DSpace Collection: 2002-11
http://hdl.handle.net/2115/72534
2002-11
2024-03-28T12:21:12Z
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森林圏ステーションサーバーコンピュータ「PC3」の利活用について
http://hdl.handle.net/2115/73298
Title: 森林圏ステーションサーバーコンピュータ「PC3」の利活用について
Authors: 小宮, 圭示
Abstract: 森林圏ステーションでは、様々な蓄積データのデータベース化を図るため、1990年に森林情報委員会を中心として全演習林で「森林情報システム仕様書」作りを開始し、1991年には第三次案まで作成された。また、1999年度には、調査・観測データを利用しやすいようにデータベース化が試みられている。そこで、これらの取り組みを基礎に、さらにデータベース化を推し進めるために、2000年度にサーバーコンピュータを導入した。これを北管理部技術室(名寄)へ設置し運用することとなった。その利活用の方法について、本誌第19号で「インターネット公開・利用型の森林情報データベースの開発」で報告されている。現在、本サーバーではWWWとFTPのサービスを実行している。WWWサービスとは、World Wide Webの略で、世界各地のサーバーにある情報をどこからでも得ることができるというものである。今回はこのデータベースのその後の状況を含めサーバーコンピュータ「PC3」の利活用について報告する。
2002-11-28T15:00:00Z
小宮, 圭示
森林圏ステーションでは、様々な蓄積データのデータベース化を図るため、1990年に森林情報委員会を中心として全演習林で「森林情報システム仕様書」作りを開始し、1991年には第三次案まで作成された。また、1999年度には、調査・観測データを利用しやすいようにデータベース化が試みられている。そこで、これらの取り組みを基礎に、さらにデータベース化を推し進めるために、2000年度にサーバーコンピュータを導入した。これを北管理部技術室(名寄)へ設置し運用することとなった。その利活用の方法について、本誌第19号で「インターネット公開・利用型の森林情報データベースの開発」で報告されている。現在、本サーバーではWWWとFTPのサービスを実行している。WWWサービスとは、World Wide Webの略で、世界各地のサーバーにある情報をどこからでも得ることができるというものである。今回はこのデータベースのその後の状況を含めサーバーコンピュータ「PC3」の利活用について報告する。
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天塩研究林で実施したミズナラバイオマス調査について
http://hdl.handle.net/2115/73297
Title: 天塩研究林で実施したミズナラバイオマス調査について
Authors: 浪花, 彰彦; 菅田, 定雄; 杉下, 義幸; 北條, 元; 小林, 信; 高木, 健太郎; 野村, 睦; 芦谷, 大太郎; 竹田, 哲二; 阿部, 一宏; 高橋, 廣行; 秋林, 幸男; 福澤, 加里部
Abstract: 北海道大学天塩研究林では、独立行政法人国立環境研究所地球環境研究センター、北海道電力株式会社との共同研究として、森林による二酸化炭素吸収能に関する研究プロジェクトに取り組んでいる。このプロジェクトの概要とこれまでの経緯については北條ほか(2001,2002)を参考にしていただきたい。本プロジェクトの主目的は、カラマツ林の育林過程における集水域レベルの炭素循環モニタリングであるが、さらに次のようなサブプロジェクトが立ち上がっている。 ・ 森林の炭素蓄積量評価 ・ 異なる育林方法における炭素固定機能の評価 ・ 流域スケールの水・物質循環 ・ 広域炭素収支の評価 このうちの森林の炭素蓄積量評価に関連して、天塩研究林では2001年8月に、研究林の森林を構成する主要樹種のひとつであるミズナラについて立木全体のバイオマスを調査した。今回の調査は、胸高直径にして最大55cmに達する成木を伐採し、地下部はパワーショベルで掘り上げるという、従来の立木バイオマス調査では例を見ないほどの大規模なものであり、天塩研究林のスタッフにとっても初めての試みであった。そこで本稿では、今回のバイオマス調査の実施状況について報告する。
