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時間反転原理を利用した散乱効果抑制の試み : 光を用いた生体透視イメージングをめざして

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Please use this identifier to cite or link to this item:http://doi.org/10.14943/doctoral.k13519
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Title: 時間反転原理を利用した散乱効果抑制の試み : 光を用いた生体透視イメージングをめざして
Other Titles: Attempt for scattering suppression using time-reversal principle : For transillumination imaging of animal body
Authors: 任田, 崇吾 Browse this author
Issue Date: 25-Mar-2019
Abstract: 光を利用した多くの生体計測技術が実用化され,様々な研究が進められている.光を用いる利点としては,生体への無侵襲性や,組織の光吸収特性を利用した機能イメージングが挙げられる.代表的な光イメージング手法としては,光コヒーレンストモグラフィ(OCT)がある.OCTは光のコヒーレンス性を利用することで,MRIやCTと比べて空間分解能の高いイメージングが実現できるが,組織到達深度は1 mm程度にとどまっている.その主因は,生体組織の強い散乱特性にある.また,生体透視イメージングでは,散乱特性が得られた透視画像のボケにつながる.このように,光を用いた生体イメージングにおいて,生体組織の散乱特性が到達深度の限界や画像のボケを生じさせることから,散乱効果を抑制する手法が重要となる.近年,散乱抑制手法として,位相共役光の時間反転性を利用した手法が提案されている.位相共役光とは,ある信号光に対しその位相を反転させた光のことで,信号光の経路を逆伝搬する時間反転性を持つ.この位相共役光の時間反転性を利用したイメージング手法としては,Time-reversal ultrasonically encoded (TRUE)法がある.この手法は,超音波による光の周波数変調と位相共役光を組み合わせた手法で,空間分解能が数10 μm,深さが数cmのイメージングが原理的に期待できる.しかし,位相共役光の散乱抑制への応用を考えるうえで,位相共役光単独での散乱抑制能を知ることは極めて重要であるにもかかわらず,これまでの検討では十分な性能評価行われてこなかった.さらに,理想的な位相共役光では,その強度情報は信号光と同一である必要がある.それに対し,従来の位相共役光の生体応用に関する検討では,生体から出射した信号光の強度情報は均一であるとみなし,位相変調のみの位相共役光生成システムを用いてきた.しかし,生体試料が不均質である場合や,入射光の強度分布が一様でない場合,信号光の強度分布は均一とはならない.そのため,従来法で生成した位相共役光の強度情報は信号光とは異なったものとなり,イメージング性能が低下することが考えられる.本研究では,生体の光透視イメージングにおける散乱効果の抑制を念頭に,位相共役光単独の時間反転性について詳細に検討した.その中で,位相共役光の強度成分が散乱抑制効果に与える影響を,実験を通して明らかにした.初めに,強度分布と位相分布の同時変調が可能な位相共役光生成システムを新たに構築した.このシステムを用いて,散乱体透過後の光に対して位相共役光を生成し,散乱体入射前の入射光形状の復元を試みた.その結果,強度変調を加えることにより,位相変調のみの場合に比べ,復元性能が顕著に向上することを明らかにした.次に,構築したシステムの基本性能を調べるため,散乱体の散乱係数を変化させつつ同様の実験を行った.その結果,構築したシステムによりODが1以下の範囲で位相共役光による散乱効果の抑制が可能であることが実証された.さらに,散乱体の吸収係数を変化させた実験も行った.この検討を通して,信号光情報取得時に十分なSN比が得られれば,吸収係数によらず入射パターンが復元できることが分かった.つまり,位相共役光の時間反転性を利用した散乱抑制効果は,散乱体の吸収係数には依存しないことが明らかとなった.この結果は,吸収係数変化が不可避な生体応用に対し,重要な知見となる.最後に,散乱体として生体試料を用いて入射光の形状復元を試みた.その結果,不均一な構造を持つ生体試料に対しても,位相共役光に強度情報を加えることで時間反転性が向上し,散乱効果の抑制が可能なことが実証された.この結果は,位相共役光を用いた散乱抑制法の研究の中で,位相共役光の強度成分の影響を生体試料において実証した初めての結果である.これを要するに,筆者は本論文を通じて,これまで検討されていなかった位相共役光単独での散乱抑制能を明らかにし,位相共役光の生体応用における新たな指針を示した.さらに,生体を対象とする位相共役光を用いたイメージングにおいて,位相共役光に強度情報を加えることにより時間反転性による散乱抑制効果の向上が期待できることを示した.これらの知見により,位相共役光を利用した新たな生体イメージング手法の開発が実質的に前進することが期待される.
Conffering University: 北海道大学
Degree Report Number: 甲第13519号
Degree Level: 博士
Degree Discipline: 工学
Examination Committee Members: (主査) 准教授 工藤 信樹, 教授 橋本 守, 教授 平田 拓, 教授 根本 知己
Degree Affiliation: 情報科学研究科(生命人間情報科学専攻)
Type: theses (doctoral)
URI: http://hdl.handle.net/2115/74211
Appears in Collections:課程博士 (Doctorate by way of Advanced Course) > 情報科学院(Graduate School of Information Science and Technology)
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OAI-PMH ( junii2 , jpcoar )


 

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