看護総合科学研究会誌 = Journal of comprehensive nursing research;vol. 13 no. 2

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中堅看護師が経験した病院内異動の実態 : キャリア試行期と確立期の2事例の検討

吉田, 祐子;良村, 貞子;青柳, 道子;岩本, 幹子

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/48238
JaLCDOI : 10.14943/53793
KEYWORDS : Case study;Ward rotation;Career development;Trial stage;Established stage;事例研究;異動;キャリア発達;試行期;確立期

Abstract

本研究は、キャリア試行期とキャリア確立期にある2人の中堅看護師が経験した病院内異動がどのような実態となっているかを明らかにすることを目的とした。試行期の看護師Aと確立期の看護師Bに対し、半構成的質問調査を実施した。看護師Aからは、「異動直後の新部署への批判的な気持ち」、「看護の違いに戸惑いながらも深まる看護観」、「新部署における自分の立場の難しさと不十分な役割発揮の自覚」他7つのカテゴリーが抽出された。看護師Bからは、「環境と組織文化の違いに対する驚き」、「予想可能な将来像」、「新部署における自分の位置・役割の自覚」他5つのカテゴリーが抽出された。同じ病院内における異動でも、中堅看護師にとっては、職場の変化に対する違和感と驚きが大きいことが明らかになった。また、異動は、試行期の看護師Aの看護観へ影響を与え、組織における自分の役割を考える機会となっていた一方で、確立期の看護師Bへはそのような影響はほとんどみられなかった。これらはキャリア発達段階の相違に依拠するものと考えられた。

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