經濟學研究 = The economic studies;第59巻第4号

FONT SIZE:  S M L

Nash均衡の計算複雑度について

田中, 嘉浩

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/42773
KEYWORDS : Nash均衡;P=NP? 問題;NP困難;PCP定理;PPAD完全

Abstract

1940年代半ばから von Neumann 等によって創始されたゲーム理論に於いて Nash 均衡は理論上・応用上重要ながら効率的に解を求めるアルゴリズムは知られていない。一方計算量の理論は1970年代以降, 主に計算機科学の分野で発展してきているが,「P=NP? 問題」という数学のミレニアム懸賞問題を含む重要分野として注目を集めている。 本稿では計算量の理論の最近の研究を概観すると共に,Nash 均衡は常に解を持つ問題だがその計算が不動点の計算と同じ PPAD完全 として知られるクラスに属しているという Daskalakis, Goldberg and Papadimitriou (2009) の結果等を示す。

FULL TEXT:PDF