地域経済経営ネットワーク研究センター年報 = The Annals of Research Center for Economic and Business Networks;第2号

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<研究論文>中国における風力発電の普及について

王, 磊

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/52508
KEYWORDS : 再生可能エネルギー;中国;風力発電;政策

Abstract

温暖化問題の解決策にとって,省エネルギーと再生可能エネルギーの普及は大きな柱である。世界一のCO2 排出国である中国も,現在主に省エネルギーと再生可能エネルギー,特に風力発電の普及によって,CO2 排出削減を行おうとしている。2011 年の発電総設備容量に占める割合は,風力が4.3%であり,2005-2010 年の平均的な増加率は94.75%である,という成果が挙げられる。 風力発電を普及させるために,中国政府は様々な支援策を打ち出した。電力会社に一定割合の再生可能エネルギーの買い取りを義務付けるRPS 法を実施するとともに,競争入札価格の導入などによりコスト低下を図りながら,さらに,地域ごとの系統連系価格により風力発電を全量買い取りするという制度により風力発電の開発や普及を促進しつつある。しかし,地域ごとの全量買い取り制度は風力発電の急速な普及により評価されるものの,発電設備の質と接続率の低下など課題を解決できない限度があるため,他の促進策とともに取り組むようにすることで,普及への促進効果がさらに上げられると考えられる。 一方,普及目標の変更,急速な風力発電の普及と共に様々な課題も現れた。風力発電の乱立,風力発電所建設計画の失策,送電網建設の立ち遅れ,再生可能エネルギーへの補助金の不足などが挙げられる。中国政府は一連の政策を公布実施し,それらの課題を解決しようとしているが,残された課題は多い。

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