北方森林保全技術 = Technical report for boreal forest conservation of the Hokkaido University Forests - 第35号

3Dモデルによる植生調査手法の技術開発

坂井, 励;間宮, 渉;吉田, 俊也

Permalink :  http://hdl.handle.net/2115/72972

Abstract

植生調査は農業・土木・森林等様々な分野で行われる。森林管理においては、特に天然更新の予測や成否の判断をする上で林床植生の調査が重要である。目的樹種の稚樹だけではなく、競合するササや草本類の量を明らかにすることにより、はじめて植生全体を評価でき、その後の動態を予測できる。しかしながらその調査には、多くの労力を要する。特にササ・草本類は種ごとに形状やサイズが大きく異なるため、バイオマス量を正確に定量化するためには、個体毎の高さ、展葉面積の計測が必要であり、その労力が大きな障害であった。簡易な方法として、写真画像解析で植被率を算出する方法が知られているが、これは平面の情報であり、成長量の指標である高さの情報を評価することはできなかった。近年、情報処理におけるハードウェアとソフトウェアの発達により、SfM(Structure from motion)という技術を用いて、画像情報から3Dモデルの抽出が容易にできるようになった。この手法を植生調査に利用すれば、写真撮影による画像情報のみで植生情報、特にバイオマス量を評価できる可能性がある。本報告ではSfMを利用した、より簡便で定量的な植生バイオマス量の調査手法を提案する。


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