北海道大学大学院教育学研究院紀要 = Bulletin of Faculty of Education, Hokkaido University;第97号

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総説青年期女性の身体運動による情動(感情)の最適化に関する検討

井瀧, 千恵子;森谷, 絜

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/14685
JaLCDOI : 10.14943/b.edu.97.81
KEYWORDS : 青年期女性;身体運動;情動;脳波左右偏側性;女性ホルモン

Abstract

女性ホルモン分泌量が急激に増加する青年期女性では,性周期に伴う分泌量の周期性変動も生じる。女性ホルモンは生殖器官に対する作用以外にも種々の生理作用をもち,その一つが向精神作用で,ネガテイブな感情を低減し,ポジテイブな感情を高める。社会的自立をめざす20歳代女性はストレスを感じている割合が高い。身体運動はストレスを緩和しストレッサーに対処する自己効力感を高める「情動の最適化」効果をもつが,20歳代女性は身体運動でストレスに対処する割合の低いことが報告されている。身体運動を行うことで抑うつ的な感情が低減され,問題解決に積極的な感情が強化される報告が多い。一 方,身体運動のやりすぎによる心身障害の報告も多いことから,快適自己ペース運動を取り上げ,中等度強度の有酸素性運動が青年期女性の感情に及ぼす効果を示し,前頭前野脳波の左右偏側性並びに血中女性ホルモン濃度の上昇からその機序について考察した。

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