Permalink : http://hdl.handle.net/2115/89079

KEYWORDS : 北海道の生産活動;行動制限;景気動向分析

本稿では，2020年，2021年において，新型コロナウイルス感染症が拡大し，行動制限が断続的に要請された厳しい経済環境の下，北海道の生産活動がどのような推移をたどったのかを時系列で分析する。主要経済指標及び各種統計に付随して公表されるヒアリング内容などから分析を進め，主として次のような分析結果を示すことができる。北海道の生産活動は，2020年，2021年と行動制限に伴う需要の低迷により低下傾向がみられた。特に2020年4－6月期と2021年7－9月期に大きな低下局面があった。このことは全国でも同様ではあったが，全国では需要回復期において，生産活動が上昇する傾向がみられたのに対し，北海道では個別業種のミクロ要因の影響を強く受けて回復が遅れる傾向がみられた。2021 年後半には部品供給不足や半導体などの供給制約も加わり生産活動の回復が遅れる傾向がみられたが，このことは，主要経済指標，ヒアリング内容に基づく分析に加え，業況判断DI と生産活動との連動性からも補完的に分析できる。