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A seismo-acoustic study of Vulcanian eruptions

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Please use this identifier to cite or link to this item:https://doi.org/10.14943/doctoral.k12702
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Title: A seismo-acoustic study of Vulcanian eruptions
Other Titles: ブルカノ式噴火に伴う爆発地震と空気振動の研究
Authors: 山田, 大志 Browse this author
Issue Date: 23-Mar-2017
Publisher: Hokkaido University
Abstract: ブルカノ式噴火は,爆発的な表面現象,大振幅の爆発地震(噴火地震),空気振動(空振)を励起する爆発過程の特徴が広く知られる噴火様式である.この爆発過程に引き続いて,連続的な火山灰放出が発生する連続噴煙過程に移行する場合も複数の火山で報告されている.ブルカノ式噴火は日本国内でも桜島や浅間山を筆頭に高頻度で発生しており,精力的な観測研究が行われてきたが,多く研究は爆発過程のみに着目している.ブルカノ式噴火の爆発過程から連続噴煙過程までの一連の噴火機構の理解を目指し,本研究は爆発過程の地震学的研究,連続噴煙過程での噴煙形成に伴う⻑周期空気振動の研究を行った.爆発地震に関する先行研究では,複数の火山で発生するブルカノ式噴火に共通,または異なる性質の存在が報告されている.地震波解析のみではなく,地殻変動や空振,火山ガスなどの観測,解析結果を統合することで,ブルカノ式噴火の爆発過程の概念モデルが提案されている.しかし,こうした集中的な観測研究の対象は,桜島や浅間山などの特定の火山で発生する噴火のみに限定されてきた.先行研究による爆発過程の研究成果の普遍性を検証する目的で,本研究ではインドネシアのLokon-Empung火山で発生するブルカノ式噴火の臨時観測を行った.2012年9月から約一年間に渡り,広帯域地震,空振,傾斜観測を行い,56の噴火に伴うシグナルを記録した.爆発地震の初期位相はP波で構成され,全観測点で押しの極性を示す初動(P相),より振幅が大きく全観測点で引きの極性を示す後続相(D相)で構成される.こうした特徴は,桜島における爆発地震の初期位相の特徴と一致する.S/N比の良いD相に対して合成地震波形を用いた解析を行い,観測波形が火口から深さ1.0‒1.3 kmの領域における円筒収縮で説明できることを明らかにした.爆発地震と同時に観測される空振は,爆発地震と比べると0.8‒2.5秒ほど遅れて励起されている.こうした特徴が,桜島などを対象に提唱されているブルカノ式噴火の爆発過程の概念的モデルの特徴と一致することを示した.先に記した地震波解析で推定されるメカニズムは,震源における巨視的な力系を反映したものである.そのため,地震波解析の結果から火道内の物理過程を一意に推定することは容易ではない.ブルカノ式噴火によるマグマの破砕現象は,衝撃波管問題を応用したモデル化がなされている.爆発地震の初期位相に関する知見を得る目的で,弾性管を伝搬する衝撃波と励起される周辺変位場の数値計算を行った.計算には数値流体計算ツールであるOpenFOAMを用い,圧縮性流体と弾性体の連成を解くためのソルバーを新たに開発した.計算結果からは,励起される変位場の極性が,管内の圧力変化を強く反映している様子が認められた.また,励起される弾性波の初動極性が,節面構造を持つという新たな発見が得られた.地表においては,一部の地点では爆発地震の観測波形と同じ押しの極性を持つ初動と,引きの極性を示す後続相が見られた.しかし,全観測点で初動が押しの極性を示すという観測波形の特徴を説明するには至っていない.一方で,初動極性の節面構造という特徴は,ブルカノ式噴火のみではなく,BL型地震などのより小規模な噴火地震の特徴と関連する可能性を議論した.Lokon-Empungでは,連続噴煙過程の開始時に周期が10秒以上の⻑周期空振が観測されている.この⻑周期空振の励起が噴煙の成⻑段階に相当することから,成⻑する噴煙が周辺大気を移動させることで⻑周期の圧力変動が励起されているものと推測される.こうした噴煙形成に伴う⻑周期空振の普遍性を調べるため,日本国内の阿蘇山,口永良部島,霧島山新燃岳で発生した噴火に伴う圧力記録,映像記録を解析した.Lokon-Empung以外のこれら火山でも,⻑周期空振が噴火に伴い普遍的に励起されていることを圧力記録から見出した.映像記録との比較により,⻑周期空振の励起が噴煙の成⻑過程に相当する事を明らかにした.噴煙形成過程の定量的評価のため,各火山で確認された⻑周期空振を解析し,噴煙の体積変化率と積算体積の推定を行った.推定された体積変化率と積算体積の時間変化は,映像解析による結果とよく一致する.一方で,推定結果の振幅値については映像解析の結果の半分以下程度となる.各火山で推定された噴煙の積算体積と積算時間の間には正の相関が見られ,時間に対して体積が非線形に増加する傾向が見られる.この特徴は,熱膨張や周辺大気の取り込みといった噴煙に特有の物理過程を反映している可能性がある.加えて,推定された体積変化率と,噴煙高度‒マグマ噴出率の経験式との関係を調べ,⻑周期空振の解析による噴火規模評価の可能性を議論した.
Conffering University: 北海道大学
Degree Report Number: 甲第12702号
Degree Level: 博士
Degree Discipline: 理学
Examination Committee Members: (主査) 准教授 大島 弘光, 教授 村上 亮, 教授 橋本 武志, 教授 谷岡 勇市郎, 教授 西村 太志(東北大学大学院理学研究科), 助教 青山 裕
Degree Affiliation: 理学院(自然史科学専攻)
Type: theses (doctoral)
URI: http://hdl.handle.net/2115/68564
Appears in Collections:学位論文 (Theses) > 博士 (理学)
課程博士 (Doctorate by way of Advanced Course) > 理学院(Graduate School of Science)

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