經濟學研究 = The economic studies;第59巻第4号

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明治初年の大名屋敷をめぐる都市肥料経済

田中, 愼一

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/42781
KEYWORDS : 下掃除;馬附荷;かち荷

Abstract

明治初年にはまだ存在していた大名屋敷, その下掃除をめぐる都市肥料経済の実体を追求しようとした論考で, 二つの事例を取り上げた。まず南葛飾郡立石村の名門的旧家とおぼしき豪農が浅草小島町の旧烏山藩主を相手どって起こした下掃除請負身元金取り戻しの民事訴訟を素描したのち, ついで世田谷の6ヵ村の農民が彦根藩上屋敷の下掃除を担当していた実体を根本資料にもとづいて追求した。搬出形態には馬附荷, かち荷, 車荷があり, 1駄あたりの下掃除代と1荷あたりの下掃除代が銀目で計上されたのち, 計数貨幣化されて納められていたことなど, 下掃除代の勘定の仕方をある程度まで明らかにし, 下掃除人ごとの下掃除日数と下掃除量をあきらかにするなどした。

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