2002-11-28T15:00:00Z
浪花, 彰彦
菅田, 定雄
杉下, 義幸
北條, 元
小林, 信
高木, 健太郎
野村, 睦
芦谷, 大太郎
竹田, 哲二
阿部, 一宏
高橋, 廣行
秋林, 幸男
福澤, 加里部
北海道大学天塩研究林では、独立行政法人国立環境研究所地球環境研究センター、北海道電力株式会社との共同研究として、森林による二酸化炭素吸収能に関する研究プロジェクトに取り組んでいる。このプロジェクトの概要とこれまでの経緯については北條ほか(2001,2002)を参考にしていただきたい。本プロジェクトの主目的は、カラマツ林の育林過程における集水域レベルの炭素循環モニタリングであるが、さらに次のようなサブプロジェクトが立ち上がっている。 ・ 森林の炭素蓄積量評価 ・ 異なる育林方法における炭素固定機能の評価 ・ 流域スケールの水・物質循環 ・ 広域炭素収支の評価 このうちの森林の炭素蓄積量評価に関連して、天塩研究林では2001年8月に、研究林の森林を構成する主要樹種のひとつであるミズナラについて立木全体のバイオマスを調査した。今回の調査は、胸高直径にして最大55cmに達する成木を伐採し、地下部はパワーショベルで掘り上げるという、従来の立木バイオマス調査では例を見ないほどの大規模なものであり、天塩研究林のスタッフにとっても初めての試みであった。そこで本稿では、今回のバイオマス調査の実施状況について報告する。
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道北地方のエゾマツ類造林木の間伐でヤツバキクイムシ被害は起こるのか
http://hdl.handle.net/2115/73296
Title: 道北地方のエゾマツ類造林木の間伐でヤツバキクイムシ被害は起こるのか
Authors: 山ノ内, 誠; 水野, 久男; 林業技能補佐員一同
Abstract: 北海道では現在、構造材として植林しているエゾマツ類造林木が、1999年時点で151千ha(平成12年度 北海道林業の概況)に達し本格的な間伐時期を迎えようとしている。天然性エゾマツ類を伐採すると、その後ヤツバキクイムシ(以下Yキクイ)による生立木への枯損木被害(以下被害)の発生することが一般的に知られている。この原因は伐採によってYキクイ(図-1)が大量に発生し、伐採地や土場周辺で生立木を攻撃して被害の発生することがかなり以前から指摘されている。また、エゾマツ類造林木については網走及び北見地方と道北地方の一部で間伐後にYキクイによると見られる被害の発生したことが報告されている。Yキクイに関する調査研究は、台風や択伐によって森林が攪乱された直後や攪乱を受けて長期間経過している森林での調査及び観察をつうじて、Yキクイが大発生するメカニズムからその防除・対策に至るまで報告された文献は多岐にわたっている。しかしながら、道北地方におけるエゾマツ類造林木の間伐後に発生する被害について、その原因等の詳細な研究報告はかなり少ない状況にある。また、北海道大学中川研究林(以下当林)では植栽後20年生前後のアカエゾマツ造林木の伐り捨て間伐(間伐材を放置)を実施しても被害の発生したという報告がないことから、アカエゾマツ造林木を対象に間伐材を搬出する場合と放置する場合の実験区を設定しYキクイの被害発生の有無を調査したので、その結果を報告する。
2002-11-28T15:00:00Z
山ノ内, 誠
水野, 久男
林業技能補佐員一同
