北海道大学大学院教育学研究院紀要 = Bulletin of Faculty of Education, Hokkaido University;第115号

FONT SIZE:  S M L

在宅人工呼吸器装着児(者)の母親の適応過程における両義性と共時性

コリー, 紀代

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/49538
JaLCDOI : 10.14943/b.edu.115.71
KEYWORDS : 在宅人工呼吸器;家族の適応過程;医療的ケア;両義性と共時性;ケアの両義性

Abstract

 医療的ケア問題は,医療の発展という社会環境の変化に,障がい児の母親たちがどのように適応を迫られているかという問題であり,専門家の力量が問われる問題であるといえる。そこで本研究では,人工呼吸器装着児(者)の療養生活を支える家族が直面する困難についてインタビュー調査を実施した。グラウンデッド・セオリー・アプローチによって母親の適応過程の8つのカテゴリーが抽出され,家族の適応過程における両義性と共時性を持つより糸構造モデルを作成した。専門職の支援として,ケアにも両義性という特徴を踏まえた視点が不可欠であり,ケアの受け手と専門家間の他者性を尊重した対話と,専門家個々人の自己研鑚,専門家集団の柔軟性が,人工呼吸器装着児(者)と家族の適応を支える専門職に求められる。

FULL TEXT:PDF