經濟學研究 = The economic studies;第62巻第3号

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インドネシアの女性家事使用人 : バンドン市における仲介業者の調査によせて

横本, 真千子

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/52290
KEYWORDS : インドネシア;女性家事使用人;仲介業者;募集人;ライフサイクル

Abstract

インドネシアにおいて1980年代の経済成長期に女性の労働力化率が上昇したことを受けて, 富裕層世帯のみならず都市中間層の勤労者世帯とくに夫婦共働き世帯において, 家事, 育児, 介護を担う女性家事使用人への需要が増加している。こうした都市の女性家事使用人の需要を満たしているのが, 農村出身の女性である。農村出身の女性家事使用人が都市で働くための入職ルートとして仲介業者が存在する。実際に農村において家事使用人の調達をおこなうのは募集人である。若年で低学歴および縁故をもたない農村出身女性は正規の労働市場に参入することが困難であるため, 同郷出身の仲介業者と募集人による家事使用人の入職ルートによって都市への出稼ぎの機会を得る。 小論では, バンドンの女性家事使用人仲介業者とその募集人および50人の女性家事使用人を対象におこなったアンケート調査をもとに, 学歴や縁故を持たない農村出身の女性家事使用人の都市への入職ルート(仲介業者と募集人), 女性家事使用人の就業形態, 学歴および職歴構成, 女性家事使用人の出身農村世帯の家族・家計構成および出身地域の産業構造, さらにライフサイクルについて考察をおこなった。

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