北海道大学大学院教育学研究院紀要 = Bulletin of Faculty of Education, Hokkaido University;第101号

FONT SIZE:  S M L

学校給食活動における地域づくりの可能性

片山, 千賀子

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/20482
JaLCDOI : 10.14943/b.edu.101.211
KEYWORDS : 食農教育;食と農;地域づくり;給食

Abstract

われわれの生活と深く関係している食と農の問題は,近年ますます複雑・深刻化している。 そのような中で,両者の関係を改めて問い直すものとして食農教育の実践が注目されている。し かし,その意義や課題との関係性があいまいにされたまま,単純に食と農を直線的につなげただ けの実践も多く見受けられる。筆者は,食も農も人々の生活が営まれている地域とは切り離せな いものであって,地域という視点を土台に据えてはじめて食農教育の意義がより明確になると考 える。同時に,そうすることで地域づくり実践としての可能性を提起できるのではないかと考え ている。本稿では実践例として北海道置戸町の給食活動に着目した。学校給食を軸として職種に とらわれないさまざまな住民が活動に参加し,特徴ある給食を作り続けている置戸町の給食活動 において,主に住民への聞きとり調査によって活動に関わる住民たちの意識の変化と活動の展開 過程,主体間の関係構造等を明らかにしながら,学校給食の実践が地域づくりとして展開しうる 可能性を検討した。

FULL TEXT:PDF