北海道大学大学院教育学研究院紀要 = Bulletin of Faculty of Education, Hokkaido University;第97号

FONT SIZE:  S M L

豪雪地の高齢者に対する生活機能向上のための筋力トレーニングの効果

森田, 勲

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/14671
JaLCDOI : 10.14943/b.edu.97.27
KEYWORDS : レジスタンストレーニング;ショベルパワーテスト;脚伸展パワー;6分間歩行

Abstract

本研究の目的は,自重を中心とした筋力トレーニングが豪雪地で暮らす高齢者の身体資質に与える効果について検討することである。23名の男性高齢者(65.6±5歳)と28名の女性高齢者(64.1±5歳)に対し筋力レベルの向上を目指すための,スクワット,シットアップおよびプッシュアップなどの自重を中心としたトレーニングを週に2回のペースで4ヶ月実施した。トレーニング期間の前後で握力,脚伸展パワー,6分間歩行およびショベルパワーテストの測定を全被検者に対して行ったところ,男性高齢者における6分間歩行および両グループの脚伸展パワーの値に1%水準の有意な変化がみられたほか,両グ ループのショベルパワーテストの値で5%水準の有意な変化がみられた。しかし,コントロールグループでは有意な変化はみられなかった。また,すべてのグループでショベルパワーテストと脚伸展パワーとの間に有意な相関がみられた。これらの結果から,本研究で用いた自重を中心とした筋力トレーニングプログラムが除雪能力や脚パワーの向上に役立ち,豪雪地で暮らす高齢者の日常生活における身体負担の軽減や不活動性に対して効果を発揮することが示唆された。

FULL TEXT:PDF