科学技術コミュニケーション = Japanese Journal of Science Communication;31号

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萌芽的技術の用途などのアイデア創出を促す科学コミュニケーションツールの開発 : ひみつの研究道具箱カードゲーム

松山, 桃世

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/86689
JaLCDOI : 10.14943/104235
KEYWORDS : 市民参加;萌芽的科学技術;科学コミュニケーションツール;カードゲーム;ワークショップ;public engagement;emerging technology;science communication tools;card games;workshop

Abstract

欧州連合のHorizon 2020 や日本の第6期科学技術・イノベーション基本計画では,研究活動に市民を含む多様なステークホルダーが参画できる環境整備の必要性が指摘されている.そこで本研究では,市民に萌芽的技術の用途案などのアイデア創出を促す,手軽に実施可能な科学コミュニケーションツール「ひみつの研究道具箱カードゲーム」を開発し,実践を重ねた.具体的には,参加者が手持ちの技術カードを使って,社会課題を解決するアイデアを考え,競うゲームである.記録動画とアンケートの分析から,科学技術に関心の低い層も概ね楽しんで参加し,複数の技術を組み合わせ,例示した以外の新たな用途案や社会課題への異なる角度からのアプローチを含む多様なアイデアを創出することが分かった.今後は,持続可能な開発のための理科教育や,社会課題の認知向上・行動変容の促進などにも,本ツールを展開していくことが期待される.

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