科学技術コミュニケーション = Japanese Journal of Science Communication;31号

FONT SIZE:  S M L

新型コロナワクチン啓発プロジェクト『こびナビ』のSNS を活用した科学・医療コミュニケーションの実践

曽宮, 正晴;岡田, 玲緒奈;木下, 喬弘;安川, 康介

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/86692
JaLCDOI : 10.14943/104232
KEYWORDS : 新型コロナワクチン;医療情報;ワクチン忌避;SNS;こびナビ;COVID-19 vaccine;medical information;vaccine hesitancy;COV-Navi

Abstract

2019 年に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は,人類に甚大な影響を与えた未曾有のパンデミックであり,COVID-19 に対する最も有効な対策としてワクチンが注目された.新型コロナウイルスに対するワクチン(以下,新型コロナワクチン)の開発は,mRNA ワクチンやベクターワクチンという新しい技術を基にしたものが先行した.このことも影響し,国内承認を目前にメディアやSocial Networking Service(SNS)では連日,不安を煽る不正確な情報が氾濫する状況にあった.パンデミックの収束の大きな鍵となるワクチンの接種率を高めるためには,こうしたワクチン忌避を解消する取り組みが喫緊の課題であった.「こびナビ」は,日米の医師を中心とした新型コロナワクチン啓発プロジェクトであり,新型コロナワクチン及び新型コロナウイルス感染症に関する正確な情報を発信する目的で,2021年2月に設立した.特徴は専門家集団が議論を通じて科学的根拠に基づく情報を提供したことであり,発足当初より様々なSNS を活用して,より多くの人に正確な情報を発信する活動を行なってきた.本報告では特に,Clubhouse やTwitter,Instagram 等のSNS を利用した,科学的根拠に基づいたタイムリーな科学・医療コミュニケーションの実践について述べる.本活動の実践の記録が,今後の科学・医療コミュニケーションの一助になるものと期待する.

FULL TEXT:PDF