応用倫理;第2号

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応用倫理学では何が「応用」されているのか?

Chadwick, Ruth

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/51822
JaLCDOI : 10.14943/ouyourin.2.2
KEYWORDS : 応用倫理学;理論的ならびに反理論的倫理的専門知識;学際融合

Abstract

「応用倫理学」という言葉の「応用(された)(applied)」という語を見ると、何か応用されているものがあると考えたくなる。だが、倫理学理論の応用に依拠する応用倫理学、というモデルは、多くの批判をひき起こしてきた。そうした批判には、倫理的専門知識(ethical expertise)という概念を巡る諸問題も含まれている。また、例えば文脈主義や個別主義に基づくアプローチ(particularist approach)、あるいは倫理的「道具(‘tools’)」の発展といった応用倫理学の他のモデルがそうした批判を免れられるのかについても、問いが生じてきている。応用倫理学の主要な課題の一つは、ある状況の倫理的諸側面の同定にある、と論じられてきた。しかし、ある問題に「枠組みが与えられた」としても、重要なのは、枠組みだけでなくそれが取りこぼしてしまったかもしれないものにも敏感であることだ。これを現実のものとするには、様々な学問間の協力が望ましい。

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