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私的複製への著作権法の対応 : 機械的複製からクラウドサービス
Title: | 私的複製への著作権法の対応 : 機械的複製からクラウドサービス |
Authors: | 楊, 明 Browse this author | 孫, 友容//訳 Browse this author →KAKEN DB |
Keywords: | 著作権法 | 私的複製補償金 | フェアユース | 機械的複製 | デジタル時代 | クラウド・サービス |
Issue Date: | Oct-2022 |
Publisher: | 北海道大学情報法政策学研究センター |
Journal Title: | 知的財産法政策学研究 |
Journal Title(alt): | Intellectual property law and policy journal |
Volume: | 64 |
Start Page: | 1 |
End Page: | 38 |
Abstract: | 私的複製は、長期にわたって手書きで書き写すことが主流であったがゆえに、これに対して立法において特別な制度的対応が行われてこなかった。複製装置や媒体の家庭への普及につれて、私的複製による著作権者の利益への影響は、次第に著作権法上注目されるようになってきた。補償金制度の創設は、まさに欧米諸国によって採用された、私的複製による外部不経済への制度的対応である。これに対し、中国や韓国等の一部の国においては、フェアユース以外の補償メカニズムが用意されていない。実際、本質的な「ピグー税」である私的複製補償金制度は、それ自体が外部性理論の「騒ぎ立て」の産物であるか否かという問いに適切に答えることができない。また、同制度は、その具体的な施行過程において多くの運営上の難題にも直面している。したがって、私的複製に対する中国の著作権法の従来の制度的対応は肯定されるに値する。コンピューター技術、インターネット産業、クラウド・サービスの目覚ましい発展につれて、著作物の伝達に関わる需給双方の状況は、いずれも機械的複製時代におけるものと雲泥の差がある。市場原理の視点から見れば、私的複製の「生存圏」がより一層圧縮されていくため、補償金制度を構築する必要はもはやない。法改正が行われたばかりの中国の著作権法は、過去になされた正確な選択を貫いた。クラウド・サービス時代においてなおまばらな私的複製行為があるとしても、現行法制度はそれに対応するのに十分である。 |
Type: | bulletin (article) |
URI: | http://hdl.handle.net/2115/87426 |
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