「私」にとっての自傷の意味 : 当事者たちによる「かたり」の臨床心理学的考察
長, 実智子;渡邊, 誠
Permalink : http://hdl.handle.net/2115/86267
JaLCDOI : 10.14943/b.edu.140.259
KEYWORDS : 自傷行為の役割;質的研究;ストレス対処戦略;表現の固有性;Role of self-harm;qualitative research;stress coping strategies;specificity of expression
Abstract
自傷行為当事者にとっての自傷行為の役割を明らかにすることを目的とし,女性自傷行為経験者5名に対して面接調査を行い,データを質的研究の手法により分析した。その結果,自分自身では対処不能であり,過剰なストレス状態が長期的に継続し,周囲に対して援助希求行動が取れない場合に,何とか生き抜くための即効性のあるストレス対処戦略として自傷行為が生じることが示された。また,当事者との信頼関係のもとで語られた逐語データの提示を通じて,一人一人の自傷行為にまつわる表現の多様さを示し,その固有の表現にこそ臨床家が汲み取るべきものがある可能性を示唆した。
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