經濟學研究 = The economic studies;第61巻第3号

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フランスにおける内部統制報告制度の運用と事例

蟹江, 章

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/47713
KEYWORDS : 内部統制報告制度;内部統制監査;内部統制報告書;リスク・マネジメント

Abstract

フランスでは,2003年1月1日に始まる会計年度から内部統制報告制度が実施されている。それには,内部統制の整備に向けた取組や内部統制の具体的な中身についての説明が指向されている点や会社が設定しているすべての内部統制に関する説明が求められている点に特徴がある。財務報告に係る内部統制の有効性評価とその結果の報告だけを求めるわが国やアメリカの制度と比較すると,フランスの制度の特徴がより際立つであろう。こうした違いは,わが国やアメリカが内部統制報告制度を証券市場規制の一環として位置づけているのに対して,フランスでは,証券市場を意識しながらも,会社法におけるコーポレート・ガバナンスの強化策として位置づけていることに起因する。本稿では,金融市場機構(AMF)が公表しているコーポレート・ガバナンスと内部統制に関する年次報告書に基づいて,フランスの主要企業における内部統制報告書の記載事項を概観するとともに,実際に公表されている内部統制報告書を取り上げて,そこに記載されている内容について具体的に検討している。

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