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Studies on the pathogenesis of avian influenza in chickens
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Title: | Studies on the pathogenesis of avian influenza in chickens |
Other Titles: | ニワトリのインフルエンザ病態発現機序に関する研究 |
Authors: | 栗林, 沙弥 Browse this author |
Issue Date: | 25-Mar-2014 |
Publisher: | Hokkaido University |
Abstract: | 鳥およびヒトを含む哺乳動物が高原性鳥インフルエンザウイルス(Highly pathogenic avian influenza virus;HPAIV)に感染し、急性経過を経て死亡する例では、宿主に過剰なサイトカイン応答が認められる。HPAIVの感染により急性経過で死亡したニワトリには、ほとんど肉眼病変を認めない。かかるニワトリの斃死は、ウイルスの感染増殖による組織の損傷よりも、増殖に対する宿主の過剰応答に起因するものと考えられる。本研究は、HPAIVのニワトリに対する病原性に、宿主のサイトカイン応答が寄与することを明らかにし、そのメカニズムの解明を試みたものである。2株のHPAIV、A/turky/Italy/4580/1999(H7N1)(イタリア) 株、A/chicken/Netherlands/2586/2003 (H7N7)(オランダ)株、および低病原性鳥インフルエンザウイルスA/chicken/Ibaraki/1/2005(H5N2)(茨城)株を4週令ニワトリに経鼻接種した。イタリア株を接種した8羽のニワトリは4日以内に全羽死亡した。脳、脾臓、肺において、ウイルスの急激な増殖と炎症性および抗ウイルス性サイトカイン(IFN-γ,IL-1β,IL-6およびIFN-α)mRNAの発現亢進を認めた。ウイルス接種4日後にエバンスブルーを静脈内に接種した結果、イタリア株感染ニワトリでは、全身の組織血管壁透過性が増していることがわかった。オランダ株を接種したニワトリは7日以内に半数が死亡した。組織におけるウイルス増殖およびサイトカインmRNA発現量は、イタリア株を接種したニワトリの約1/100で、感染4日後の組織血管壁透過性の増大は認められなかった。一方、茨城株を接種したニワトリは臨床症状を示ことなく生残し、ウイルスは一過性に呼吸器から回収された。いずれの組織においても顕著なサイトカイン応答、組織血管壁の損傷は認められなかった。HPAIV感染病態における過剰なサイトカイン、特にIL-6の役割を明らかにするため、CHO細胞発現組換えニワトリIL-6を、その培養上清から精製濃縮した。これをウサギに免疫し、抗ニワトリIL-6抗体を作出した。エバンスブルーを用いた試験によって、CHO細胞発現組換えニワトリIL-6を静脈内に接種したニワトリの、組織血管壁透過性が増すことを明らかにした。ウサギ抗ニワトリIL-6抗体はin vitroでニワトリIL-6の生物活性を抑制したが、この抗体を静脈内に投与して1時間後にHPAIVを経鼻接種したニワトリの死亡を防ぐことはなかった。以上より、HPAIVの急激な増殖に対するIL-6をはじめとするサイトカインの過剰応答が、組織の血管障害を招き、その結果ニワトリは多臓器不全によって急死することが分かった。ただし、HPAIVに感染したニワトリにおける致死的な全身組織の血管障害は、IL-6のみではなく他のサイトカインとの相乗作用、ならびにウイルスの感染、増殖による血管内皮細胞の損傷等によるものであると考えられる。過剰なサイトカイン応答は、インフルエンザだけでなく、さまざまな急性致死性感染症において認められる。ニワトリのHPAIV感染病態における過剰なサイトカイン応答の役割について明らかにすることは、動物とヒトにおける急性致死性感染症の適切な治療法の開発につながるものと考え、実験を継続している。 |
Conffering University: | 北海道大学 |
Degree Report Number: | 甲第11276号 |
Degree Level: | 博士 |
Degree Discipline: | 獣医学 |
Examination Committee Members: | (主査) 特任教授 喜田 宏, 特任教授 梅村 孝司, 教授 堀内 基広, 准教授 迫田 義博 |
Degree Affiliation: | 獣医学研究科(獣医学専攻) |
Type: | theses (doctoral) |
URI: | http://hdl.handle.net/2115/56207 |
Appears in Collections: | 学位論文 (Theses) > 博士 (獣医学) 課程博士 (Doctorate by way of Advanced Course) > 獣医学院(Graduate School of Veterinary Medicine)
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