北海道では現在、構造材として植林しているエゾマツ類造林木が、1999年時点で151千ha(平成12年度 北海道林業の概況)に達し本格的な間伐時期を迎えようとしている。天然性エゾマツ類を伐採すると、その後ヤツバキクイムシ(以下Yキクイ)による生立木への枯損木被害(以下被害)の発生することが一般的に知られている。この原因は伐採によってYキクイ(図-1)が大量に発生し、伐採地や土場周辺で生立木を攻撃して被害の発生することがかなり以前から指摘されている。また、エゾマツ類造林木については網走及び北見地方と道北地方の一部で間伐後にYキクイによると見られる被害の発生したことが報告されている。Yキクイに関する調査研究は、台風や択伐によって森林が攪乱された直後や攪乱を受けて長期間経過している森林での調査及び観察をつうじて、Yキクイが大発生するメカニズムからその防除・対策に至るまで報告された文献は多岐にわたっている。しかしながら、道北地方におけるエゾマツ類造林木の間伐後に発生する被害について、その原因等の詳細な研究報告はかなり少ない状況にある。また、北海道大学中川研究林(以下当林)では植栽後20年生前後のアカエゾマツ造林木の伐り捨て間伐(間伐材を放置)を実施しても被害の発生したという報告がないことから、アカエゾマツ造林木を対象に間伐材を搬出する場合と放置する場合の実験区を設定しYキクイの被害発生の有無を調査したので、その結果を報告する。
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クマイザサが優先する林地での北海道和種馬放牧試験
http://hdl.handle.net/2115/73295
Title: クマイザサが優先する林地での北海道和種馬放牧試験
Authors: 鷹西, 俊和; 秦, 寛; 佐藤, 冬樹; 吉田, 俊也; 竹田, 哲二; 上浦, 達哉; 阿部, 一宏; 中嶋, 潤子; 大森, 正明; 森田, 俊雄; 高橋, 廣行
Abstract: 北海道の森林面積の約70%に相当する400万haの林床がササで覆われている。積雪地に広く分布しているチシマザサやクマイザサは、しばしば高さ2m以上にも達し、造林更新施業上の障害となっている。一方、日高地方など太平洋岸の少雪地域では、ミヤコザサが馬の飼料として利用されてきた。しかし、ササのこのような活用事例はミヤコザサが分布しない道北地方ではみられない。道北地方の森林における豊富なササ資源を有効活用することは、人手のかからない更新補助施業と、馬の飼料コストの削減との双方に役立つ可能性がある。そこで、雨龍研究林と研究牧場との共同研究としてクマイザサが優先する林地への林間放牧試験を1999年度から開始した。2ヵ年の小規模な予備試験を経て、2001年度に行われた長期間・大面積の放牧試験の概要を報告する。
2002-11-28T15:00:00Z
鷹西, 俊和
秦, 寛
佐藤, 冬樹
吉田, 俊也
竹田, 哲二
上浦, 達哉
阿部, 一宏
中嶋, 潤子
大森, 正明
森田, 俊雄
高橋, 廣行
北海道の森林面積の約70%に相当する400万haの林床がササで覆われている。積雪地に広く分布しているチシマザサやクマイザサは、しばしば高さ2m以上にも達し、造林更新施業上の障害となっている。一方、日高地方など太平洋岸の少雪地域では、ミヤコザサが馬の飼料として利用されてきた。しかし、ササのこのような活用事例はミヤコザサが分布しない道北地方ではみられない。道北地方の森林における豊富なササ資源を有効活用することは、人手のかからない更新補助施業と、馬の飼料コストの削減との双方に役立つ可能性がある。そこで、雨龍研究林と研究牧場との共同研究としてクマイザサが優先する林地への林間放牧試験を1999年度から開始した。2ヵ年の小規模な予備試験を経て、2001年度に行われた長期間・大面積の放牧試験の概要を報告する。
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和歌山研究林におけるスギ、ヒノキ除・間伐材の有効利用 : 畑ワサビのプランター林間栽培試験における炭の効果
http://hdl.handle.net/2115/73294
Title: 和歌山研究林におけるスギ、ヒノキ除・間伐材の有効利用 : 畑ワサビのプランター林間栽培試験における炭の効果
