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高頻度金融データの統計的性質とそのマイノリティゲームによる再現性に関する基礎研究

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Please use this identifier to cite or link to this item:http://hdl.handle.net/2115/43957

Title: 高頻度金融データの統計的性質とそのマイノリティゲームによる再現性に関する基礎研究
Authors: 日野, 光 Browse this author
Issue Date: 25-Mar-2009
Abstract: 近年、数秒オーダでの時間スケールにおける価格変動を記録した高頻度金融データの入手が可能となり、既存の経済理論、なかでも金融工学において、その数学的な取り扱いの容易さから用いられてきたいくつかの仮説/仮定が、これら高頻度データとの整合性の観点から見直されてきている。特に、ブラック・ショールズ方程式の導出において仮定される「金融商品の価格変動はブラウン運動に従う」という仮説、つまり「価格変動幅の分布が正規分布に従う」という前提は、実際のデータから観測される分布が「広い裾(Fat tails)」を持つことが明らかにされることで修正の必要性が認識されるようになった。このような大きな変動が比較的大きな確率で生じる確率過程としてはレビ・フライト(Levy flight) などが知られており、この場合の価格変動幅の確率分布は裾が広いレビ分布となる。しかし、このような金融商品の価格変動をより根源的に説明するためには、その商品の価格を決定する市場のメカニズムを深く理解することが不可欠である。例えば、市場には多くのトレーダが参加し、彼らは各自が商品の価格変動や政治情勢など様々な情報を考慮することで、自分の利得を可能な限り最大化する戦略を立て、金融商品を売り買いするが、そのようなトレーダ群の意思決定の結果として金融商品の価格変動が生じ、それを我々は観測するわけである。従って、このような社会システムは自ずとある種の「階層性」を持つことになる。つまり、「ミクロ」なレベルでのトレーダの判断から「マクロ」なレベルの金融商品の価格変動までの間には様々なスケールの経済活動が複雑に絡み合っており、このミクロとマクロの関連性を理解すること、言い方を変えれば、金融商品の価格変動(マクロ) をトレーダ群の意思決定(ミクロ) の結果として矛盾なく説明することは野心的課題ではあるが、既存の経済理論を「多体問題」「統計力学」の観点から一歩進めるためには重要なプロセスであり、そのような研究は既存の経済学に対し新しい視点を提供することが期待できる。そこで本研究ではこの目標に対する第一歩として、高頻度金融データの価格変動時間間隔に着目し、この統計的性質を様々な観点から調べることで、金融工学における計算機シミュレーションで多くの場合に仮定されてきた「価格変動に関するポアソン過程」の前提の妥当性を検討する。ついで、この統計的性質をミクロなトレーダ群の意思決定の結果として再現するため、「マイノリティゲーム」と呼ばれる繰り返しゲームに対し、その第一通過過程を用いることで、得られる価格変動間隔の統計的性質を実データ解析による結果と比較する。これらの結果、従来の「ポアソン過程」の前提は必ずしも正しくなく、短い時間スケールの変動間隔と長い時間スケールの変動間隔の間にはある種の「クロスオーバー(crossover:分布の切り変わり)」が生じ、分布は指数則から裾の広い分布へ変化することが実データ解析/マイノリティゲームによるシミュレーション双方で普遍的に現れることを明らかにする。
Conffering University: 北海道大学
Degree Level: 学士
Type: theses (bachelor)
URI: http://hdl.handle.net/2115/43957
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Submitter: 日野 光

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