經濟學研究 = The economic studies;第59巻第3号

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マツダの企業再生プロセス

平野, 実

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/40119
KEYWORDS : 企業再生;リーダーシップ;ステークホルダー;戦略的フォーカス;組織改革

Abstract

本稿は,マツダの企業再生のプロセスを,Stuart Slatter とDavid Lovett(1999)が提示した実践的な企業再生のフレームワークを用いて明らかにすることを目的としている。マツダは,1980年代後半のバブル期の販売チャネルの拡大や車種の拡充により,マツダのブランドの希薄化と高コスト体質に陥った。その結果としてバブル経済崩壊後,1993年から1995年にかけて3期連続の大幅な赤字に陥り,1996年にフォードの支援を仰ぐことになった。その後,フォードがマツダの経営権を掌握し,フォードから派遣された4人の米国人社長と,マツダ生え抜きの日本人社長のもとで様々な改革を実行し,2007年度に過去最高の売上高と利益を記録し,マツダは再生した。本稿では,このマツダ再生に至るプロセスが,Slatter & Lovettの指摘する「企業再生の4つの主要目標」と「7つの必須要素」で構成される分析枠組にもとづいて分析される。

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