Authors: 桝本, 浩志; 福井, 富三; 寺本, 守; 林業技能補佐員一同; 車, 柱榮
Abstract: ワサビは日本原産のアブラナ科の多年草で、北海道から九州に至るまで日本ほぼ全土の山地の渓流や谷間に自生している。全草に含まれる刺激性の強い辛味成分は、デンプンの分解を助け、食欲を増進させるものとして、刺身のつまや薬味などに利用されている。また、防腐・殺菌作用もあり、漬物にも使われている。従来のワサビ栽培は渓流を利用した水ワサビ栽培として行われて来たが、造成に費用がかかることなどから、畑地での栽培も行われ一般向け・加工用としての安定した市場を持っている(横木・上野,1992)。当研究林では平成12年度からスギ・ヒノキ除・間伐材の有効利用研究を行っており、製炭や食用キノコおよび畑ワサビの栽培試験を行っている。炭は一般的に抗菌、除湿、除臭、静水作用などの効果を持つと共に、農地では土壌改良材として使われている。本研究では、スギ・ヒノキ除・間伐材の有効利用による付加価値の創造を目的として、スギのプランターを製造し、畑ワサビの栽培試験を行った。その際、植え付け用の土には除・間伐材から生産した炭を混ぜ、畑ワサビ栽培における炭の効果を試みた。また、プランターを除・間伐跡地に置くことによる森林空間の有効利用も試みた。
2002-11-28T15:00:00Z
桝本, 浩志
福井, 富三
寺本, 守
林業技能補佐員一同
車, 柱榮
ワサビは日本原産のアブラナ科の多年草で、北海道から九州に至るまで日本ほぼ全土の山地の渓流や谷間に自生している。全草に含まれる刺激性の強い辛味成分は、デンプンの分解を助け、食欲を増進させるものとして、刺身のつまや薬味などに利用されている。また、防腐・殺菌作用もあり、漬物にも使われている。従来のワサビ栽培は渓流を利用した水ワサビ栽培として行われて来たが、造成に費用がかかることなどから、畑地での栽培も行われ一般向け・加工用としての安定した市場を持っている(横木・上野,1992)。当研究林では平成12年度からスギ・ヒノキ除・間伐材の有効利用研究を行っており、製炭や食用キノコおよび畑ワサビの栽培試験を行っている。炭は一般的に抗菌、除湿、除臭、静水作用などの効果を持つと共に、農地では土壌改良材として使われている。本研究では、スギ・ヒノキ除・間伐材の有効利用による付加価値の創造を目的として、スギのプランターを製造し、畑ワサビの栽培試験を行った。その際、植え付け用の土には除・間伐材から生産した炭を混ぜ、畑ワサビ栽培における炭の効果を試みた。また、プランターを除・間伐跡地に置くことによる森林空間の有効利用も試みた。
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野ねずみとササの相互作用について
http://hdl.handle.net/2115/73293
Title: 野ねずみとササの相互作用について
Authors: 齊藤, 隆
Abstract: 北方の森林に生息する動物のなかには、個体数が年次的に大きく変動し、周期的に変動するものがある。とくに野ねずみ個体群の変動は顕著で、生態学の草創期から注目を集め、その解明は生態学の中心的な課題の一つになっている。これまでの解析によって、このような変動には密度依存性が大きく作用し、直接の密度依存性と遅れの密度依存性という二種類の密度依存性が個体数変動の基本的な構造をなしている、と考えられている(Royama 1992; Stenseth 1999)。北海道に生息するエゾヤチネズミ(Clethrionomys rufocanus)個体群はその典型で、南西の渡島半島から北東部のオホーツク海沿岸にかけて、比較的安定した個体群から大きく周期変動するものまで、変動パターンの変異が連続的に見られる(図1)。このような個体数変動の変異も2種の密度依存性によって分析可能で、北東に向かうに従って、両方の密度依存性が強まることが知られている(Saitoh et al. 1998)。