北海道大学大学院教育学研究院紀要 = Bulletin of Faculty of Education, Hokkaido University;第108号

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極性反応の指導における教育内容の構造 : R.Robinsonの有機電子論の原点に着目して

渡邉, 大輔

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/38814
JaLCDOI : 10.14943/b.edu.108.131
KEYWORDS : 高校有機化学教育;有機電子論;教育内容;極性反応;ロビンソン

Abstract

本稿は「官能基に着目する有用性」と「反応の条件としての官能基の分極」を統一的に理解させるために,極性反応の指導における教育内容の構造を解明することを目的としている。そのためにまず高校有機化学教育における授業目標を設定した(1節)。次に有機電子論の理論的基礎を与えたロビンソンの理論形成の原点を抽出した(2節)。以上を前提として,極性反応の指導における教育内容の構造を仮説的に設定した(3節)。具体的には以下の要素と順序である。第1に形も大きさも違う化合物であるにもかかわらず,まったく同じ反応がまったく同じ部分に起こることを示す。第2に特定原子団とそれ以外の部分にたいして,分極の大小から反応する部分と反応しない部分を意識づける。第3に反対符号の電荷は引き寄せあうので,求核部分と求電子部分が相互作用することを教える。このような教授仮説の実証に向けた研究課題の整理を行った(4節)。

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