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電気機器の3次元トポロジー最適化および解析に関する研究

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Please use this identifier to cite or link to this item:https://doi.org/10.14943/doctoral.k15081
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Title: 電気機器の3次元トポロジー最適化および解析に関する研究
Other Titles: A Study on Three-Dimensional Topology Optimization and Analysis of Electric Apparatuses
Authors: 大友, 佳嗣 Browse this author
Keywords: トポロジー最適化
均質化法,
Cauer 型等価回路
非接触給電
回転機
Topology optimizaion
Homogenization method
Cauer equivalent circui
Wireless power transfer
Rotating machine
Issue Date: 24-Mar-2022
Publisher: Hokkaido University
Abstract: 計算機性能の目覚ましい飛躍に伴い,インダクタや回転機などの設計開発現場において,3次元有限要素法による電磁界解析が広く用いられ始めている.3次元有限要素解析を用いる利点は,実際の電気機器における3次元構造の影響を正確に考慮できる点にあり,2次元有限要素解析では得られない知見を新たに見出すことが可能になる.一方,3次元有限要素解析を用いた電気機器の磁気回路設計は,3次元的な磁場分布の影響をある程度事前に想定する必要があるため,熟練の技術者であったとしても,適切な形状パラメータの設定は容易ではない.また,計算機性能が向上した現在においても,3次元有限要素解析の計算時間は2次元有限要素解析と比較し,依然として無視できないほど長大であるため,計算時間の大幅な短縮は3次元有限要素解析の利便性向上に必須である.上記の課題を踏まえ,本研究では電気機器3次元設計の高度化および,3次元解析の高速化を目的とし,電気機器の3次元トポロジー最適化法,リッツ線の3次元均質化解析法ならびに,電気機器の渦電流損失を考慮可能な等価回路合成法を新たに検討した. 第2章では,送受電コイル間の3次元的な位置ずれや漏れ磁束を考慮しなければならない非接触給電装置を対象とし,それらに対してロバストな特性を持つ送受電コイルおよび,磁気コアの最適形状を探索可能なトポロジー最適化法を提案する.トポロジー最適化は,形状パラメータの設定を必要としないため,設計者の知見に依らない,全く新しい3次元最適形状を容易に探索することが可能になる.本研究では,非接触給電装置の最適形状として従来提案されている,棒状磁気コアの磁気特性と提案法による最適化形状の磁気特性を比較し,提案法の有効性を検討する.第3章では,電気自動車の普及に伴い,その性能向上が強く求められている永久磁石モータおよび,同期リラクタンスモータに対する新しいトポロジー最適化法を提案する.永久磁石(PM) モータはロータ端部において永久磁石からの漏れ磁束が発生するため,扁平な PM モータ程,3次元的に分布する漏れ磁束の影響を無視できなくなる.そこで,本研究ではロータ端部の漏れ磁束を効果的に抑制するための3次元トポロジー最適化法を提案し,漏れ磁束の影響を無視した従来の2次元最適化形状とその性能差を比較検討する.また,同期リラクタンスモータ (SynRM) はその性能改善において,d 軸方向に沿ったスリット状の磁気コア形状が有効であることが知られている.しかし,従来提案されているトポロジー最適化法では,スリット状の形状表現が難しいという問題があった.本研究では,スリット状の磁気コア形状をトポロジー最適化により実現するため,異方性の空間分布を有するガボールフィルタを用いた新しいトポロジー最適化法を確立する.第4章では,自動車用発電機として用いられるクローポールオルタネータの二段階トポロジー最適化法を提案する.クローポールオルタネータはロータコア全体の3次元構造を最適化する必要があるため,形状最適化における自由度が数百次元を超え,遺伝的アルゴリズム等による大域探索のみでは,十分適応度の高い最適形状を獲得することが難しい問題を生じる.本研究ではこの問題を解決するため,遺伝的アルゴリズムによる大域探索と随伴変数法による局所探索を二段階で実施し,適応度の高い最適形状を獲得することを考える.提案する二段階トポロジー最適化により得られる最適形状の発電性能を,従来のパラメータ最適化による最適形状の発電性能と比較し,提案法の有効性を検証する.第5章では,非接触給電や回転機のコイル巻線に広く用いられているリッツ線に生じる,渦電流損失および循環電流損失を正確かつ高速に解析するための,新しい3次元均質化解析法を提案する.リッツ線は表皮効果による交流抵抗の増大を抑制するため,表皮厚さ以下の半径を有する素線を数百~数千本撚ることにより構成される.このように3次元的な微細構造を有するリッツ線の有限要素解析は,その要素分割数が極めて膨大となるため,渦電流損失および循環電流損失を現実的な時間内で解析することは困難となる.