また、年次変動に注目して行われてきた解析を季節成分(春から秋までの繁殖期と秋から春までの越冬期)に分けて分析すると密度依存性のほとんどは越冬期に形成されることがわかった(Saitoh et al. in review; Stenseth et al. in review)。以上の研究成果は、時系列データを用いた統計解析や数理模型に基づいているが、これらの成果を適切に評価し、変動メカニズムの解明につなげるためには、野外調査に基づく動物の生活史に関する知見が不可欠で、数理解析と生活史研究を相補的に組み合わせることがこの現象の理解には不可欠である。野ねずみ個体群の密度依存性のメカニズムについて、これまで、北欧の研究者を中心に捕食者と野ねずみ個体群の相互関係を重視する仮説が提唱されているが、野外で捕食者に関する詳細なデータを得ることは難しく、十分な検証実験はまだない。一方、野ねずみ個体群と食物の相互関係も密度依存性の機構として機能しうるものとして期待される。具体的には、冬季の主食が注目に値する。エゾヤチネズミは冬季はササ(葉、根、芽)を主食としており、ネズミの採食圧に対するササの反応の仕方によっては2通りの密度依存性メカニズムとして働きうる。つまり、冬季の大きな採食圧が、ササの翌年の出芽数に影響するなら直接の密度依存要因として、根などの栄養貯蔵器官に影響するなら、遅れの密度要因として作用すると考えられる。このように、野ねずみとササの相互作用の解明は動物個体群の変動を理解するために重要であり、長期間の野外調査が必要である。この小論では、筆者が今後、この課題に取り組むために計画している野外実験の概要を紹介する。
2002-11-28T15:00:00Z
齊藤, 隆
北方の森林に生息する動物のなかには、個体数が年次的に大きく変動し、周期的に変動するものがある。とくに野ねずみ個体群の変動は顕著で、生態学の草創期から注目を集め、その解明は生態学の中心的な課題の一つになっている。これまでの解析によって、このような変動には密度依存性が大きく作用し、直接の密度依存性と遅れの密度依存性という二種類の密度依存性が個体数変動の基本的な構造をなしている、と考えられている(Royama 1992; Stenseth 1999)。北海道に生息するエゾヤチネズミ(Clethrionomys rufocanus)個体群はその典型で、南西の渡島半島から北東部のオホーツク海沿岸にかけて、比較的安定した個体群から大きく周期変動するものまで、変動パターンの変異が連続的に見られる(図1)。このような個体数変動の変異も2種の密度依存性によって分析可能で、北東に向かうに従って、両方の密度依存性が強まることが知られている(Saitoh et al. 1998)。また、年次変動に注目して行われてきた解析を季節成分(春から秋までの繁殖期と秋から春までの越冬期)に分けて分析すると密度依存性のほとんどは越冬期に形成されることがわかった(Saitoh et al. in review; Stenseth et al. in review)。以上の研究成果は、時系列データを用いた統計解析や数理模型に基づいているが、これらの成果を適切に評価し、変動メカニズムの解明につなげるためには、野外調査に基づく動物の生活史に関する知見が不可欠で、数理解析と生活史研究を相補的に組み合わせることがこの現象の理解には不可欠である。野ねずみ個体群の密度依存性のメカニズムについて、これまで、北欧の研究者を中心に捕食者と野ねずみ個体群の相互関係を重視する仮説が提唱されているが、野外で捕食者に関する詳細なデータを得ることは難しく、十分な検証実験はまだない。一方、野ねずみ個体群と食物の相互関係も密度依存性の機構として機能しうるものとして期待される。具体的には、冬季の主食が注目に値する。エゾヤチネズミは冬季はササ(葉、根、芽)を主食としており、ネズミの採食圧に対するササの反応の仕方によっては2通りの密度依存性メカニズムとして働きうる。つまり、冬季の大きな採食圧が、ササの翌年の出芽数に影響するなら直接の密度依存要因として、根などの栄養貯蔵器官に影響するなら、遅れの密度要因として作用すると考えられる。このように、野ねずみとササの相互作用の解明は動物個体群の変動を理解するために重要であり、長期間の野外調査が必要である。この小論では、筆者が今後、この課題に取り組むために計画している野外実験の概要を紹介する。
