メディア・コミュニケーション研究 = Media and Communication Studies;63

FONT SIZE:  S M L

中国媒体国际报道政策研究

西, 茹

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/51195

Abstract

本論文は、中国の国際報道に対する管理政策について、実証的な考察を行うものである。中国の国際報道の管理政策の実情について明らかにするために、本論文では建国以来の中国共産党宣伝部と国家新聞出版総署が編集、出版した文献資料と党指導者の関連演説などの第1次資料を整理、検討し、あわせていくつか国際報道に携わったメディア関係者の文献資料および現地インタビューなどを検討し、以下の3つの方面から国際報道の管理政策の内容について検討と紹介を進めた。一つは、国際情報に関する窓口一元化の管理政策、二つ目は外交に奉仕する国際報道の政策、三つ目は国際報道に対する国内意識という視点―― である。建国から60年あまり、中国の国際報道の管理政策は極めて強い連続性を保持してきた。一貫して国際情報に対する管理窓口の一元化の原則を堅持し、国際報道は必ず外交政策に奉仕させるという原則を堅持してきた。また内外の情勢の変化に合わせ、国際情報の処理にあたって "国内の意識" 状況を重視する傾向を強めてきた。すなわち国際情報の選択にあたって国内の社会の安定と中国共産党の統治体制への影響を注視してきた。国際報道に関する研究は長らく報道の現状に対する考察に止まり、現状をもたらしている原因や背景についての検討にまで立ち入ることは困難であった。本論文は、その研究空白を一定程度埋めたという点で意義があり、歴史的、実証的検討に基づく本研究は、国際報道の生産メカニズムと国際情報の提供メカニズムおよび中国国民の対外意識形成に関する今後の分析に対して、有益な参考ともなるであろう。

FULL TEXT:PDF