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カーボンナノホーンコートチタン上でのマクロファージの挙動 [全文の要約]
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Title: | カーボンナノホーンコートチタン上でのマクロファージの挙動 [全文の要約] |
Authors: | 木村, 貞仁 Browse this author |
Issue Date: | 25-Mar-2021 |
Publisher: | Hokkaido University |
Abstract: | カーボンナノホーン(CNHs)は,物理的・生物学的特性から,生体材料への応用が期待されている.我々は,歯科領域におけるCNHsの生体材料への応用を目的に研究を行ってきた.これまでにCNHを固着したポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜(CNH/PTFE膜)は骨形成を促進し,CNHsを貪食したマクロファージは,間葉系幹細胞の骨芽細胞への分化を促進することを報告した.マクロファージは,炎症性サイトカインを分泌するM1マクロファージと,抗炎症・免疫抑制機能を持ち,組織修復に関与するM2マクロファージに分極することが知られている.そこで本研究では,チタンに修飾したCNHs(CNH/Ti)がマクロファージに与える影響を検索することを目的とした.まず,CNH/Ti上でマクロファージを培養し,走査型電子顕微鏡(SEM)ならびに透過型電子顕微鏡(TEM)で観察するとともに,M1が分泌する炎症性サイトカインであるTNFαとIL-6,ならびにM2が分泌する抗炎症性サイトカインであるIL-10の発現を比較した.また,マイクロアレイによる遺伝子の発現を解析した.さらにCD206(M2マーカー)の発現を観察した.培養1日後のSEM観察では,細胞の形態はTi上では扁平であるのに対し,CNH/Ti上では球形のものが多くみられ,仮足をCNHsに伸展させていた.TEM観察により細胞内にCNHsが観察された.培養3日後のサイトカイン発現量は,Tiに比較してCNH/TiのTNFαとIL-6は有意に低く,IL-10には両者の間に有意差はなかった.マイクロアレイによるGeneOntology解析ではTi上と比較してCNH/Ti上のマクロファージにおいては,DNAの転写・修復・複製に関する遺伝子が下方制御されていた.蛍光免疫染色ではTiと比較してCNH/TiのCD206の蛍光強度が有意に高かった.以上の結果から,Ti表面に修飾したCNHsはマクロファージのDNAの転写・修復・複製に影響し,CNHは組織再生に関与するM2マクロファージへの分極を誘導する可能性が示唆された.CNHsの表面修飾によるマクロファージの分極の可能性が示唆されたことから,ナノカーボン物質の生体材料への応用の可能性がさらに広がることが期待される. |
Description: | この博士論文全文の閲覧方法については、以下のサイトをご参照ください。 |
Description URI: | https://www.lib.hokudai.ac.jp/dissertations/copy-guides/ |
Conffering University: | 北海道大学 |
Degree Report Number: | 甲第14521号 |
Degree Level: | 博士 |
Degree Discipline: | 歯学 |
Examination Committee Members: | (主査) 教授 横山 敦郎, 教授 網塚 憲生, 教授 吉田 靖弘 |
Degree Affiliation: | 歯学院(口腔医学専攻) |
Type: | theses (doctoral - abstract of entire text) |
URI: | http://hdl.handle.net/2115/81155 |
Appears in Collections: | 課程博士 (Doctorate by way of Advanced Course) > 歯学院(Graduate School of Dental Medicine) 学位論文 (Theses) > 博士 (歯学)
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