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北海道の蛾類相 : 苫小牧研究林の標本データベース
http://hdl.handle.net/2115/73292
Title: 北海道の蛾類相 : 苫小牧研究林の標本データベース
Authors: 村上, 正志
Abstract: 標本データベースとは、ある地域に生息する生物の標本と、それに付随する分類学的、生態的情報を組み合わせたものである。このようなデータベースを構築することにより、未来世代に生物情報を体系的に残すことができるとともに、研究林で行われる様々な研究の基礎となるほか、近年注目を集めている地球規模での生物多様性の比較研究に提供しうるデータとなる。苫小牧研究林では、吉田により(吉田1976、Yoshida 1981、1983、1987参照)蛾類標本の収集が行われてきた。その後、1997年より、新プロ「地球環境撹乱下における生物多様性保全及び生命情報の維持管理に関する総合的基礎研究」の下で、苫小牧研究林内の生物インベントリーを開始したが、これまで蓄積された情報を尊重し、まず鱗翅目、特に蛾類から標本の収蔵を始めることとした。また、当研究林では2001年のIBOY国際生物多様性観測年にさいし、コアサイトとして様々な生物のモニタリングを行い、脊椎動物、植物を含む生物インベントリーを行っているが(Nakashizuka 2001)、本稿では蛾類の標本収蔵状況についてのみ報告する。苫小牧研究林の蛾類データベースの構築にあたっては、北海道内の多くの研究者や、アマチュアの蛾類収集家の協力をいただいた。苫小牧市博物館の吉田国吉氏、札幌市の小木広行氏、標茶町の飯島一雄氏、大野町の亀田満氏には貴重な標本を寄贈いただいた。また、2002年4月に急逝された函館市の猪子龍夫氏にも数多くの標本を生前寄贈いただいた。その後、生涯をかけて収集された膨大な標本を猪子和子氏の厚意により寄贈いただくこととなった。この標本については本稿の発表には整理が間に合わず、リストには含まれていない。
2002-11-28T15:00:00Z
村上, 正志
標本データベースとは、ある地域に生息する生物の標本と、それに付随する分類学的、生態的情報を組み合わせたものである。このようなデータベースを構築することにより、未来世代に生物情報を体系的に残すことができるとともに、研究林で行われる様々な研究の基礎となるほか、近年注目を集めている地球規模での生物多様性の比較研究に提供しうるデータとなる。苫小牧研究林では、吉田により(吉田1976、Yoshida 1981、1983、1987参照)蛾類標本の収集が行われてきた。その後、1997年より、新プロ「地球環境撹乱下における生物多様性保全及び生命情報の維持管理に関する総合的基礎研究」の下で、苫小牧研究林内の生物インベントリーを開始したが、これまで蓄積された情報を尊重し、まず鱗翅目、特に蛾類から標本の収蔵を始めることとした。また、当研究林では2001年のIBOY国際生物多様性観測年にさいし、コアサイトとして様々な生物のモニタリングを行い、脊椎動物、植物を含む生物インベントリーを行っているが(Nakashizuka 2001)、本稿では蛾類の標本収蔵状況についてのみ報告する。苫小牧研究林の蛾類データベースの構築にあたっては、北海道内の多くの研究者や、アマチュアの蛾類収集家の協力をいただいた。苫小牧市博物館の吉田国吉氏、札幌市の小木広行氏、標茶町の飯島一雄氏、大野町の亀田満氏には貴重な標本を寄贈いただいた。また、2002年4月に急逝された函館市の猪子龍夫氏にも数多くの標本を生前寄贈いただいた。その後、生涯をかけて収集された膨大な標本を猪子和子氏の厚意により寄贈いただくこととなった。この標本については本稿の発表には整理が間に合わず、リストには含まれていない。