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熱帯域バイオマス燃焼と対流圏オゾン (IGAC特集)

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02_1-06-1.pdf10.46 MBPDFView/Open
Please use this identifier to cite or link to this item:http://hdl.handle.net/2115/72901

Title: 熱帯域バイオマス燃焼と対流圏オゾン (IGAC特集)
Authors: 北, 和之 Browse this author
藤原, 正智 Browse this author →KAKEN DB
小川, 利紘 Browse this author
Keywords: オゾン
熱帯
バイオマス燃焼
対流圏光化学
温室効果気体
Issue Date: Aug-1997
Publisher: 国際環境研究協会
Journal Title: 地球環境
Volume: 2
Issue: 1
Start Page: 33
End Page: 43
Abstract: 対流圏におけるオゾンは、重要な温室効果気体のひとつであり、大気微量成分の光化学反応系において中心的な役割を果たす成分であるとともに、生物に対して直接悪影響を及ぼす物質でもある。従って、対流圏オゾンは成層圏オゾン同様、地球環境問題の中において極めて注目すべき問題のひとつである。対流圏オゾンの量は、中高緯度域における成層圏オゾン層からの下方輸送過程、おもに地表からのオゾン前駆気体の供給とそれに続く大気中での光化学反応系における生成・消滅過程、地表での沈着・消滅過程、という諸過程によって決まっていると考えられている。しかし、時間・空間的に変動が大きくまた人工衛星からの全球観測が困難なことにより、その動態は観測の集中する中緯度工業国地域を含めてまだ十分には把握されていないので、対流圏オゾンの分布とその変動を決定している各プロセスの定量的な理解はこれからの課題である。特に熱帯域は定常観測点が極めて少ないため変動の特徴はよくわかっていないが、近年その重要性が認識されいくつもの観測計画が実施された結果、この地域における対流圏オゾンの動態について理解が進み始めた。熱帯域での対流圏オゾンに関する諸過程のうち、現在最も注目を集めているものはバイオマス燃焼に伴うオゾンの光化学生成である。熱帯林・サバンナにおいて乾季にしばしば生じる大規模な火災に伴って、大量の物質が生物圏から大気圏に供給される。その中に窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)、炭化水素類(HCs)などのオゾン前駆気体として知られる物質が含まれており、大気中での光化学反応によりオゾンを生成している。人工衛星観測データからの間接的な対流圏オゾン量推定により、例年乾季末期にあたる8月から10月にかけて赤道付近の大西洋域を中心とする対流圏オゾン量の増大現象が知られている。これはアフリカのサバンナ、アマゾンの熱帯林におけるバイオマス燃焼が原因と考えられており、この現象を対象としていくつもの観測計画が実施されるようになってきた。一方、熱帯東アジア域においてもバイオマス燃焼は起こっており、対流圏オゾン量に変動を与えている可能性がある。インドネシアにおいて、東京大学を中心としたグループが、熱帯東アジア域で初めての系統的オゾン観測を開始した結果、大規模な森林火災に伴い、乾季末期に対流圏オゾン量の増大が生じることがわかった。特に1994年の9~10月には特に大規模な森林火災が起こり、インドネシアを中心にかなり広い範囲において対流圏オゾン量が特異的に増大する現象が観測された。
Relation: http://www.airies.or.jp/journal_chikyukankyo.html
Type: article
URI: http://hdl.handle.net/2115/72901
Appears in Collections:環境科学院・地球環境科学研究院 (Graduate School of Environmental Science / Faculty of Environmental Earth Science) > 雑誌発表論文等 (Peer-reviewed Journal Articles, etc)

Submitter: 藤原 正智

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