HUSCAP logo Hokkaido Univ. logo

Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers >
Theses >
博士 (工学) >

モータ駆動用インバータの電磁ノイズ抑制に関する研究

Files in This Item:
Shunsuke_Ohara.pdf4.83 MBPDFView/Open
Please use this identifier to cite or link to this item:https://doi.org/10.14943/doctoral.k14594
Related Items in HUSCAP:

Title: モータ駆動用インバータの電磁ノイズ抑制に関する研究
Other Titles: Study on Suppression Technique of Electromagnetic Noise Generated by Inverters for Motor Drive Systems
Authors: 小原, 峻介 Browse this author
Issue Date: 25-Mar-2021
Publisher: Hokkaido University
Abstract: 直流から任意周波数の交流に変換する電力変換器であるスイッチングインバータは,パワー半導体デバイスのスイッチング動作により変換を行うため,損失が非常に小さく高効率な変換を実現できる。省電力・高効率の観点から,インバータは広く普及しており,現代において必要不可欠な装置である。自動車や航空機といった移動体の電動化が進んでおり,インバータ機器の小型軽量化や信頼性の向上が強く求められている。しかし,スイッチングインバータは,大電流をスイッチングする際に急峻な電圧・電流の変動が起こり,電磁ノイズを発生する。電磁ノイズにより周辺機器に電磁妨害(EMI:electromagnetic interference)を引き起こす恐れがある。そのため,これらのEMI を引き起こす電磁ノイズに対して, 国際電気標準会議(IEC: International ElectrotechnicalCommission)によって国際規格が定められている。特に近年では,これまで一般的なインバータ機器に対して電磁ノイズの規制値が定められていなかった150 kHz 以下の電磁ノイズについて,規制を新たに設けることが検討されている。この規制が定められた場合,今まで規制外だったスイッチング周波数(10 kHz~100 kHz 程度)の電磁ノイズも規制の対象となる。スイッチング周波数の電磁ノイズは非常に高レベルなため,抑制が困難である。また,インバータに用いられるパワー半導体デバイスの性能向上により,数MHz 以上の高い周波数のインバータ電磁ノイズ対策が必要となりつつある。以上より,今後は150 kHz 以下から数MHz 以上の広い周波数帯域で,インバータ電磁ノイズの抑制が必要になると考えられる。現在,主に用いられるパッシブフィルタでは,このような広い周波数帯域にわたって電磁ノイズ抑制する場合,大型化と重量の増加が避けられない。 本論文の目的は,スイッチングインバータの代表的な適用先である交流モータ可変速駆動システムにおいて,広い周波数帯域で電磁ノイズ減衰効果が高く,小型軽量な電磁ノイズ対策手法を提案することである。アクティブコモンノイズキャンセラACC),高電圧インバータ対応ハイブリッドACC,大電流インバータ用パッシブコモンノイズキャンセラ(PCC)の3 手法について検討を行う。 インバータが発生する電磁ノイズの原因となるコモンモード(CM)電圧を検出し,その逆位相の電圧を加算することでCM 電圧を打ち消す,アクティブコモンノイズキャンセラ(ACC)が提案されており,原理的にはパッシブフィルタと同サイズでより高減衰量,広帯域のCM 電圧減衰性能を持つ。しかし,ACC の回路内部で発生するひずみ電圧が原因となり,CM 電圧の正確なキャンセルが行えず,CM 電圧減衰量は−20 dB 程度であった。本論文ではACC のCM 電圧減衰性能向上を検討する。空間ベクトルパルス幅変調(SVPWM)インバータに対応しつつ,ひずみ電圧発生原因であるエミッタフォロワの回路数を半減し,CM 電圧減衰性能が向上したSVPWM 対応改良型ACC を提案する。さらに,残留CM 電圧をフィードバックし補償することで,CM 電圧減衰性能を向上させたフィードバック併用ACC を提案する。 ACC に用いられるバイポーラトランジスタのコレクタ–エミッタ間電圧最大定格によって,ACC を適用できるインバータの電源電圧は300 V 程度に制限される。自動車駆動用などの高出力インバータは一般に高い電源電圧であるため,従来のACC は適用困難であった。そこで,CM 電圧検出回路に非零相チョークを用いて,バイポーラトランジスタを廃し高耐圧化を実現するハイブリッドACC を提案する。従来のパッシブフィルタやACC は,インダクタやトランスに貫通構造を採用することが困難で,複数の巻線ターン数を必要とした。そのため,大きな巻線導体断面積を必要とする大電流インバータへの適用では,重量と体積の増加が避けられなかった。そこで,モータ配線側を貫通(1 ターン),励磁巻線を3 ターンとしたCM トランスを,3 個用いる大電流インバータ用貫通型パッシブコモンノイズキャンセラ(PCC)を提案する。ACC のCM 電圧減衰性能向上,高耐圧インバータへのACC の適用,大電流インバータ用の貫通型PCC の提案を行い,幅広い電圧・電流容量のモータ駆動用インバータにおける,電磁ノイズ抑制装置の性能向上,小型軽量化手法を明らかにする。
Conffering University: 北海道大学
Degree Report Number: 甲第14594号
Degree Level: 博士
Degree Discipline: 工学
Examination Committee Members: (主査) 教授 小笠原 悟司, 教授 北 裕幸, 教授 五十嵐 一, 教授 竹本 真紹(岡山大学 大学院 自然科学研究科)
Degree Affiliation: 情報科学研究科(システム情報科学専攻)
Type: theses (doctoral)
URI: http://hdl.handle.net/2115/81472
Appears in Collections:課程博士 (Doctorate by way of Advanced Course) > 情報科学院(Graduate School of Information Science and Technology)
学位論文 (Theses) > 博士 (工学)

Export metadata:

OAI-PMH ( junii2 , jpcoar_1.0 )

MathJax is now OFF:


 

 - Hokkaido University