北海道大学大学院教育学研究院紀要 = Bulletin of Faculty of Education, Hokkaido University;第102号

FONT SIZE:  S M L

米国大都市学区教育改革における教師の位置 : 分散型リーダーシップと相補的アカウンタビリティのフレームより

篠原, 岳司

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/26194
JaLCDOI : 10.14943/b.edu.102.119
KEYWORDS : アメリカ大都市学区,教師,アカウンタビリティ,分散型リーダーシップ,学校改善計画

Abstract

本論では米国大都市学区の教育改革事例の検討から,教育政策レベルと実践レベルの双方において,教師が教育の質的保障における鍵的主体に位置づくことの意義を明らかにする。はじめに,近年のアカウンタビリティ政策を巡る米国研究動向から、特に教育の質的保障を巡る理論研究としてスピラーンの分散型リーダーシップとエルモアの相補的アカウンタビリティに注目し分析フレームを確立させる。次にシカゴ学区とボストン学区の教育改革事例の検討から,学区レベルおよび学校レベルにおいて学校改善計画づくりの中心に教師のリーダーシップが積極的に位置づけられている実態を明らかにする。またそれらの分析によって,教育の政策と実践を相補的に結合させる教師のリーダーシップの意義を導出し,その結果,自律的な教育改革を可能にする教育行政の新たなガバメント像について追及を試みる。

FULL TEXT:PDF