北海道大学大学院教育学研究院紀要 = Bulletin of Faculty of Education, Hokkaido University;第141号

FONT SIZE:  S M L

助教諭の任用増加の要因と教員需給 : 広島県の事例に基づいて

王, 婷

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/87576
JaLCDOI : 10.14943/b.edu.141.1
KEYWORDS : 助教諭;教員不足;非正規教員

Abstract

広島県では,助教諭の任用が近年増加し,特に小学校での増加が激しい。助教諭任用は,中学校・高校免許状所持者を小学校に助教諭として任用するケースが主である。また,非都市部より広島市などの都市部での助教諭任用が多い。その要因は,主に教員の大量退職,産休育休の増加,及び特別支援学級・少人数指導の増加により,広島県の教員需要が拡大し続けていることが確認できた。特に,少人数学級の推進に伴い,非都市部より,広島市などの都市部では大量の教員が必要となり,結果として都市部に助教諭の任用が多くなっている。  助教諭の増加問題の本質は,小学校教員免許状所持者の供給が不足していることである。広島県では小学校教員免許状の取得数,教員への就職者数,小学校教員の新規採用は増加しているにもかかわらず,依然として教員が不足し,多くの助教諭が任用される事態に陥っている。このことから,教員不足の深刻さについて再認識できた。

FULL TEXT:PDF