そこで,本研究ではリッツ線の素線束全体を均質媒質として扱うことで要素分割数を大幅に削減し,かつ高精度な交流損失解析を実現する3次元均質化解析法を考える.提案法による解析時間を示すと同時に,解析結果を実験結果と比較することで,提案法の有効性を検証する.最後に,第6章では,電気機器の渦電流損失を考慮可能な Cauer 型等価回路の,測定データに基づく合成法について提案する.3次元モデルにおける渦電流場時間領域の有限要素解析は,1タイムステップ当たりの解析時間が長大であるため,対象とする全ての時間領域解析を現実的な時間内に完了することは極めて難しい.そこで,渦電流損失を考慮可能な Cauer 型等価回路に解析対象を変換し,計算負荷の小さい回路解析によって,時間領域の渦電流場解析を実現する方法が現在提案されている.しかし,現在までに提案されている方法は,簡易的な3次元モデルを Cauer 型等価回路に変換する手法となっており,複雑な3次元構造を有する解析対象を Cauer 型等価回路に正確に変換する手法は提案されていなかった.本研究では,この問題を解決するため,解析対象の周波数特性サンプリングデータから,随伴変数法を用いて高速かつ正確に Cauer 型等価回路を合成する手法を検討する.提案法により合成された等価回路による時間領域解析結果と,実機の実測結果を比較し,提案法により合成された等価回路の有効性を実証する.
Recently, three-dimensional finite element (FE) analysis has widely been used in the design of electric apparatuses. A 3-D analysis allows us to accurately consider the magnetic properties for electric apparatuses with complicated geometries. In addition, a 3-D shape optimization can lead to the novel machine structure which has never been proposed. However, when analyzing the eddy current losses by the 3-D FE analysis, one has to discretize the analysis model into fine elements smaller than the skin depth. This results in an unacceptably large computational time. Moreover, the conventional parameter optimization can improve the machine performance but can make it difficult to find novel structures with excellent performance.To overcome above-mentioned problems, this thesis proposes the novel 3-D optimization and analysis methods as follows: • 3-D robust optimization method for wireless power transfer device. • 3-D topology optimization method for permanent magnet motors • Topology optimization method using Gabor filter • Two-step topology optimization method for claw-pole alternator • Homogenization method for litz wire considering eddy current and circulating current losses • Synthesis of a Cauer equivalent circuit from computed and measured data In this thesis, it is shown that the proposed methods are effective for a 3-D FE analysis and 3-D topology optimization.
Conffering University: 北海道大学
Degree Report Number: 甲第15081号
Degree Level: 博士
Degree Discipline: 情報科学
Examination Committee Members: (主査) 教授 五十嵐 一, 教授 小笠原 悟司, 教授 北 裕幸, 准教授 野口 聡
Degree Affiliation: 情報科学院(情報科学専攻)
Type: theses (doctoral)
URI: http://hdl.handle.net/2115/85472
Appears in Collections:課程博士 (Doctorate by way of Advanced Course) > 情報科学院(Graduate School of Information Science and Technology)
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