北海道大学大学院教育学研究院紀要 = Bulletin of Faculty of Education, Hokkaido University;第100号

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農村における内発的発展の担い手形成過程

若原, 幸範

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/18866
JaLCDOI : 10.14943/b.edu.100.99
KEYWORDS : 内発的発展論;地域づくり主体;学習活動;グリーンツーリズム;ファームイン

Abstract

内発的発展論は1970年代中頃に提起され展開してきたが、グローバリゼーションの進展や新自由主義的国家体制の強まりのなか、従来の理念・原則を再定義し現実化することが求められている。筆者はその現実化のための主要論点は内発的発展の担い手の形成過程を明らかにすることにあり、そのような観点から具体的事例の実証分析を積み重ねていくことが必要と考えている。本論では以上の問題意識に基づき、北海道鹿追町におけるグリーンツーリズムの展開に着目し、その中心となっているファームイン経営者たちと、彼らが組織する北海道ツーリズム協会の事例を検討し、農村の内発的発展における担い手の形成過程を明らかにすることを目指した。ここでは担い手たちの学習活動と意識の変化を分析し、彼らの地域認識の変化の矛盾把握の仕方を考察した。しかし、地域内協同のあり方などを明らかにすべき課題は残されており、更なる実証分析の継続が必要である。

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