經濟學研究 = The economic studies;第57巻第2号

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生産理論に関する或る考察

田中, 嘉浩

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/28612
KEYWORDS : 静学分析;劣微分;感度分析;連続性;強準凹性

Abstract

経済理論は静学分析に於いては大幅に数理計画に基いているが,扱う関数クラスの一般化の方向の文献はまだ限られている (Avriel, Diewert, Schaible, Zang 1988 等)。特に,生産理論は消費者理論と同様に,Hicks (1946), Shephard (1970) や Samuelson (1983) 等多くの研究者に依って最適化の観点から研究されてきた。 我々は主に現代ミクロ経済理論の2つの基本的な生産モデル,利潤最大化モデルと費用最小化モデルを,比較静学の立場から扱う。 本稿では,我々は非滑最適化の枠組みの下で劣微分やClarkeの劣微分を用いながら従来の結果を拡張し,一般Hotellingの補題や一般Shephardの補題を示す。ところで,経済学にも数理計画にも解の連続性を扱った文献は殆どないのも注意すべきである。解の連続性を保証するには線形生産関数ですら十分ではない。本稿では強準凹性の概念を導入し,条件付き要素需要関数$x(w)$の連続性を保証する十分条件--緩い条件の下で必要条件にもなる--を調べる。最後に,感度分析に関する結果を述べる。

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