科学技術コミュニケーション = Japanese Journal of Science Communication;31号

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100 万回再生のプレゼンテーションデザイン

高橋, 徹

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/86690
JaLCDOI : 10.14943/104234
KEYWORDS : オンライン授業;基礎科学;プレゼンテーションデザイン;スライドデザイン;online lecture;fundamental science;presentation design;slide designs

Abstract

広島大学のYouTube チャンネルに掲載された素粒子物理学の講義動画が,公開からおよそ17 カ月(2022年7月時点)で180 万回以上視聴されている.同チャンネルには約100 の講義が掲載されているが,この動画の視聴回数は他の講義に比べて格段に多くなっている.また,同チャンネル外の類似分野の動画と比較しても視聴回数は多い.この動画を制作するにあたっては,聴衆を想定しメッセージを明確する,構成を検討する,スライドデザインを考えるなど,プレゼンテーションデザインの手法に従って作成することに特に留意した.本稿ではこのことが視聴回数の増加に寄与したと考え,動画を作成した際の留意点について述べる.また視聴者の特徴,動画視聴への誘導径路など,視聴状況の分析結果について考察する.プレゼンテーションデザインについてはいろいろな論考がなされているが,基礎物理学という一般には難解と考えられている分野において多くの聴衆にリーチした例として,本動画の作成例を共有することは,プレゼンテーションデザインと科学コミュニケーション双方の事例として意義があると考えている.

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