經濟學研究 = The economic studies;第57巻第2号

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スラッファ体系と需要

吉井 哲

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/28613
KEYWORDS : スラッファ;客観主義;有効需要;結合生産;Long-Period Positions

Abstract

Sraffa(1960)『商品による商品の生産』において,需要が体系において重要な役割を果たすと思われる箇所,すなわち主体の意識が介在している箇所が存在する事を提示し,なぜSraffaがそれを明示せずに,厳格な客観主義に基づいた「数量関係」として体系を構築したのかを,彼の著作や日記,手紙,未刊行ペーパーなどから論証をおこなう事を第一の目的としている. また,本稿第III節以降では,Sraffa体系における問題点を指摘している.特に,SmithとSraffaの体系における類似性に注目し,産出量を所与とした仮定に関する問題点を指摘する.ゆえに,第二の目的はSraffaの意向を継承した上で,「剰余アプローチ」による体系の展開可能性を考察する.

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