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やっぱり形態! : 翅基構造に基づくジュズヒゲムシの系統的位置

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Please use this identifier to cite or link to this item:http://hdl.handle.net/2115/35516

Title: やっぱり形態! : 翅基構造に基づくジュズヒゲムシの系統的位置
Authors: 吉澤, 和徳 Browse this author
Issue Date: 17-Sep-2006
Citation: 日本昆虫学会第66回大会. 平成18年9月16日~平成18年9月18日. 鹿児島市
Abstract: 絶翅目(Zoraptera ジュズヒゲムシ)は,32既知種から構成される最も小さい昆虫の目の一つである.絶翅目の系統的位置には諸説あり,形態からは,準新翅類(Paraneoptera チャタテムシ,シラミ,セミ,カメムシ,アザミウマなど),網翅類(Dictyoptera ゴキブリ,シロアリ,カマキリ),紡脚目(Embioptera シロアリモドキ)などとの近縁性が指摘されている.私は昨年,分類学若手懇談会のシンポジウムにおいて,ジュズヒゲムシは網翅類に近縁であるとする,18S rDNA 塩基配列に基づく解析結果を報告した.一方で,ジュズヒゲムシの 18S に見られる特異的な進化傾向(塩基置換速度の劇的な加速,2次構造の変化,挿入欠損領域の存在など)から,18S に基づく結果が人工産物である可能性も指摘した (Yoshizawa & Johnson,2005: MPE).そこで,18S で得られた結果を独立したデータに基づいてテストする目的で,翅の基部関節構造に基づくジュズヒゲムシの系統的位置の推定を行った.その結果,ジュズヒゲムシとシロアリモドキの翅基構造に,以下の共有派生形質が見いだされた:1) 後翅 tegula が強く骨化し大型化する; 2) posterior notal wing process (PNWP) が胸部背板から遊離し,basal hinge が胸部背板と遊離した PNWP の間を通る; 3) first axillary sclerite (1Ax) の先端部が肥大化する; 4) 1Ax 後端が PNWP と融合する; 5) basiradiale 基部が末梢部から遊離する; 6) 2Ax の貫入部が骨片の後端に生じる.これらの形質のうち特に basal hinge は,昆虫の翅のはばたきや折りたたみの最も基本的な機能を担う関節群から構成されるラインであり,これが PNWP と 3Ax の間を通るという祖先形質状態は,旧翅類から新翅類を通して安定して見られる.つまり,今回見いだされた形質状態には,翅の機能の根幹に関わる顕著な派生形質状態も含まれており,これらの形質の系統的価値は極めて高い.また安定した共有派生形質は見いだされてはいないものの,他の形態形質に基づく解析でも,ジュズヒゲムシ+シロアリモドキは最節約的と判断される (e.g., Grimaldi & Engel, 2005: Evolution of the Insects).一方,18S の解析結果を Kishino-Hasegawa test および Shimodaira-Hasegawa test で再検討した結果,最尤系統樹であるジュズヒゲムシ+網翅類と,対立仮説となるジュズヒゲムシ+シロアリモドキ系統樹の尤度には有意差のないことも示された.これらの結果から総合的に判断すると,形態形質から支持されるジュズヒゲムシ+シロアリモドキこそが,現段階では最も強く支持される系統仮説と見なされる.
Conference Name: 日本昆虫学会大会
Conference Sequence: 66
Conference Place: 鹿児島市
Type: conference presentation
URI: http://hdl.handle.net/2115/35516
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Submitter: 吉澤 和徳

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