北海道大学大学院教育学研究院紀要 = Bulletin of Faculty of Education, Hokkaido University;第118号

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医師は発達障害のある子どもへの診断名説明で何を伝えているのか

後藤, 千佐子

Permalink : http://hdl.handle.net/2115/52892
JaLCDOI : 10.14943/b.edu.118.135
KEYWORDS : developmental disability;child psychiatry;revealing diagnosis;child psychiatrist;発達障害;小児精神医療;診断名説明;児童精神科医

Abstract

本研究は,発達障害のある子どもを診察している医師が,子どもへの診断名説明を実際にどのように説明しているのか,その際に何を伝えようとしているのかを明らかにすることを目的とし,4 名の児童精神科医に対して半構造化面接を行うことにより検討した。その結果,診断名説明の実施に対する考え方は医師により異なり,その差は発達障害観の違いによって生じることがわかった。診断名説明を行うことへの躊躇は全ての医師が感じていた。その理由として発達障害の診断名が社会的な意味を持ち,ラベリングやスティグマの問題を含むためということが示唆された。診断名を説明するとき,医師は単に名称を伝えるだけではなく,その子どもの良いところが伝わるように留意し,マイナスのものをプラスに転換するように説明を行っていた。

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