電流を応用することは、とくに穿通や拡大形成が困難な症例では効果の高い治療法になる可能性が示唆された。